中小企業のES=人間性尊重経営のパイオニア/有限会社人事・労務 ES組織開発・人事制度改革ブログ

社員の幸せ、職場の幸せを基準に経営を、社風を変えたいと本気で思っている社長さん・人事担当者の方へのエールをあなたへ!

東京都社労士会にてダイバーシティマネジメントシンポジウム終了いたしました。

2015-05-29 09:48:15 | ダイバーシティ
昨日は、東京都社労士会のダイバーシティセミナーのパネラーとして、
いつもお世話になっている、男澤社長と鎌倉の障碍者雇用で業界をリードする
バニーフーズさんと3者で登壇させていただきました。



 やはり、CSRの視点からタッグを組んで地域の問題解決に当たっている企業は、
必ずと言って組織のダイバーシティに取り組んでいます。
 ダイバーシティは、手段であって目的ではありません。
その目的の一つに、CSRの視点からのマーケティング(コーズマーケティング)
があります。その実現には、どうしても組織の集合体としての多様性が
必要であり、男澤社長のように、地域の工業団地の問題解決を遂行する上で
業界はもとより、地域住民や学校、学生といった多様性でもって問題を
解決していく企業には必然的にダイバーシティに取り組んでいくことに
なります。男澤社長はその実現のために組織の多様性を遂行し、学生インターン生
という異質な存在を会社に取り入れ現在イノベーションを起こしています。
 また、バニーフーズの高橋社長は、リーマンからのお弁当業界全体の落ち込みに対し、
価格や商品によるイノベーションよりももっと他社がまねできない、組織の
イノベーション戦略の一環として障碍者雇用によるダイバーシティ戦略を早くから
取り続けてきたといえます。



 このように、企業間のダイバーシティそして組織のダイバーシティは、究極的には、
その最小単位である、個人のダイバーシティの取り組みへと人事の視点が移っていきます。
 組織戦略によるダイバーシティと人事戦略からの個人のダイバーシティです。
その大切な視点は、個人、一人一人の人間性を尊重するというESの視点です。
社員一人一人は、家族、信仰、地域とのつながり、趣味、自分独自のコミュニティといった
ヒューマンな存在であり、会社人である前に、社会人であるということです。
 組織は、そんな個人の人間性を尊重し、社会とのつながりを支援するという
取り組みがこれからは大切になってきます。会社は、もはやお金を稼ぎ出すマシーンでなく
社会の公器な機関として、個人の社会性を支援する機関ということがこれからの
企業のあり方として望まれています。
 2社の取り組みで共通するところは、小手先の人事制度の変更でなく、組織開発の視点から、
新たな組織能力を生み出す取り組みを行っているということです。
 男澤社長のところは、バラバラな価値観を一つにしていく取り組みとしてクレドを作成したり、
高橋社長の会社は、コミュニケーションの取り方の工夫や会議体のありかたの改革を行っています。
 もはや、職能資格制度がどうだとか、成果主義だとかの問題ではなく人事制度そのものの限界だということを
前提にして人事戦略を考えて行くということが必要なのです。
 次回は、ダイバーシティを実現する人事戦略について福岡県社労士会で講演です。

農業技術通信社主催「農村経営研究会」に出席。

2015-05-25 18:37:23 | ダイバーシティ
農業経営社の方や、社会福祉関係者、企業経営者の方々など多彩な顔ぶれのメンバの方がに
初めてお会いしましたが、さすが、日本を代表する農業関連雑誌農業経営者を出版する、
昆社長の会だけのことはあって皆さんの熱い議論に終始引き込まれてしまいました。



