中小企業のES=人間性尊重経営のパイオニア/有限会社人事・労務 ES組織開発・人事制度改革ブログ

社員の幸せ、職場の幸せを基準に経営を、社風を変えたいと本気で思っている社長さん・人事担当者の方へのエールをあなたへ!

「働く」と「幸せ」の結びつき~発酵型TERAKOYA読書会シリーズⅧより

2022-02-22 16:19:10 | ES

今回は新井和宏さんの著書「幸せな人は『お金』と『働く』を知っている」の内容の第2回目の読書会になります。

第3章・第4章の内容について、有限会社人事・労務チーフコンサルタントの畑中義雄さんにご紹介頂きました。生きていく上での本当の「幸せ」とはどのようなものなのか。どんな幸せを感じることが、本当の意味での“幸福”になるのでしょうか考えていきたいと思います。

今回の著者新井和宏さんは株式会社eumo(ユーモ)の代表取締役として会社を経営されています。社名の“ユーモ”は「Eudaimonia(ユーダイモニア)」という言葉の略称となっており、「持続的幸福」という意味があります。

幸せは「Hedonia(ヘドニア)」と「Eudaimonia(ユーダイモニア)」の大きく分けて2つあります。

「Hedonia(ヘドニア)」は感覚的快楽のことで、“美味しいものを食べる”“欲しいものを手に入れる”のような一時的な楽しい時を過ごして感じる幸せのことです。このような幸せは、慣れにより感じなくなり、さらなる大きな幸せを求めるようになることが科学的に証明されているため、結果的に継続した幸せを感じる事が難しくなります。

これに対し、「Eudaimonia(ユーダイモニア)」は自己実現や更なる、自己超越などの生きがいを感じることで得られる幸せの事で、自分の強みを活かした行動や「身近な人を喜ばせたい」「幸せにしたい」という思いが原動力になって行った行動によって得られるものです。

「持続的幸福」とは、自己実現や生きがいを感じることで得られる幸せであり、この会社に関わる人々に、持続的幸福に気づく機会を提供して行きたいとの願いが込められています。

新井さんは幸せについて、利己と利他の一致(自己満足が人の役に立ってしまうこと)、つまり、主体が自分自身にあるという事が重要で、それにより人は見返りを求めなくなり、強くなれると考えています。つまり、「自分がやりたい事」が「相手がされて嬉しい事」であり、その時の“自分”は“満たされている”=見返りを求めない状態になります。これこそ、本当の意味でのWIN:WIN(お互いがお互いを幸せにしている関係)だと思います。

ここで、アダム・グラントの著書「GIVE&TAKE 与える人こそ成功する時代」の内容に出てくる3人の登場人物「ギバー(与える人)」「テイカー(受け取る人)」「マッチャー(バランスを取る人)」が浮かんできました。本のタイトル通り、人は大きく3パターンに分けられ一見、与えられている「テイカー」が得や幸せになりそうなのですが、本のタイトル通りギバーが幸せを感じたり、巡り巡って見えないかたちで得や成功するというような内容になっています。

ここで鍵となるのが「マッチャー(バランスを取る人)」で、この人物は“与えていた方が(ギバー)後から得をする”ということを考えて、与えるという「見返りを見越してのGIVE」をするタイプです。私は行動をしていると「自分はギバーになりたいマッチャーなのではないか」と、ふと自分の行動に自信が持てない時があります。

しかし畑中さんは、人間は「良い部分(心・勇気・能力・努力)」と「邪悪で弱い部分」があり、「良い部分を発揮できる場所」「良い部分を発揮させてくれる場所」に身を置くことがポイントとなってくると話していました。そして、この「自分の良い部分が出せる環境」で仕事をすることで幸せに結びついていくため「働く」と「幸せ」は密接に関係しているということでした。

この話を聞いて、「誰しも悪の部分はある」こと、そしてそこを覆い隠すのではなく“自分が輝ける場所”で生きていけばいいのだと思えました。

 

