中小企業のES=人間性尊重経営のパイオニア/有限会社人事・労務 ES組織開発・人事制度改革ブログ

社員の幸せ、職場の幸せを基準に経営を、社風を変えたいと本気で思っている社長さん・人事担当者の方へのエールをあなたへ!

自社にあった賃金制度

2018-09-29 18:02:09 | 人事制度
こんにちは、有限会社人事・労務の西田です。

今日は賃金制度について少しお話させていただきます。
賃金制度とは、その名の通り、社員にどのように賃金を支払っていくのかを定めたルールです。
社員の貢献度合い、能力、生活水準や仕事の市場価値など、様々な要素を考慮しながら決めていきます。そこには、評価制度と同様、それぞれの会社独自の考え方が反映されて、「賃金を決める要素は何か」といったこと考えながら制度に落とし込んでいきます。
これまでは、会社の多くが、「正社員中心」で自社で長く働いてもらいたいという考えのもと、賃金も年齢とともに安定的に上昇カーブを描いていく「職能給」制度が主流でした。しかし、「多様な働き方」が増えている最近では、長期的な雇用や年功的な考えよりも、キャリアに関わらず、公平に同じ仕事や同じ役割をであれば同じ賃金という同一労働同一賃金のもと賃金額を決定する「職務給」や「役割給」が増えてきています。



労務行政研究所の「人事労務諸制度実施状況調査」を見ると、今や職能給に応じた職能資格制度は50%まで少なくなり、職務等級制度や役割等級制度が増えてきていることが読み取れます。

職能資格制度は、自社での様々な業務や経験を通して、能力を着実に身に着けていき、等級や賃金が上がっていきます。職務の配置転換をしても給与に変動がなく、社員が安心してキャリアや人生設計を描くことができるのですが、その分、年功的な賃金となりがちです。若手社員や限定的に働く社員に高い給与を支給しづらく、減給も基本的にはあまりないため、賃金原資が将来に渡って膨張する可能性があります。
一方、職務給や役割給は、年齢や経験等に関わらず、従事している仕事や担っている役割によって、給与が決まります。若手でも社歴が浅くても、また限定的な働き方であっても仕事や役割の価値が高ければ給与も高くなります。そのため、時代にあった給与制度として、職能給から職務給や役割給に変えたいという相談も数年前からすごく増えてきています。
しかし、職務給や役割給は、給与が紐づいているため、職務の異動、役割の変更がしづらく、専門的な能力を持つ人材に偏りがちになってしまったり、職務や役割に直結する合理的な評価になりすぎてしまうという場合もあります。
ゼネラリストとして会社の将来の幹部候補を育て上げたり、仕事や役割だけでなく、人間性や取組姿勢、会社の理念に対する行動等を評価するためには、職能等級制度の方が良いという会社もあります。そういったことが、職能資格制度が50%の会社で導入されている理由かと思います。
時代を無視することは絶対にできません。しかし、自社に合わないものを取り入れても無理が出てきます。
「職能給、職務給、役割給のどれが良いの?」と聞かれることも良くありますが、それは会社によって異なります。また、若手社員はしっかり育てて、幹部には、仕事や役割で貢献してもらうといったように、一般職は職能給、管理職は役割給といった運用も可能です。
賃金は、当然会社にとっても社員にとって重要なもの。
「何に対して給与を支給するのか」ということをしっかり考えていくことが必要です。

最近のリーダー人材アセスメント研修で感じること

2018-09-26 15:56:20 | 組織開発・社風改革
皆さん、こんにちは。
㈲人事・労務の金野です。

弊社では、キャリアアップを目指すリーダーの方々向けに学びの場を提供しています。
http://leader-ensyuu.com/

マンツーマンで個別相談を受けたり、複数名の研修を行なったり、形はさまざまですが、皆さん昇格を目指しその先のリーダーとしてのキャリアをいかに充実させるかを具体的に考えている方たちなので、学び取る姿勢は真剣そのものです。

先日も、そんなリーダー人材の皆さん向けに研修を行いました。


機会を設けたのは会社ですが、皆さん自ら「参加したい」と手を挙げて集まった方たち。
さまざまな部署や世代の受講者に共通するのは”リーダーとしての目標意識”で、意志をもって学ぶ場の空気感はやはり熱く、あっという間に時間が過ぎて行きました。

学びの場を通して習得するのは「能力」「スキル」、という捉え方もありますが、実際の職場でそれらをパフォーマンス高く発揮して成果を生み出すためには、土台の「あり方」を整え強化していかねばなりません。


