先日、『Be ソーシャル』『ソーシャルシフト』の著者・斉藤徹先生とお会いする機会をいただきました。
斉藤先生は、これまでのご自身の起業・経営の経験も踏まえ、学習院大学で経営学の教鞭をとっていらっしゃいます。そこで学んだ学生の中から「イノベーションチームdot」というチームが生まれ、更に、新規事業に取り組む株式会社dotという法人を立ち上げ事業をまわしています。
今回は、かねてより斉藤先生の書籍を愛読書としていた矢萩と共に、自律分散型組織についてお話を伺ってまいりました。
働き方改革は、休み方、生き方改革 ~ワークライフバランスでなくワークライフジェンガ~▼
斉藤先生が提唱しているのが、「幸せを基点とした経営」です。
目先の利益・お金を中心にした経営ではなく、本質的な幸せを目指しながら経営をしていくことでエネルギーの循環が変化していく、という考えは、渋沢栄一氏の「道徳経済合一説」とも重なり、これからの組織づくりにおいて基軸となるものです。
そして、そのような経営を実践していく上で、コントロールを手放しながらチームを動かしていくスタイルとして“自律分散な組織運営”を研究し、dot.の組織においても実践されています。
この日も、職場の一角では、学生メンバーによる企業「dot.」の週一回の会議が開かれており、穏やかな中にも活気ある場がつくられていました。
私たちが取り組んでいる活動を説明すると、すぐに「こういう形ができますね」「こういうこともつなげられるのでは」とさまざまなアイディアを投げかけてくださり、短い中でも創発的な時間をつくり出すメンバーの皆さん。
このようなイノベーティブな場が生まれるゆえんは、メンバーの中に「しなくちゃ」という思考が無く、お互いの強みを発揮しながら取り組む心理的安全性が働いているからこそ。
まさに自走するチームここにあり、という空間でしたが、斎藤先生は、働き方改革でどうも機械的な管理の傾向が強くなりつつあるようにも感じる今の日本の社会において、共に働く一人ひとりの幸せを大切にしていく組織をつくるために、“関係性の質を高める”ことから注力すべきとおっしゃいます。
ダニエル・キムが提唱している「成功循環モデル」によれば、関係性の質を高めると個々の思考の質が高まり、行動(パフォーマンス)が高まり、結果の質の向上につながる、と言われていますが、例えば、目標管理による成果評価など”結果の質”を高めることから注力しようとすると失敗し、”関係性の質と結果の質の両面”を高めようとすると働く個々にとっては不幸せな状態になる、とおっしゃいます。
では、いかにして組織に良いサイクルをまわしていくか。
それは、個々の発達段階を高めながら、“関係性の質”からスタートするこのサイクルを速くまわしていくことである、と斉藤先生はおっしゃいます。
IT化やSNSの浸透が進み「ぽちっと押せばすぐにリアクションがある」「メッセージを投げかければ何か返事が返ってくる」という状態に慣れた現代においては、仕事の成果や課題をすぐにフィードバックする「リアルタイムフィードバック」が重要であると言われています。
経験を通した気づきや学びのふりかえりの機会をすぐに設けたり、何か課題が見えた場合に後回しにせずその場でしっかり指摘し対話をしたり、という経験学習サイクルを着実にまわしながら、人間関係や組織への所属意識、仕事への愛着心など、さまざまなつながり意識=関係性を整えていくことが、幸せを基点にした経営においても重要というわけです。
このような経営・組織づくりの考え方は、「こうすべき」という理論で理解するのではなく、自然や地域をフィールドにした経験でワクワクや幸せ感を体感し、そのワクワクの源にあるものが何なのかを考えながら理解していくことが重要なのではないかと感じました。
職場という枠を越えて自然・地域という広いフィールドの中でこれからの”はたらく”について考えること。
まずは組織づくりを支援する私たちが”幸せを基点とした経営”を実践し、機械的な管理から自然のありようを踏まえた組織づくりへとシフトできればと思います。
そして、これから社会に出てくる若者たちが、不安や恐れよりもワクワクや希望をもって一歩を踏み出し、”はたらく”を通してのびやかに人間的な成長を実現できるよう、ES経営を実践する職場を増やしていきたいと改めて強く思いながら、代々木を後にしました。
