中小企業のES=人間性尊重経営のパイオニア/有限会社人事・労務 ES組織開発・人事制度改革ブログ

社員の幸せ、職場の幸せを基準に経営を、社風を変えたいと本気で思っている社長さん・人事担当者の方へのエールをあなたへ!

「組織」のあり方ー最適化社会における共感で繋がる新しい組織のあり方

2021-10-20 13:31:22 | 組織開発・社風改革

皆さん、こんにちは。

(有)人事・労務の白川と申します。

 

読書会もいよいよ最終回を迎え、弊社の畑中の講義から始まりました。

最終テーマは「最適化社会における組織のあり方」ということで、共感を軸とした新しい組織作りに関する内容でした。



今、企業は変化の時に来ているといいます。

 

これまでの日本の企業は、個人は割り当てられた役職をこなすだけというトップダウン的、また目標達成を目的とした合理的組織、科学や数字を軸とした組織が中心でした。しかし、現在は多様性や主体性を尊重し、個人が自律している組織、さらには信頼で結びついた個人が組織の目的を理解し、自律したメンバーと組織の成長が共に実現されていく組織へと変化していく必要があるのです。

これからの組織では、働く人のモチベーションが自分の内側へと進化していき、共感や自己実現といった、各個人が自分はどうしたいのかという問いに基づき、働くことを考えていくことが求められます。



そのような最適化社会に求められる人材像は、「自分自身の明確な価値観があること」、つまり自律性が求められます。自由に自分の価値観に基づいて行動できる社会はとても素敵だと感じますが、一方で自分の考えや軸をしっかりと持ち、それを他者に共感してもらう必要があること、そんなに簡単なことではないと自分の心に強く刺さるものがありました。

 

講義の最後に、そのような組織や個人のあり方を踏まえて、どんな組織が理想か、またどんな人生を送りたいかを考える時間がありました。

そこであったヘドニアとユーダイモニアの話。

短期的な快楽ではなく、自己実現や成長を通して得られる持続的なもの。

自分が幸せを感じつつ、組織全体として自分の周りにいる人も幸せでなければならない。

グループ対話でも、理想ではあるけれど実現するのは難しいという話になりました。

 

どう働きたいか、誰と関わりどう生きていきたいか、その根幹にあるのは自身の幸せ感ではないかと思います。そんな自分の幸せのあり方を、毎日の生活の中で少しだけ意識してみたいと感じました。


人事制度は、社員さんへのサービス商品~ES(従業員満足)向上型人事制度の取り組み~

2021-10-13 15:43:09 | 組織開発・社風改革

いつもお世話になっている介護業界に旋風を常に巻き起こす、
株式会社RARECREW(レアクル)の日下部社長。人事制度に対して弊社を取り上げて頂いだいたので嬉しくシェアさせていただきました。

★価値を評価⁉ 人が成長するオリジナル人事評価制度構築へ!
https://note.com/r_kusakabe/n/n70f3d3d6b0c7

日下部社長の取り組みは、先日、弊社が月一で放送している下町しまうまラジオに出て頂いたので、こちらも見ていただきたいのですが、常に業界の枠を超えて新しいサービスを生み出しています。
(下町しまうまラジオ・・「介護・福祉」の固定観念を超えた「100年先の未来も安心して暮らせる社会」の実現への取り組み!」▼)

入浴サービスの展開や施設での物販サービスなど業界に先駆けて展開をしているレアクルさんそのヒミツはどこにあるのか?

まさにオリジナル。その背景には、利用者さんの声を形にするという一見わかりやすい回答が出てきますが、その姿勢だけではオリジナルは生まれません。


まさに、フォードの車開発のエピソードのように、
お客さんにどんな新しい乗り物がほしいかと聞けばより早く走る馬が欲しいだろう、
とフォードが言ってるように馬のことは知っていてもまだ見ぬ車という乗り物は、お客さんに聞いても出てこないのです。では、お客さんを無視して商品、サービスをつくればよいのかというとそうではありません。


その見極めがレアクルさんは素晴らしいです。
介護市場をよく観察し、利用者さんにヒアリングをするのは、日下部社長はじめレアクルの社員さんが利用者に答えを求めているようでいて、実はそうではなさそうです。なぜならきっと他社も同じような取り組みはやってるかもしれません。でも業界を驚かすようなサービスは生まれません。