あり方は、さまざまな原体験で形成された価値観や哲学などの”おもい”に影響された日々の”ふるまい”の積み重ねで強化されます。
限られた研修の時間で”おもい”までを変容させることは難しいため、例えば中長期の自己変容プログラムなどによるフォローアップが必要ですが、
(GATE手帳:https://social-jinji-roumu.com/gate.html
時間の中で、「自身はそもそもどんな”おもい”を持って仕事にあたってきたのか」等を掘り起こし、自己認識を深め、日々のふるまい方を振り返ることは可能です。
その自己認識の深まりが、行動変容の第一歩でもあります。

そのために効果的なのが、「パターンランゲージ」という手法があります。

今回の研修でも、パターンランゲージを用いたワークを通して、「何ができているのか」「どういう点が足りないのか」など自身の行動パターンの傾向を具体的に振り返る時間を設けました。


役割上、どちらかというと「指示する側」「伝える側」に立つことが多いリーダーの皆さんは、実は、自身のあり方についてゆっくり振り返ったりフィードバックを受けたりする機会が少ない、という実情もあります。
そのため、研修の中で、我々講師や周りのメンバーからストレートなフィードバックを受けると、まるで子供のようにはにかんだ表情で喜んだり、それまでの緊張の表情が解けて自身の課題意識を吐露するような場面も多くあります。

せっかく作られた学びの時間だからこそ、単にインプットするだけではなく、強みも弱みも大いに周りからのフィードバックを受けながら、自己認識を深める機会にしてほしい。そして、日頃リーダーとして現場を奔走する立場だからこそ、時に立ち止って、自身の価値観や哲学を改めて掘り起こす機会を、これからも設けられればと考えています。

フィンランドに見る「柔軟な発想」社会

2018-09-14 10:49:23 | 日記
9月5日から10日まで、北欧フィンランドを訪問してきました。

フィンランドと言えば、ムーミンやオーロラ、それにマリメッコやイッタラといったデザイン性に優れた食器や雑貨・家具などが有名です。私が訪れたのは首都ヘルシンキ。非常にコンパクトな街で、6日間の滞在でかなり街の様子がわかるようになりました。



毎日、街を歩き、トラム(路面電車)にのってうろうろしているうちに、日本とは少し違った「柔軟な発想」を感じるようになりました。まず、古いものを非常にうまく活用して現在の形にしていること。



例えば、街にはおそらく50年以上、もしくは100年以上も前から立っているであろう建物が多くあります。私が泊まったホテルもかなり古い建物でしたが、中はきれいにリノベーションされたものでした。

そしてエレベーターはらせん階段の中央部分に3人乗りの小さなものが設置されていました。おそらく、らせん階段の中央部分の空間を利用して、後でつくられたものでしょう。



「ホテルとして利用するのにエレベーターもついてないような古い建物は使い物にならないから立て替えましょう」と考えず、その建物を残しながら活用できる方法を考えていることがよくわかります。

街中を走るトラムも、本当に小さな路地まで張り巡らされており、区画整理をして、まっすぐな道路や鉄道をつくってきた日本とは少し発想が違うように感じられました。

また、北欧は社会福祉国家で有名ですが、本当に街中で働いている方々に男女の区別がありません。ふと気づいたのですが、電話のオペレータ(のような?)の人のイラストが、男性なのか女性なのか、どちらとも見えるようなデザインになっています。



日本でこのようなイラストをつくるとしたら、自然と女性のイラストになるのではないでしょうか。意識してつくっているかどうかわかりませんが、●●の仕事は女性のもの、というような先入観がないことを感じました。

また、地下鉄の入場口も、左右どちらからでも入ることができます。日本では右利きの人が多いので切符をいれる口は右側に設置してあり、左利きの方は非常に不便だと聞いたことがあります。このあたりも、何かを決め付けることのない「柔軟な発想」を感じました。



日本もこれから、「働き方改革」をはじめ、多様なことを受け入れていかなければならない時代になっています。それには、このフィンランドに根付いているような「柔軟な発想」が必要になってくるのではないでしょうか。何かをつぶして新しいものを作るのではなく過去を残しながら創造していく、あるいは、AかBのいずれかの選択でなく、どちらも活かせるようなやり方を考えていく、という柔軟性が大切だと感じました。

最後に・・・、日本の接客サービスはやはり素晴らしいです。愛想はいいですし、お客様を待たせることを極力しないです。フィンランドでは、おおむね愛想はいいのですが、お店でお客様を待たせることは当たり前のようです。最初はいらいらしました。まあ、不思議なもので3日もたてば慣れてしまいましたが。