今回は著書「幸せな人は『お金』と『働く』を知っている」の4章までを読み深めてきました。次回は5章「あなたらしい幸せの見つけ方」6章「社会を形作るもの全てに感謝を」の内容になります。一人一人違う幸せの形を知り、どのように生きていくと良いのかについて考えていきます。次回もとても楽しみですね。

 

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お金のために生きるのではなく、自分を生きること ―株式会社eumo 代表取締役 新井和宏氏特別セミナー「ありがとうを運ぶお金の話」

2021-11-24 15:01:20 | ES

皆さん、こんにちは。

(有)人事労務の白川と申します。

 

弊社併設の日本ES開発協会が開催した「太陽のもとのてらこや」最終日にて、株式会社eumo 代表取締役 新井和宏氏による特別セミナー「ありがとうを運ぶお金の話」を受講させていただきました。

新井氏の力強く心に刺さる言葉の数々は、改めて今の自分や生き方を見つめ直す貴重な機会となりました。

 

特に印象に残ったのは、お金を軸にしない考え方。

お金を稼ぐこと・貯めることが目的ではなく、その先にある目的のためにお金を使うことが大事だと言います。

お金を軸に考えるのではなく、自分のやりたいこと、大事にしたいことを軸に考えていくことが重要なのです。



もう一つ印象に残ったのは、価値と価格の話。

自分がそのものに対してどんな価値を見出しているのか。

社会や仲間が見出すものを意識しすぎて、自分を一般化してはいないだろうか。



人は誰しもマイノリティである。

その事実をまずは自分で認めること。自分を信じること。自らの個性を出していくことによって他者からの共感を得られることに繋がるのです。

 

私自身、幼少期から人と同じであることに安心し、逆に人と違うことに不安を覚え、大きくなって歳を重ねてからもその傾向が強くありました。しかし、大学に入った頃から人との異なり・自分の個性に気づき、最近はそんな自分を認められるようになりました。

自身が経験した心の変化と重なり、この話は強く響くものがありました。

 

新井氏によると、人生において深い問いを持つことが重要であると言います。

この講演を経て、あなたは何を大事にしたいのか、どう生きていくのか、そんな大きな問いをいただきました。


最適化社会における価値創造を目指して~デザイン思考とアート思考~

2021-10-12 17:03:03 | ES

皆さん、こんにちは。(有)人事・労務の白川と申します。

 

9月15日に、第2回の読書会が開催されました。

今回は、弊社が母体となる903シティファーム推進協議会のメンバーであり、書道活動を行われている中根彩さんを講師に迎えました。中根さんは、人のお話を聞いて漢字一字を提供する「心の一字」という活動を中心にされている方です。

今回のテーマは、国際競争力が低下していく中で、どのように価値を創造していくか、それに必要な思考についてのお話でした。また、そのような思考を持った人材を国や企業がどのように活かしていくかというものでした。

特に印象的だったのは、価値創造につながる思考の話、デザイン思考とアート思考についてです。

 

まず、デザイン思考とは、ユーザー目線に立った課題解決のためのデザインを目的とするものです。

正解のない時代に突入した中で、ロジカルシンキングとよばれる論理的思考が話題にありましたが、それによりソリューションが似通ってしまい、同質化してしまうことが問題となりました。そこで、差別化を図るための思考法としてデザイン思考に注目が集まったという経緯があります。

 

そして、これからの時代を生き抜くための新たな思考法として、アート思考があります。先行きが不透明な時代の中で、まずは自分の価値観や世界観に沿って思考を生み出し、それらをアウトプットする過程で他者にもわかるように言語化することで他者の反応や評価が生まれると言います。



意見交換の際にも、アート思考の特徴として、まずは、自分の主観と好奇心で自分のやりたいことを自由にやり、後から意味を見出していけるということに注目が集まりました。意味を見出せることで、他者からの共感を得ることができ、それが広がり持続化していくことにつながるのではないかと思います。