それは、ヒアリングをする意義、姿勢が違うのでしょう。ヒアリングから何か答えが出てくるというよりも、利用者さんを通して自分自身が気付きや驚きを得るためといったほうがよいかもしれません。
他社が、見過ごしてしまう利用者さんとの対話もレアクルさんはしっかり利用者に棲み込んで気付きを得ます。
そしてその気付きから、なぜ業界に、こんなサービスがないのかあったら良いに、いや、あるべきだと気付きが確信に変わる。創造的瞬間が生まれるのです。

自社のオリジナルな人事制度もこれと同じだと思うのです。

弊社はES(従業員満足)を掲げて人事制度導入の取り組みをさせて頂いてますが、
人事制度とは社員に対してのサービス商品である。
というのが一貫したテーマ。

日下部社長のオリジナルな人事制度は、まさに日下部社長が社員を観察し対話を繰り返すなかで生まれている。日下部社長に過分な言葉を頂いてますが、創造的瞬間は既に弊社が人事制度に携わる前に起きているのであって弊社がやることは、その会社さんの新しい人事制度に関する創造への確信がオリジナルなものなのか、それとも思い過ごしや独善的なものであるのかと言ったことへの第三者としての判断。そして更に普遍性を求めて社員さんへのサービス商品として鍛え、形にしていくのを後押しをすることだけなのです。

それは、この人事施策はきっと、働く楽しさ、幸せへとつながるはずだという強い確信を持った日下部社長をはじめ、社員さんがあってこその私達であり、私達も確かにそうだ一緒にやらせていただきたいとエネルギーをもらい、更に一社の新しい人事制度は社会とつながっていて、きっと社会を変えていくに違いないと私達自身も確信に至るからこそ思いっきり取り組まさせて頂いてるのです。


最適化社会における価値創造を目指して~デザイン思考とアート思考~

2021-10-12 17:03:03 | ES

皆さん、こんにちは。(有)人事・労務の白川と申します。

 

9月15日に、第2回の読書会が開催されました。

今回は、弊社が母体となる903シティファーム推進協議会のメンバーであり、書道活動を行われている中根彩さんを講師に迎えました。中根さんは、人のお話を聞いて漢字一字を提供する「心の一字」という活動を中心にされている方です。

今回のテーマは、国際競争力が低下していく中で、どのように価値を創造していくか、それに必要な思考についてのお話でした。また、そのような思考を持った人材を国や企業がどのように活かしていくかというものでした。

特に印象的だったのは、価値創造につながる思考の話、デザイン思考とアート思考についてです。

 

まず、デザイン思考とは、ユーザー目線に立った課題解決のためのデザインを目的とするものです。

正解のない時代に突入した中で、ロジカルシンキングとよばれる論理的思考が話題にありましたが、それによりソリューションが似通ってしまい、同質化してしまうことが問題となりました。そこで、差別化を図るための思考法としてデザイン思考に注目が集まったという経緯があります。

 

そして、これからの時代を生き抜くための新たな思考法として、アート思考があります。先行きが不透明な時代の中で、まずは自分の価値観や世界観に沿って思考を生み出し、それらをアウトプットする過程で他者にもわかるように言語化することで他者の反応や評価が生まれると言います。



意見交換の際にも、アート思考の特徴として、まずは、自分の主観と好奇心で自分のやりたいことを自由にやり、後から意味を見出していけるということに注目が集まりました。意味を見出せることで、他者からの共感を得ることができ、それが広がり持続化していくことにつながるのではないかと思います。

お話の終盤に、デザイン思考とアート思考どちらもあって成長が実現するという内容がありました。「こうしたい」というビジョンや思想を一貫して持ち続けると共に、ユーザーの声を聞きながら改善を繰り返していくことが大切であるのです。ビジョンや思想という自分の軸を持ちつつ、相手や周囲の考えを受け入れるという点では、私たちの目指す共感で繋がる社会、コミュニティのあり方とも重なる部分があるのではないかと感じました。

 

一方で、デザイン思考が顕在化されたニーズに対するものであるのに対して、まだ、ユーザーすら気付いてないニーズに対して、マーケッター側が、消費者を観察し対話を繰り返す中で、マーケッター自身の当時者意識から生まれてくるもの、それがアート思考です。

そこにはマーケッター自身の経験、哲学的な価値観が重要で、今後AIやデジタルが最適化社会の中で当たり前になっていく中で、よりアート思考が重要になってくるといえます。