社労士発、SDGsから始める「攻め」の人事労務管理のすすめ◎

2018-09-12 21:01:45 | ES

皆さま、こんにちは!社会保険労務士&WorldShiftコミュニケータの原田です。

今回は、最近何かと耳にする機会が増えてきた「SDGs」(17項目の持続可能な開発目標)について、企業としてのかかわり方について紹介させていただきたいと思います。

SDGsの取り組みは、個人から企業、最近では地域という大きなコミュニティまで、さまざまなカタチで取り組みが実践されています。

また、「これをしなさい!」と言われてしぶしぶやるというものではなく、それぞれの立場と役割の中でできることから始めようという委ねられたスタイルは、これまた最近注目されているホラクラシーやティール組織といった組織運営ともつながります。

個人、中小企業、大企業、それぞれの立場だからこそできる取り組み方があるはずですので、興味を持たれた方は、ぜひ一緒に取り組みを始めてみましょう!


(目次)
〇人事労務管理は「攻め」と「守り」の両方が大切
〇SDGsとは?
〇すでに「働き方」から「暮らし方」に関心は移っている
〇それぞれの立場と役割の中でできるることから始める
 事例①吉本興業
 事例②SOMPOホールディングス
 事例③私の事務所



■人事労務管理は「攻め」と「守り」の両方が大切
 まず、SDGsについて紹介させていただく前に、人事労務管理には「攻め」と「守り」の2つがあるというお話をさせていただきたいと思います。

 「守りの人事労務管理」というのは、やるべきことがやれているか?ということで、ひとことで言うと、「法律を守れているか?」ということです。一方、「攻めの人事労務管理」というのは、「やらなければいけないと決められているわけではないけれど自ら進んで取り組むこと」です。

「攻めの人事労務管理」の良いところは、より会社らしさがでてくるところです。やらないで良いことほど差が出てくるというもので、会社としての個性を示し選んでもらうためにはメリットが大きいといえます。では「守りの人事労務管理」というと、できていないとスタッフの不安や不満につながりやすいという特徴があります。大企業や働き方改革で注目されている企業であっても、実は社内では、適正な時間数管理ができていなくサービス残業への不満が高まっているといったケースもあります。

今回紹介する「SDGs」の取り組みは「攻め」の人事労務管理に当てはまりますが、「守り」の人事労務管理も同じように大切だということをはじめにお伝えさせていただきました。


■SDGsとは?
では、SDGsの紹介に入らせていただきますが、以下、外務省HPよりSDGsの紹介文章を引用させていただきます。SDGsの取り組みについてイメージがしづらいという方は、同じく外務省HPにて紹介されているSDGsの紹介動画を下記に共有いたしますので是非ご覧ください。

”持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。(外務省 HPより)



SDGs NOW! 17 Goals to Transform Our World

(動画:外務省 HPより)


SDGsの取り組みに対して、これまでのCSR(企業の社会的責任)活動との違いが分からないという声を聞くことがありますが、大きくとらえるとSDGsもCSR活動の一つとも考えられます。

CSR活動についても、それぞれの企業の関心と役割の中でできることを実践しているという意味ではSDGsと同じです。様々な社会的課題がある中で、持続可能な社会に対してスポットを当てたものがSDGsの取り組みといえます。

逆に、すでにCSR活動を実践している企業の場合は、その取り組みがSDGsの17の開発目標のうち、どの開発目標とかかわっているかを見てみると面白いと思います。いくつか重なりが見えてくる企業もあるでしょうし、まったく重なっていないという企業もあるかもしれません。SDGsの取り組みとの重なっているということは、「持続可能な社会」と自社の活動とのつながりを示すものであり、自社の取り組みの新しい一面への気づきがあるかもしれませんね!


■すでに「働き方」から「暮らし方」に関心は移っている!
(ここからは、SDGsの取り組みに対して腰が重たい方(企業)に対して、SDGsの取り組みをしてみたくなるようなお話をさせていただきたいと思います。)

SDGsの取り組みを企業がするメリットは何かと考えてみたのですが、一つは、すでに「働き方」から「暮らし方」に人々の関心は移ってきているということです。

エシカル消費※(倫理的な消費)という言葉もでてきて、消費者は本気で商品を選び始めまています。

※”エシカル消費とは、「人と社会、地球環境のことを考慮して作られたモノを購入あるいは消費する」という意味です。実は私たち消費者は、日々の買い物を通じて、世界に影響を与える力を持っています。実は私たち消費者は、日々の買い物を通じて、世界に影響を与える力を持っています。
(引用:一般社団法人エシカル協会より)


見た目や値段だけでなく、環境や人、社会へされてつくられたものかという見えないところまでを考えたうえで「買う」という選択をする人が増えているのです。

では、なぜそのような消費スタイルが広がっているのかを考えてみると、そこには、地球一個では足りない私たちの暮らしがあるのではないかと考えています。

エコロジカル・フットプリントの研究によると、今の日本人の生活は、地球が2.4個分必要な生活をしているといわれています。(ちなみにアメリカ人の暮らしの場合は地球が5.3個必要と言われています!)

