中小企業のES=人間性尊重経営のパイオニア/有限会社人事・労務 ES組織開発・人事制度改革ブログ

社員の幸せ、職場の幸せを基準に経営を、社風を変えたいと本気で思っている社長さん・人事担当者の方へのエールをあなたへ!

個が活かされる時代の自律分散型組織づくりと社労士

2023-07-27 15:45:58 | 組織開発・社風改革
先日、吉原史郎さんをお招きして、セミナー「個が活かされる時代の自律分散型組織づくりと社労士」を開催しました。
 
 
冒頭で、ソースプリンシプル提唱者であるピーターさんからのメッセージを参加者皆で共有したうえで、史郎さんからお話。この数年、史郎さんはじめJUNKANコミュニティの皆さんと弊社がご縁をいただき、わたしも読書会等々の場や春のピーターフェスの機会を通しソースプリンシプルの学びを深めてきましたが、今回の史郎さんのお話の中でギュッと刻み込まれたのは二点ありました。
 
一つは、「小さな喜びと健全な痛みを吐露できる」職場、という言葉。
これは、クレドを導入し対話の習慣を職場に根付かせるうえでも大切にしている視点ですが、喜び・感謝という切り口だけではなく恐れ・違和感といった痛みをも吐露し合える安心安全な空気感が醸成されているかどうか、というのは、単に施策やツールを取り入れただけでは実現できないことであり、”言葉で発していてもその内面では言葉にならないおもいが生じている”といった点にも意識を傾けながら、表面的な「対話の場」になっていないかどうか、自分の日々の取り組みをふりかえる瞬間でもありました。
 
 
もう一つは、「誰もが人生というフィールドを生きている」という前提に立って、共に働いているメンバーのフィールドやそこにあるビジョンやバリューに意識を傾けてみる、という視点。これは、企業にとっては”そのスタンスであり方を考えた結果辞めていってしまったらどうしよう”という恐れを刺激することでもあり、社員においても”ビジョンと言われても自分は何かを為したいわけではないから分からない”と思考に蓋をさせることにもなりかねない。
 
でも、だからこそ、「縁あって意味あってこの職場でこの仕事に出合ったんだな」という無意識を掘り起こしながら一人ひとりが自身のおもいの源に向き合う機会を創り出していくために、組織開発を担うわたしたちが会社と社員の架け橋として機能していければ!と思いました。
 
1on1とか、キャリア面談とか、昇格試験での面接とか、本来、個と向き合って話をしていく場は人事制度上もさまざまにあるわけですが、それが形式的ゆえ吐露できるほどの深掘り・介入には至らなかったり、逆に”いいこと・ポジティブなことを言う”場になってしまいモヤ感には蓋をし続けることになったり、という現実に、とてももどかしさを感じることがあります。
 
もちろん、そもそもファシリスキルとか面談のしかたを習得すれば、少し解消できることもあるのかもしれないですが、そういうスキル云々ではなく、「誰もが人生というフィールドを生きているソースである」という視点で、そのひとの背景にあるおもいやビジョンに関心を持ち焦点をあてながら対話をしていく、というスタンスを、自分自身含め関わる職場において後押ししていきたいなと強く感じました。
 
 
このセミナーの数日前に、ゆうちゃん・史郎さんの循環畑の土地のエネルギーの中に身を置かせていただいたおかげで、心身が開き流れが整った感覚で、今回のお話を吸い込むことができました。
 
参加いただいた士業の皆さんと共に、各地の組織の土壌を耕し、創造性ある働きかたができる職場を増やしていこう、と心新たに。
史郎さん、皆さん、ありがとうございました。