お話の終盤に、デザイン思考とアート思考どちらもあって成長が実現するという内容がありました。「こうしたい」というビジョンや思想を一貫して持ち続けると共に、ユーザーの声を聞きながら改善を繰り返していくことが大切であるのです。ビジョンや思想という自分の軸を持ちつつ、相手や周囲の考えを受け入れるという点では、私たちの目指す共感で繋がる社会、コミュニティのあり方とも重なる部分があるのではないかと感じました。

 

一方で、デザイン思考が顕在化されたニーズに対するものであるのに対して、まだ、ユーザーすら気付いてないニーズに対して、マーケッター側が、消費者を観察し対話を繰り返す中で、マーケッター自身の当時者意識から生まれてくるもの、それがアート思考です。

そこにはマーケッター自身の経験、哲学的な価値観が重要で、今後AIやデジタルが最適化社会の中で当たり前になっていく中で、よりアート思考が重要になってくるといえます。

 

これからの時代、優れたサービスや商品にはアート思考が背景に存在し、その上でデザイン思考とアート思考の間を行ったり来たりしながら新たな価値が生まれてくるのです。

 

私自身も現在の仕事や活動に取り組む中で、この2つの思考を頭に置きながら、自身の経験や価値観と、他者との対話を複合的に組み合わせ、共に創り上げていくということを大切にしていきたいと思います。


仕事の前に、一人ひとりの健康を!今日から在宅&時差出勤始動

2020-02-25 15:09:12 | ES
新型コロナウイルス感染対策に対して、弊社では今日から時差出勤&在宅での仕事へ切り替え致しました。
社内外からは、そこまで過敏になる必要はないなどのいろいろな意見はありましたが、メンバーの中に不安視する考えがある限り、今後の地震などの事情での緊急対応も想定して、在宅&時差出勤に切り替えようと判断しました。

始動した今朝は、さっそく定例の会議をオンラインで開催。
それぞれの場所からZoomをつないだメンバー皆で、実際やってみての感想を共有しました。



□ES(人間性尊重経営)を掲げる弊社としては、メンバーの不安に寄り添うべきだ。お客様に迷惑をかけるかもしれないが、きっと弊社の関係先であれば理解いただけると思う。
□Zoomなどのオンラインツールを普及する弊社なのだから、今後の在宅などの仕事への切り替えを推進する意味で、前向きに考えて行動に移そう
□御社は仕事に余裕があって良いですねとお客様から言われてしまい申し訳ない気持ちがある。日本の会社すべてが、オンラインなど在宅に切り替われば良いのだが。
□生産性よりもメンバーの健康が大切。メンバーが通勤ラッシュの中で不安になりながら会社へ出社する意味がどこにあるのか?会社ってなんのための存在か?会社としての姿勢が試されていると思う。
□ちょうどインフルで学級閉鎖と重なり子どもをどうしようかと悩んでいたがオンラインで在宅でできる体制をとってくれて良かった。
など。

そして、最後に今後開催予定のイベントについて話し合いました。
今このタイミングで開催することは、参加していただける皆さんにとって果たして良いことなのだろうか?
弊社自身のエゴではないだろうか?
弊社のメンバーにおける対策はわかったが、参加者の皆さんにとって本当に喜んで参加したいと思っていただけるのだろうか?