”世界中のひとびとが日本人のような暮らしをはじめたら、地球が約2.4コ(4.3÷1.8)必要です!つまり、日本人は現在の経済(消費)活動のスケールを2分の1以下に戻すことが求められるのです。(データはWWFの「Living Planet Report 2004」より)



(出典:NPO法人エコロジカル・フットプリントHPより)
   
地球は一つしかありませんから、もし、私たちが地球で暮らし続けようとするのなら、方法は地球の再生能力を超えない「地球一個分の暮らし」を実現する必要があります。今の私たちの暮らしは持続可能な暮らしではなく、持続可能な暮らしをするためには何かしらのアクション、変化が必要なのです。そして、持続可能な社会という大きな目標に対して、私たちができる取り組みを見える化し、取り組んでいこうというのがSDGsの取り組みです。

人々の関心は、「働き方」から「暮らし」に移っていて、「暮らし」に関心を持っている人は「SDGs」に関心が向きやすい。では、これから企業が消費者や求人者から選ばれるためには何が必要でしょうか?
どうでしょうか~、少しはSDGsに興味がでてきたという方がいてくれるとうれしいです!
    
    
■それぞれの立場と役割の中でできることから始める
最後に、これからSDGsの取り組みを始めてみたいという方(企業)に向けて、事例を紹介したいと思います。(取り組み事例は外務省のSDGs紹介ページより検索が可能ですのでそちらも興味がある方はご覧ください。)大企業だからできて中小企業はできない(その逆もしかり)というものではなく、それぞれの立場と影響の範囲の中でできることが必ずあるはずですので、事例を参考に自社なりの取り組みを考える参考にしていただけると幸いです。

事例①吉本興業
私が好きな事例の一つが吉本興業さんの取り組みです。(下記に紹介する動画、面白いので是非見てみてください!)「お笑い」と「SDGs」、一見すると結びつかないように思うのですが、より良い国際社会の実現のために「笑顔」は最強のツールだと思えてきます。繰り返しにはなりますが、それぞれの立場と役割のなかでできることがきっとあります、私たちの会社は関係ないと思わずに、ぜひ一度私たちの会社だからこそできる取り組みを考えてみてください。

◇以下、吉本興業様のHPより
”2030年を笑顔であふれる世界に!
吉本興業は、国際社会の一員として、持続可能な開発目標(SDGs)に賛同し
「笑顔」につなげる活動を通じて、より良い国際社会の実現に貢献・応援いたします。

動画:『SDGsについて考えはじめた人々「予告」篇』




事例②SOMPOホールディングス
SDGsとCSR活動の関係については、SOMPOホールディングス様の取り組みが分かりやすい事例だと思います。グループCSRビジョンに基づき、SDGs達成に向けた様々な取組みを実施しており、その活動内容はCSRコミュニティーレポートの中でも紹介されています。



https://www.sompo-hd.com/csr/sdgs/impact/
(SOMPOホールディングスHP/SDGs達成へ向けた取組事例より)



事例③私の事務所
最後に、やっぱり何から始めたらいいかわからないという方(企業)に向けて、今この瞬間からでも絶対始められる事例として、私の事務所の取り組みを紹介します。

それは・・

とりあえず、ポスター張ってみる! です。
(この記事を書きながら考え、書きながら実践しました)


(印刷が下手すぎて見切れていますね。)


私は社労士として様々な企業の方と接する機会に恵まれていますので、17番の「パートナーシップで目標を達成しよう」を意識した取り組みをしていこうと思っています。(こうやって記事を書いているのもその一つの活動とも言えますね!)

具体的な取り組みが思いつかなかったとしても、考え始めるというのも、立派なアクションの一つだと思います。ハードルはとことん下げたほうがいいというのが私の持論です。(誰かの必死よりみんなの余力!)

ここまで、読んでしまった皆さまはきっと、SDGsに関心のある方でしょう。
もし、まだ始めていないというのであれば、私のSDGsの取り組みに乗せられてしまったと思って、ぜひ、取り組みを始めてください!

皆さまと、活動内容のシェアができること、楽しみにしています。

以上!