 

これからの時代、優れたサービスや商品にはアート思考が背景に存在し、その上でデザイン思考とアート思考の間を行ったり来たりしながら新たな価値が生まれてくるのです。

 

私自身も現在の仕事や活動に取り組む中で、この2つの思考を頭に置きながら、自身の経験や価値観と、他者との対話を複合的に組み合わせ、共に創り上げていくということを大切にしていきたいと思います。


よみがえれ!浅草田んぼプロジェクト稲刈り編

2021-10-11 11:47:56 | 地域貢献

みなさん、こんにちは。(有)人事・労務の志村です。

今回は、有限会社人事・労務が母体となっている903シティーファームの活動の一貫として、台東区浅草にある「秋葉神社」にて、今年の5月に植えた稲穂が実りましたので、地域の子どもたちと稲刈りと稲干しを行いました。



稲刈りに夢中になる子どもたち。大人が指示をしなくても、子どもたち自ら、稲を刈り、集めて束にして干す姿は、

みんなで活動しているからこそ生まれるハタラク上での理想の形が見えた気がしました。



最初は内気だった子どもも、正面から向き合い対話をして、分からないことを丁寧に解消し、その子の努力に対して褒めながら接していけば主体的に行動する人に育てることができると感じました。

本来、人は主体的な生き物だと思います。それが社会の常識や価値観の中で、人から否定されたり、拒絶されたり、私は大切にされていないと感じさせてしまうとどんどん主体性が奪われ、人の目を気にしながら生きる人生を送ることになると思います。

田んぼプロジェクトは、園芸療法という考え方をもとにし、畑や田圃がない台東区で暮らす子どもたちが、お米や野菜を育てるという「はたらく」原点を体験して、「食べる」という日常にたくさんの人が関わっていることを知ってほしい。そして、「食べる」ことができていることが当たり前ではないことに気づき、感謝の気持ちを抱いてくれるきっかけになれればと思い活動しています。

今回の中で子供達に謝らなくてはならないことが出てしまいました。

先月まで青々と茂らせていたサツマイモの葉っぱが虫に食べられてしまったのです。

先日の台風で虫が大量発生し、ほぼサツマイモの葉っぱが食べられてしまうという事態も発生し、秋葉神社の宮司さんが私達に気遣ってか何十匹もの虫を退治していただきました。

忙しさを理由にあれだけ元気なのだから大丈夫だと私達の油断がそのまま畑に出てしまいました。

畑は私達自身の鏡なんだなあと。

子供達や参加して頂いている地域の方にお詫びをさせていただきました。

作物も人も自然と気象とのつながりの中で生かされているのなのだと実感しました。農家の方々には改めて頭が下がる思いもしました。

皆んなが美味しく食べられている野菜は作り手の見守りがあるからというところを子どもたちにも伝えられたらと思います。

この事を重く受け止め、メンバーと反省会をして皆で更にやっていこうと結束を新たにした次第です。

畑という場を、自然との共存を学びながら、地域の方々が繋がれるような場所にしていければと思います。

次回は10/30(土)の開催になります。

脱穀・ご奉納を行いますので、もし宜しければ、ぜひ秋葉神社で一緒に自然に触れられればと思います!

 

興味がありましたら、ぜひ覗いてみてください。

▼浅草田圃プロジェクトHP

▼ボランティア募集HP

 


家事関連時間をめぐる統計から考えたこと

2021-10-07 15:20:14 | ダイバーシティ

残暑の陽ざしが射し始める前の早朝、これ以上放っておくことはできなくなった庭の雑草とひとり、黙々と格闘しながら考えていました。私は、あるいは私のママ友は、女性は、一体どのくらいの時間を家事に費やしているのだろう。

 

日本の女性の就業率は、およそ60%だった20年前と比べて、現在は70%を超えるまでに増えています。

 

長期的な傾向として男女ともに非正規雇用の割合が増えていますが、殊に女性の働き方の傾向を見ると、30代半ばで一度大きく非正規雇用の割合が高くなって5割を超え、その後も年齢層が上がるごとに非正規雇用の割合は高くなっていきます。一方、男性では20代半ば以降、非正規雇用の割合は年齢層が上がるごとに順に低くなっていきます。このトレンドは長期にわたって変わっていません。

 

これをどう解釈すればよいのでしょうか。

 