 ゲストスピーカーは、独協大学の北野教授です。先生は、農水省出身でアメリカ
コーネル大学で博士号を取得し農村社会学者のトーマスライソン先生の
シビックアグリカルチャーについて研究し、書籍を出している先生です。
 今日は、そのシビックアグリカルチャーについて皆さんで勉強討議をしようということです。
今日勉強になったことを私なりに備忘録としてまとめておこうとおもいます。
・シビックカルチャーとは、農と食とコミュニティをつなぎだすという概念
・先生のグローバルの考えは、グローバルの前にナショナリズムという考えがある。ローカルとは真逆。
・人間は自然環境からうまれ、経済は、人間社会に埋め込まれているという考えが近代以前の考え方だったがグローバルの流れの中で、経済的効率、合理性のなかに、モノカルチャー的な人間社会が形成され(価値観、好み、仕組みなど) カールポランニー元来、食料、農業は地域コミュニティに埋め込まれていたはず。
 自然というものは、経済価値で図られるものとなってしまった。国立公園や農地を残したほうが良いかは経済価値ではかられる。
・人間社会は、それぞれの土地の自然環境からうまれてくるのだから、必然的に多様な人間社会が形成されていた。経済も、地域ごとにことなっていて当たり前。
・アメリカの農村、大自然の小さな家がアメリカの原風景。いまは、単一作物、食糧生産基地に。
・グローバル化が貿易のことを指すなら、国内外問わず、グローバル化を進んでいる。日本も産地形成が進んでいる。
 これらは、江戸時代にはない現象。戦後から。ナショナリゼーションとグローバリゼーション
・混合複合経営からモノカルチャーへ。小規模農家は、いなくなり民主主義が崩壊する。
・シビックファーマー化。移民を大量に抱えての農業、外国人技能実習生と産地農業
・シビックアグリカルチャー、新しい農業は脱グローバル。生産者だけでなく、加工場、料理人、レストランをふくめてすべてがシビックアグリカルチャー、地域支援型農業の発展、地域が近郊農家を支える。(イサカファーマーズマーケット)シビックエンゲージメントを重視、量販店に行く人ばかりでない、20%くらいは、食料市民がいる。
・ライトミルズ、ウルマーの研究中小企業が経済の中心を占めている街のほうが、大企業に依存している街よりも厚生水準が高い。(民度が高い) 市民的社会参画の頻度、独立中間層の存在
 ロバートパットナム、イタリアや1970年から80年までダメ国家になってしまった。地方分権をやってよみがえった。
 北部の勝組と南部の負け組が出た。その差は、なぜ?北部の工業化よりも、人口当たりのNPOの数、投票率の高さなど、アクティブな住民がどれだけいるか、ソーシャルキャピタルの重要性。お金の資本でなく、信頼、規範、つながりといった目に見えない資本
・イサカアワー、時は金なりシビックアグリカルチャー、地元の地域社会に埋め込まれた農業、地域社会の問題解決に貢献
・一番はカリフォルニアだが、ニューヨークはワイン2番目、複合経営もやっている。
 日本のファーマーズマーケットの問題は、補助金をつかっている。イサカファーマーズマーケットは半径8キロメートルの人しか会員になれない。
 地域相手に立派な建物なんていらない。

質疑応答
 
・農業が単体で食べられたのは戦後から。長州藩の記録、農業だけで食べていたのではない。モノカルチャーで食べられない。
 農家さんの社会性、ダイバーシテティが必要。農業は、百姓である。
・日本という言葉を日本人は発するが、アメリカは、アメリカという言葉をあまり言わない。コミュニティという言葉をよくつかう。
 中央集権的な表れ。どうも多様性を封印しがち、同調圧力
・農業は、1971年接種カロリーがピーク。いまは、実は食料過多の時代。欠乏社会でない。
・農村といわれるところでも、農家は1割もいない。農村は現像である。農村と都市の2項対立は意味をなさい。

以上から、農業経営者が地域のリーダーになっていくには、ダイバーシティが必要であり、生産者であり経営者であり、地域住民であり、食品加工会社でありなどダイバーシティ化が必要。
社会とのつながりをつくる。そにれは、NPOなど地域の課題をとらえている団体とのつながりが大切。
そこから、農業経営者が農村経営者になるという段階が生まれてくる。

ダイバーシティ採用面接をしていて気が付いたこと。新しい組織の一体感の考え方

2015-05-22 13:17:30 | ダイバーシティ
弊社はいま、「社員が輝き地域に愛される企業」をコンセプトに、
日本一のダイバーシティの社労士事務所をめざし活動中です。



 今弊社では、新たな視点からダイバーシティの採用活動を進めています。
そには、国籍、性別、時間の制約、障害のあるなし、年齢など属人性を排除して
採用活動を行う変わりに、次のことを大切にしている方にぜひ、弊社の採用面接を
受けていただきたいと思っております。



 それは、他社、そして現在の社会的な制約からどうしても思う存分に働くことが
できない。自分の夢をあきらめなくてはいけないと思いこんでいる人たちです。
 これからの社会は、能力のまえに働きくことに希望を持っている人たちために
企業が少しの努力でその希望を叶えてあげる時代です。
 男性で能力もありフルタイムでという社員の考え方を私自身も捨てていこうと
思います。会社は、公器な存在であるというという考え方がより求められてきます。
市場も多様性を求め会社も同質性の組織では経営の限界が生まれてきています。
 会社は社会の縮図なのです。いままでの社会は、分業と効率の中で会社の規律を
守り、言われたことをその通りに正確に効率よくこなす人材が優秀な人材として優遇されてきました。
 会社は、あまり一体感ということを考えなくても学校教育にならされてきた優秀な社員さんたちは、
自然とまとまり一体感をあまり意識しなくてもうまくいっていたのです。
 しかし、市場は多様性を求めそれに応じ組織のダイバーシティ、変化が大きな
課題とされる中今までの優秀な人材の条件は大きく変わり、自律性やクリエイティブな能力
というものが重要視される時代になりつつあります。



 個人の人間性を発揮してもらうESの時代へと大きく変化してきているのです。
そこでは、個々の価値観を尊重するあまり放っておくとまとまりがつかず、
収集が付かなくなってしまいます。個々の違いを尊重しつつ一体感をいかに
創るかがいま多くの企業に求められてきているのです。
 それは、いままで一体感など自然にできるものと思っていた
私たちの経営環境とはちがう新たなリーダーシップが必要だともいえます。
 一体感とは、個人が会社に合わせて一体感を作る時代から、個々人の人間性を発揮してもらい、
社員全員の価値観の重なり合う部分から会社の組織戦略を考えるというまったく違った一体感の
考え方が生まれてきているのです。個人に会社が合わせる時代へと
大きく変化してきているのですね。
 