メンバーからは、一貫性が大切ではないかという意見が出ました。
弊社はオンライン対応の体制も整えているのだから、今後ご参加いただく皆さんに連絡を差し上げ、開催の変更についてご理解を求めていこうということになりました。

【今後開催予定のイベントについて】
●体感!ES人事制度導入講座
:オンライン開催と致します。開催日程に変更はございません。
 https://www.jinji-roumu.com/sharoshi/jinji.html
 ※最終日に予定していた懇親会は、オンラインにて開催(オンライン飲み会)致します。

●JES Springセミナー「SDGsで描く共感資本社会の組織の幸せの未来像」
:オンライン開催と致します。開催日程に変更はございません。
 https://hataraku.jinji-es.com/sdgs0304.html
 ※セミナー後に予定していた会場での懇親会(新年会)は中止と致しますが、オンラインにて開催(オンライン飲み会)致します。

今回の新型コロナウイルスは、私たちの社会に対して、「会社とか何か?」「経済より大切な私達の社会の営みとは何か?」「グローバルとはなにか?」を投げかけているのではないかと思います。
テクノロジーの発展した世の中で、これらの問いかけに対して一つひとつ丁寧に仲間と語り合って行きたいと思います。




理由を考えてみる~埼玉学園大学 インターンシップの授業にて~

2019-12-10 20:37:29 | ES
こんにちは。有限会社人事・労務の髙橋です。

先日、埼玉学園大学のインターンシップの授業でお話しさせていただく機会がありました。私自身のキャリア、経歴を踏まえて、今の学生に思っていることを伝えるということで、私からは「皆さんは将来何をしたいですか?」と投げかけをしました。



私自身が、昔から自分のやりたいことというか意思というか、自分の考えが希薄でした。正直、今でもまだまだ弱いとは思います。

同じような方も少なくないのではと思いますが、今まで自分の進路をどのように決めてきたか思い返してみた時に、自分の意思はほとんど絡んでないなあと感じました。周りから「この職業はどうか」「あの分野はどうか」と言われたことに対して、特にいやだなと感じることもなくそのまま選択していたように思います。

幸か不幸か、学校での勉強は真面目にやっていたため、大学進学までは割と順調だったのですが、その後の法科大学院での勉強で挫折することになりました。一度、つまづいた後に追い付いていくモチベーションがまるで湧かなかったのです。



それもそのはずで、今まで自分で真剣に進路について考えてこなかったので、「なんでこんなに頑張らないといけないんだろう」とか「他の職業じゃダメなのか」ともやもやするようになりました。もしかしたら周りから言われているこの道じゃないといけないんだという強迫観念もあったかも知れません。

ただ、これから進路を決めるだとか、今まさに悩んでいるといった方に安心していただきたいのは、ほとんどの多くの方は「自分が将来何をしたいか」という問いに対する答えは持っていないということです。すぐには決められないのが自然なのだと思います。大いに時間をかけて悩んで良いのだと思います。

実は法科大学院にまで進学して一心不乱に勉強している学生でさえ、「絶対に将来こうなってやる!」という志を持っているのは約2割程であるという話を聞きました。あとの8割はなんとなくであると。
実際、約30名近くのこの授業の中で「将来何がしたいか明確に決まっている人いますか?」との問いかけに手が挙がったのは3名でした。

自分の進路が明確に決まっている方はそれで良いのです。そうでない方は一度自分の将来について「なぜ?」という理由を自問自答してみていただきたいです。「なぜこの進路?」「なぜこの分野?」「なぜこの職業?」という問いを大切にしてほしいです。
その部分がうやむやになっていると、実際に就職して社会に出てみて「なんかやっぱ違うな」と感じて辞めてしまったり、仕事自体が辛くなる可能性もあるでしょう。



自分一人の視野では、先入観もあったりでおのずと見える範囲には限界があります。だからこそ、自分の様々な可能性を潰さないためにも、色んな人たちと多様な関係性を築いていくことが大切であると思います。

何か誘われたらとりあえず行ってみる、見てみる、知らない人の話を聞いてみるという具体的な行動を起こしてみる。実際に見てみないと分からない、聞いてみないと分からない、やってみないと分からないことはありふれていると思います。触れてみる中で「これだ!」と感じるものがあると思います。

自分のやりたいことができているという方たちも、たまには「なぜ?」と自問自答してみることで何か新しい発見のきっかけがあるかも知れません。