和漢朗詠集 露 含秋歌上家持 元禄五年本
もみぢせぬときはのやまにすむしかは をのれなきてや秋をしるらむ 能宣 ゆふづくよをぐらの山になくしかの こゑのうちにやあきはくるらん 貫之 露 ...
唐詩選画本 宮中題 文宗皇帝 蔵書
きうちうにだいす ぶんそうくはうてい 宮中題 文宗皇帝 輦路生秋草上林花滿枝憑高 ...
歌論 無名抄 為仲宮城野萩
為仲ミヤギノヽ萩ヲホリテノボル事 この為仲任はてゝのぼりける時みやぎ野の 萩をほりとりてながひつ十二合に入てもて のぼりければ人あまねくきゝて京へい...
唐詩選画本 勧酒 于武陵 蔵書
くわんしゆ う ぶりやう 勧酒 于武陵 きみにすゝむきんくつし。まんしやくぢすべからず。 はなひらけばふうゝおゝく、じんせいべつりにたる。 ...
鴨長明方丈記之抄 序
鴨長明方丈記之抄(嵯峨本系) 行川の流れは絶ずして、しかももとの水にあらず。淀み に浮かぶ泡沫は、かつ消え、か...
鴨長明方丈記之抄 安元の大火
凡そ、物の心を知れりしより、四十余りの春秋を送る間 に、世の不思議を見るを、ややたびたびになりぬ。 去(きやつ)安元三年四月廿八日かとよ。風激しく吹て、 静かならざ...
鴨長明方丈記之抄 治承の辻風
又、治承四年卯月廿九日のころ、中御門京極の程より、 大なる辻風起りて、六条わたりまで、いかめしく吹きけ る事侍き。 三四町をかけて吹きまくる間に、その中に籠れる家ど...
鴨長明方丈記之抄 福原遷都
又、同じ年の水無月のころ、にはかに都遷り侍りき。い と思ひの外なりし事なり。 大方、この京の始めを聞けば、嵯峨天皇の御時、都と定 まりにけるより後、既に数百歳を経たり。事...
鴨長明方丈記之抄 養和の飢饉
又、養和のころかとよ。久しくなりて、確かにも覚えず。 二年が間、飢渇して、浅ましき事侍き。或は、春夏ひで り、或は、秋冬大風大水など、よからぬ事ども打つづき、 五穀悉...
鴨長明方丈記之抄 元暦の大地震
又、元暦二年のころ、大なゐ震る事侍き。その樣、常な らず。山崩れて、川を埋み、海かたぶきて、陸(くが) をひたせり。土裂けて、水湧き上がり、巌割れて、谷に まろび入る。渚...