 

ダイバーシティとCSRの不思議な関係

2015-05-22 12:09:36 | ダイバーシティ
 今回、セミナーの打合せでお会いした横浜地域貢献企業の
スリーハイさんの会社でもそうですが、CSRを真剣に取り組んでいる
会社は、必ずダイバーシティの取り組みにも熱心です。


 男澤社長の会社では、学生のインターンを始め短時間の
働き方を選択している社員など多様な働き方をしている社員さんが
いらっしゃいます。
 そして、正社員さんはもちろんですが、地域のつながりには
短時間の働き方を選択している方々のつながりから
あらたな地域貢献活動がうまれそしてそれが会社のサービスにも
貢献しているというのです。
 これからは、まさにESRです。従業員の個人の社会貢献
を応援する会社が伸びていく。


 それは、社員を会社に縛り付け会社人間人間にすることでなく
お金に変わる、トータルリワードの考えからの新たな報酬である
時間報酬という金銭的報酬と同じくらい、いや!それ以上に
重視して社員を処遇するということです。
 それは、社員をサーフィンに連れていこうで有名なパタゴニアさんのような
自己啓発制度やサイボウズの好きな場所で好きな時間で働くことができる
ウルトラワークなど社員に時間報酬を与えて地域社会に戻す取り組みが
実は、長い目でみると会社の生産性を上げ、社員のモチベーションにもつながるのです。
 これらのダイバーシティの取り組みは、スリーハイさんの事例でも
わかるように、会社人である前に社会人であるということです。ライフがあってのワークなのです。
 CSRは、社会性をもった社員から生まれます。

CSRのうまくいっていない企業や浸透定着しない企業は、掛け声ばかり
かけても組織の社会性は高まりません。そこには、ダイバーシティの
社員の社会貢献を大切にするというESRの取り組みがあってこそ本物
になってくるのではないでしょうか?
 男澤社長との打ち合わせから今回も沢山のヒントをいただきました。

織田信長から学ぶダイバーシティマネジメント

2015-05-14 12:54:18 | ダイバーシティ
最近織田信長の書物を読んでいると、彼は、ダイバーシティで世の中を制したんだなあということが、わかってきます。その当時、正社員と言えば、馬に乗れる騎馬の武将たちです。長篠の戦いなどをみても、武田家は、いまで言うところの男性の正社員ばかりで戦っていました。


それはそれで、鉄砲というあたらしいツールが開発されるまでは、最高に強い組織で、
織田軍団などは、弱小の兵隊で有名でした。
 しかし時代は変わり、いまで言うところのICTの技術が出てきたように、
なにも、対面で戦い、個人の技術で事が決まるという戦い方よりも、鉄砲を使っての、
チームとしての現場力がモノ言う時代へと
変化してきたのです。そこで、武将だけでなく誰でもやる気があるものは、
俺のところへ来い!ということで、男性の正社員が威張り散らしていた会社から、
豊臣秀吉や滝川一益など農家出身や盗人あがりのものまでまさにやる気と才覚が
あれば管理職までなれるダイバーシティの組織を創り上げたわけです。
 もちろん、信長も何年もかけクリステンセンが言うように、モノだけでなく、
組織のイノベーションをはかっていったわけですが、おそらく日本もいま、
そのような大きな変革期にあるのだと思うのです。
 そのためには、信長がやったようにダイバーシティの組織改革です。
報酬のルールを変え、正社員と非正規社員の枠組みを取っ払い、いまでいうところの
短時間正社員制度を取り入れたり、会議には、フルタイム正社員だけじゃなく
秀吉のようなやる気のある短時間正社員も参加させるという組織開発を
行っていく。

 日本は、定まった未来として若手の男性中心で正社員といったことを前提とした
組織や人事制度ではやっていけない時代にこれからなっていきます。
 ダイバーシティへのあくなき挑戦!信長の組織開発には見習うところがたくさんありそうですね。


 
ダイバーシティ関連の書籍「社員がよろこぶ会社のルール・規定集101」を昨年弊社から1冊そして、今年は、3月から、書店に並びだした、
東京都社会保険労務士会編著の「ダイバーシティマネジメントの実践」にダイバーシティ関連の委員会のメンバーとして執筆陣に加わらせていただいております。
http://www.jinji-roumu.com/jinji/amazon_cp_diversity.html




 5月27日は、その書籍発刊に伴い東京都社会保険労務士会主催で、御世話になっている社長さんと
パネルディスカッションに登壇させていただきます。
 士業の方のみならず、企業の方も参加できますのでダイバーシティマネジメントを
やってみよう!さらにやっていこう!という方はぜひ、ご参加いただきたいとおもいます。