よく知られているように、女性の労働力率はM字カーブを描きます。結婚・出産期に女性の労働力率が低下し,育児が落ち着いた頃に再び上昇するトレンドはずっと変わりませんが、近年ではM字の谷間が20代後半から30代へと移動し、谷間の落ち込みがかなり浅くなってきているのが観測されています。意識調査からは、男女ともに、子供ができても働き続けた方がよいと思う人の割合が増えていることが確認されています。とすると、仮説として、育児休暇から復帰した正規雇用で働く30代半ばの女性達は、仕事を辞めないけれども、子供が2歳(育児休業の延長終了)や小学生になるタイミングで勤務時間を柔軟に調整するために、非正規雇用の働き方を選んでいるのかもしれません。

 

【グラフ】女性の年齢階級別労働力率の推移  

(出典)『男女共同参画白書 令和2年版』本編

https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r02/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-02-03.html  

 

次に、就業をめぐる統計と合わせて、家事・育児と仕事のバランスをめぐる統計を見てみることにします。

 

子供のいる共働き世帯の女性のうち、家事関連に費やす時間が最も長い年齢層は30~39歳で、週全体を平均して1日あたり4時間33分です。どの年齢層もほぼ横ばいに推移していますが、25~29歳の層だけはこの20年で大きく減り2時間36分となっています。一方の男性は年齢層による違いはさほどなく、おおよそ40分程度です。

 

詳細に見れば、女性は子供の成長に伴って費やす家事関連時間を増加させ、その内訳としての家事時間、育児時間、介護時間の割合も大きく変化させていることが分かりますが、男性が費やす家事関連時間の変化は乏しいままです。

 

【グラフ】男女別に見た家事・育児・介護時間と仕事等時間の推移(週全体平均)(年齢階級別,昭和51年→平成28年)  

(出典)『男女共同参画白書 令和2年版』本編

https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r02/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-00-01.html

 

この統計からは、男性の家事・育児時間は遅々として増えておらず、働く女性がますます増えていくのに、労働環境も家庭もその変化に対応できていない状況が見えてきます。育児介護休業法の改正を受けて、2022年度からは男性の育児休業取得も増えていくのだと思います。けれども、育休を取得した夫が自分事として家事・育児に関わってくれるのかどうか、新制度がそれを解決してくれるとは思えません。

 

しかし希望はあります。時代は移り行き、今、結婚、出産、育休、子育てのライフステージにいる男性達は、個体差があるとはいえ男女共同参画社会の概念やイクメンの概念に触れながら育った時代効果の影響もきっと受けているから、20年前の男性達とは異なる感性を持って進んでいってくれると思うのです。

 

それにしても、女性が費やしてきた家事関連時間の推移グラフを見ると、かつての私が同士であるママ友達と共に、どんな気持ちを抱えながらどんな風に、仕事と子育てをしてきたのかを辿る気がします。

 

私は35歳で第2子を出産し、離職。折しも旦那の転勤のタイミングでもあり、旦那について家族4人で引っ越しました。ちょうどM字カーブの谷間にあたる年齢だったんだなあ、と今更気付きます。結婚する前は、家事関連に費やす時間は男性と同程度だったのではないかと思います。それが結婚を機に少し増え(グラフの、女性、1996年時に25~29歳)、出産して子育てと仕事の両方に立ち向かった時期はもう本当にてんてこまいでした(2001年時に30~39歳)。それから10年間ほど、専業主婦となって子育てと地域活動に勤しんでいたので就業者を対象とするこのグラフからドロップアウトしますが、再びパートタイムの働き方で、このグラフの中に戻ってきました(2016年時に40~49歳)。

 

私の場合、以前よりだいぶ手抜きをするようになったとはいえ、末子が高校生になった今でも週全体で平均すると一日4時間半ほど家事に費やしています。我が家の男子達、本当によく食べるのです。料理好き男子に育ちましたが(しかし料理の後片付けは滞りがち)、食べ物を振舞うことは私にとっては愛なので、手は離れたけれど、一緒に過ごしている間くらいは食事を提供したいのです。

ところで私の旦那さまは、にこにこしながら私が働くことを応援してくれますが、ずっと変わらず家事関連に費やす時間は毎日20分以下。自分の食器や取り入れた洗濯物は片付けるので、本人としては家事、結構やっているつもりなのだと思います。

 

(データは『令和2年版 男女共同参画白書』から参照しています。)