こんにちは、ESコンサルタントの金野です。
いつもご指導をいただいている横浜市立大の影山摩子弥先生にお声がけいただき、「SDGs漫才」というプロジェクトに協力企業として参画させていただきました。
先日は、その発表会。
演者でもある学生や社会人メンバーの皆さん、審査員や協力企業の皆さん、と多様な顔ぶれが集い、最初は会場全体から緊張感があふれていましたが、パフォーマンスがスタートすると一気に空気が和らぎ、「笑い」の力を実感するひとときともなりました。
影山先生からお話をいただいたのは、今年の春。
「SDGsと漫才?なぜその掛け合わせなんだろう??」とはてなマークが浮かびつつも、
・影山先生によるSDGs講義
・吉本芸人「フランポネ」さんによる漫才講義
・学生・社会人混合チームによる、コンビ名決め・ネタづくり・ネタ合わせ
・特別に「M-1グランプリ」エントリー
と進んでいきました。
演者となる混合チームの後押し役として関わらせていただいた弊社ですが、
社内では、(演者でないのに)
「わたしたちのネタは、『8.働きがいも経済成長も』に絡めないとね」
「いま話題にも上がりがちだからハラスメントをテーマにしてみるのも良いかもね」
「中川家の”時代警察”というシリーズは参考になるよ」
等々、にぎやかな議論が進む場面もありました。
プロの芸人さんの張りのある声とキレのあるしゃべり。
多様な顔ぶれにおける、温かな対話から生まれるユニークなアイディア。
時に弊社のメンバーも混ぜていただきつつ、学生メンバーや障がいをもつ社会人の皆さんと「共に創り上げる」プロセスが進んでいったのでした。
そして今回の発表の場。
「へー!」と聴き入ってしまうような緻密なネタ構成、
「がんばれ!」と思わずヤジを飛ばしたくなる緊張の場面、
やけに頭に残る、テンポよいボケとツッコミ。
恐らくたくさんの恥じらいや緊張もあっただろうに、それを突き破って、主体的に自ら楽しんで演じている姿をみて、
お笑い好きのわたしはイチ聴衆として、すっかり前のめりになってしまいました。
そして、
パフォーマンスを終えた後、「人前で話すのも苦手だったけど、チャレンジできて良かった」「一歩踏み出してやり切りました」とすがすがしい表情で話す様子と、それを温かく見守る影山先生やフランポネさんの背中に、何だか心打たれるものがありました。
影山先生は、今回のプロジェクトは、皆が素人としてフラットにお笑いを創り上げながら、多様な顔ぶれ同士で関わりを深め、SDGsについて理解を深めていくプロセスだった、とおっしゃいます。
SDGs×漫才、という一見突飛な結びつきも、「柔らかいテーマ(お笑い)のもとでグループワーク(漫才づくり)をしながら深くつながっていく、という今回のようなプロセスは、ソーシャルインクルージョンの基盤ともなる」とも述べていらっしゃいました。
今回のプロジェクトを通じてわたしたちは、「苦手なことでもまずはチャレンジしてみることの意義」「笑いがもたらす効果」「さまざまな事情を抱えた多様な方たちとの関わりかた」「オモテには見えない背景や経緯に意識を傾けることの大切さ」といったさまざまな気づきを得ることができました。
そして、それらがこれからの日々の中で”アンテナ”となり、自ら主体的に動いたり他者へ思いやりのある行動をとったり、という新たなアクションを促す作用を生み出してくれたと感じます。
「教えてもらって理解する」のではない、
「フラットなフィールドの中で、五感を活かしながら共に創り上げる経験」が、役割や意味を見出し、主体的に動いていく、という新たな学びのプロセスのあり方を、今回のプロジェクトを通じて体感させていただきました。
横浜SDGs漫才グランプリを終えたあとは、
横浜市役所新庁舎の中にある「TSUBAKI食堂」へ。
開かれた場所で、いろどり豊かな横浜野菜を味わいながら、こころもからだもほぐされるひとときを過ごしました。