ES組織開発コンサルティング実践講座 合宿レポート②田原真人さん特別講義

2023-07-05 15:09:55 | 組織開発・社風改革

合宿2日目は、参加型社会学会会長 国際ファシリテーターズ協会日本支部(IAF Japan)理事の田原真人さんをお招きしての特別講義が行われました。

合宿レポート①はこちら▼

CHATGPTの登場により、すでに定まっている枠組みの中で前例を踏襲する仕事がAIなどによって代替されていく時代が迫っています。

多くの仕事が淘汰されていく状況の中、人事労務に関わる人として何ができるのかを考えるワークショップを行いました。

田原さんのワークショップは、Two Loops Modelを使った「暗中模索力講座」というもの。身体を動かしながら、次の一歩を見出していくアイデアを探っていきます。

Two Loops Modelとは社会変革ファシリテーターで、日本でも広く活躍するボブ・スティルガー博士が編み出したモデルです。

時代の移り変わりに伴い停滞期を迎え、やがて終息する旧パラダイムと、次の時代を担うイノベーターが登場する新パラダイムが2本のラインによって表現されています。

講義では、床にテープを貼って、Two Loops Modelのラインを引きました。

参加者数名に、左下を起点にライン上を歩きながら、それぞれの人生や社会でどんな変化があったのかをストーリーテリングしてもらいます。

高度成長期やバブル崩壊のタイミングで何が起こっていたのか、何を考えていたのかが引き出され、それによって時代のダイナミックな動きが見えてきます。その後は旧パラダイムにいる人と、新パラダイムにいる人に分かれてロールプレイを実施。変われないでいる人や、パラダイムシフトできた人の立場を考えて発言することで、対話を通した新しい気づきがありました。

社会が大きな変化に直面している今だからこそ、本質をつかみ、気づきをアウトプットにまで繋げる重要性を感じた参加者が多かったようです。

田原さんが時代の流れを示してくれたように社会や組織、個人のありかたは変わっていきます。人事労務に関わる人として、その変化を感じとりながら、組織をどういう方向に導いていけばいいのか、考える糸口となりました。

 


ES組織開発コンサルティング実践講座 合宿レポート①「AI時代の社労士のありかたとは」

2023-07-05 14:32:47 | 組織開発・社風改革

2023年6月9~10日、弊社主催の合宿研修を行いました。この合宿は、中小企業に求められる「はたらきがい・いきがい」を柱にしたコミュニティとしての職場づくりの実践を学ぶ「ES組織開発コンサルティング実践講座」のカリキュラムの一つ。

学びのプラットフォーム「miro」を使い、6カ月間ES組織開発についてオンラインで事前に学んだメンバーが、学習の総仕上げとして参加するものです。

合宿はコロナ期間中開催を見合わせていたため、3年ぶりの開催となりました。

冒頭、代表の矢萩から、「組織開発と社労士は相性がよいと考えてますが、そこに気付いてる社労士はまだ多くはありません。コミュニティの中で新しい事例を共有していって、地域に貢献できる社労士の姿になっていけばいいなと思います」と挨拶いたしました。

また「AI時代の社労士」というテーマに対して、矢萩は販売会で野菜をどんなふうに陳列すればいいかCHATGPTに聞いたという実例をあげながら、「AIが答えを知っている時代だからこそ、どんな問いを立てるのかが大切」ということを語ります。

合宿研修の場所を提供してくれた「湯河原リトリート ご縁の杜」代表の深澤里奈子さんは、まさに「問いを立てること」を大事にしてきた方です。2000年に家業である旅館を継ぎながらも「宿とは何なのか」「場をつくるとはどういうことなのか」という問いを立てて、そこに真剣に向き合ってきました。

その結果、2016年2月3日より旅館からリトリートを主体とした宿へと転換。「本来の自分に還る」というテーマを掲げた宿を経営しています。働く人一人ひとりを尊重し、個性を大事にするES経営を実践し、第4回ホワイト企業大賞「明け渡し経営賞」を受賞されました。

参加者は館内見学や深澤さんの特別講義により、ES組織づくりがどんな結果を生み出すのかを体感しました。

金野の講義では、クレド導入後のES組織開発事例や、自律分散型組織を創るES組織開発のステップなどを取り上げました。その話の中には、どうすれば会社や働く人にとっての問題が解決し、個々人がいきいきと働ける組織づくりができるのか、お伝えしました。