文:原田 真吾 社会保険労務士/ WorldShiftコミュニケーター
熊本生まれ。学生時代、「満員電車の中の疲れきったサラリーマンにはなりたくない」との思いから「働き方」に興味をもち、労務管理唯一の国家資格である社会保険労務士の資格を取得。卒業後は介護会社に就職し、現場経験後、本社勤務スタッフとして経験をつむ。「働き方」と向き合う中で「働き方」の先にある「暮らし方」への感心が高まり、「地球一個分の暮らし」を目標として掲げる。「地球を愛する 地球から愛される」をあいことばに地球一個分の暮らしと、それを実現するための働き方を目指し活動中。




メンバー個々の問題意識を見える化!職場の問題点を洗い出す「吐き出し」

2018-09-07 19:32:12 | 組織開発・社風改革
こんにちは!
有限会社人事・労務 行政書士の矢尾板です。

二代目の新社長からのご相談にこたえる形で 先日【ES組織開発】研修を行いました。

トップダウンで どんどんとご自身のアイディアをカタチにしてきた先代の社長。
業界を創り出してきた。



時代は変わり 決まったゴールへ向かって全員で駆けていく時代は終わり。
不確実性の高いこの時代。
持続可能な組織のカタチとは。個のはたらくカタチとは。

先代が創り出してきたものを大切にしながらも
職員の社会性を高め 今の時代に合う 社会に求められるものを生み出していける組織にしていきたい。
また もっと職員自身が組織の発展とともに自身の未来を描いていける
働きがいのある組織にしていきたい。

そんな熱い新社長の思いを受け、
トップダウンから自律分散型の組織へと変容を目指して始まった研修初日。



第一のステップとして“職場の問題点洗い出す「吐き出し」”を行いました。

職場の意識革新は
メンバー全員が互いに現状認識を共有するところから始まる!
特に 職場の問題点といえるネガティブな面を徹底的に洗い出していく。
問題点の抽出から「現場の現実」をとらえることができます。


■「吐き出し」の手順
①メンバーが付箋紙とサインペンを用意し 日頃の問題意識や不平不満を書き出す
付箋紙1枚につき1トピックとし 周りの人と相談せずに15分ほどで書き進める。

②全員が書き終えた付箋紙を模造紙に貼る
順不同ですべての付箋紙を模造紙に貼り 全員の問題意識や不平不満が一覧できる「吐き出しボード」をつくる。

③付箋紙を貼った模造紙を前にワイワイガヤガヤと話し合い メンバー間で共有する
「吐き出しボード」を囲みながら メンバー同士で問題・課題認識を共有する。
この作業によって「みんな同じようなこと悩んでいたんだ」「こんなことを考えていたんだ」とメンバー同士の相互理解が深まる。

④吐き出しの内容をもとに「マネジメント・スタイル図」「コミュニケーション状態図」を描く
90分~120分の決められた時間内で 「吐き出し」の内容を自由な形で絵に描いていく。

⑤「マネジメント・スタイル図」「コミュニケーション状態図」についてメンバーが発表し 共有する
高い評価を受けた図は 立ち上げ研修終了時に表彰される。




①のプロセスの中で見えてくる職場の土壌
多い人で15枚前後付箋紙が机上に並ぶ。
吐き出しの数は、職場の雰囲気をよく表し、自由に意見を述べられる職場は多く、そうでない職場は少ない。

ポイントは「他責モード」で本音を吐き出すこと!
あくまでも職場を良くするため、全員が働きやすくなるためという高い目標があってのこと。
自分のことを棚に上げて「他責モード」で本音を吐き出してください!

②これが最初の見える化&共有化!職場の現状をとらえる「吐き出し」ボード




③のプロセスでは痛烈な上司批判も許される!むしろ革新のエネルギーは大きい。

今回の場はここまで!
皆さんお一人おひとり現場で日々悩みながらも本当に真剣に職員と向き合ってらっしゃる姿。
「吐き出し」等を通して皆さんから本音のコトバには
組織そして個を変容させるためのヒントが沢山つまっている。

次回はもう少し若手も交えて話をしていきたい!人事部長からは今日出た話を踏まえて人事制度を考えていきたい!と。

次回は今回の皆さんから出た本音のコトバをもとに「行動」を考えていく。


「人が組織をつくっている」
これまでも唱えてきたことですが
この【ES組織開発】研修初回を終えて 現場で働く皆さんの思いに触れて
「この皆さんが組織を変えていく」ことを心底実感した。

その未来を創り出すお手伝い!
有難い機会を頂きました。