斉藤先生、貴重なご縁をありがとうございました。
斉藤先生は、これまでのご自身の起業・経営の経験も踏まえ、学習院大学で経営学の教鞭をとっていらっしゃいます。そこで学んだ学生の中から「イノベーションチームdot」というチームが生まれ、更に、新規事業に取り組む株式会社dotという法人を立ち上げ事業をまわしています。
今回は、かねてより斉藤先生の書籍を愛読書としていた矢萩と共に、自律分散型組織についてお話を伺ってまいりました。
働き方改革は、休み方、生き方改革 ~ワークライフバランスでなくワークライフジェンガ~▼
斉藤先生が提唱しているのが、「幸せを基点とした経営」です。
目先の利益・お金を中心にした経営ではなく、本質的な幸せを目指しながら経営をしていくことでエネルギーの循環が変化していく、という考えは、渋沢栄一氏の「道徳経済合一説」とも重なり、これからの組織づくりにおいて基軸となるものです。
そして、そのような経営を実践していく上で、コントロールを手放しながらチームを動かしていくスタイルとして“自律分散な組織運営”を研究し、dot.の組織においても実践されています。
この日も、職場の一角では、学生メンバーによる企業「dot.」の週一回の会議が開かれており、穏やかな中にも活気ある場がつくられていました。
私たちが取り組んでいる活動を説明すると、すぐに「こういう形ができますね」「こういうこともつなげられるのでは」とさまざまなアイディアを投げかけてくださり、短い中でも創発的な時間をつくり出すメンバーの皆さん。
このようなイノベーティブな場が生まれるゆえんは、メンバーの中に「しなくちゃ」という思考が無く、お互いの強みを発揮しながら取り組む心理的安全性が働いているからこそ。
まさに自走するチームここにあり、という空間でしたが、斎藤先生は、働き方改革でどうも機械的な管理の傾向が強くなりつつあるようにも感じる今の日本の社会において、共に働く一人ひとりの幸せを大切にしていく組織をつくるために、“関係性の質を高める”ことから注力すべきとおっしゃいます。
ダニエル・キムが提唱している「成功循環モデル」によれば、関係性の質を高めると個々の思考の質が高まり、行動(パフォーマンス)が高まり、結果の質の向上につながる、と言われていますが、例えば、目標管理による成果評価など”結果の質”を高めることから注力しようとすると失敗し、”関係性の質と結果の質の両面”を高めようとすると働く個々にとっては不幸せな状態になる、とおっしゃいます。
では、いかにして組織に良いサイクルをまわしていくか。
それは、個々の発達段階を高めながら、“関係性の質”からスタートするこのサイクルを速くまわしていくことである、と斉藤先生はおっしゃいます。
IT化やSNSの浸透が進み「ぽちっと押せばすぐにリアクションがある」「メッセージを投げかければ何か返事が返ってくる」という状態に慣れた現代においては、仕事の成果や課題をすぐにフィードバックする「リアルタイムフィードバック」が重要であると言われています。
経験を通した気づきや学びのふりかえりの機会をすぐに設けたり、何か課題が見えた場合に後回しにせずその場でしっかり指摘し対話をしたり、という経験学習サイクルを着実にまわしながら、人間関係や組織への所属意識、仕事への愛着心など、さまざまなつながり意識=関係性を整えていくことが、幸せを基点にした経営においても重要というわけです。
このような経営・組織づくりの考え方は、「こうすべき」という理論で理解するのではなく、自然や地域をフィールドにした経験でワクワクや幸せ感を体感し、そのワクワクの源にあるものが何なのかを考えながら理解していくことが重要なのではないかと感じました。
職場という枠を越えて自然・地域という広いフィールドの中でこれからの”はたらく”について考えること。
まずは組織づくりを支援する私たちが”幸せを基点とした経営”を実践し、機械的な管理から自然のありようを踏まえた組織づくりへとシフトできればと思います。
そして、これから社会に出てくる若者たちが、不安や恐れよりもワクワクや希望をもって一歩を踏み出し、”はたらく”を通してのびやかに人間的な成長を実現できるよう、ES経営を実践する職場を増やしていきたいと改めて強く思いながら、代々木を後にしました。
斉藤先生、貴重なご縁をありがとうございました。