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チョボ

 実は今我が家には猫がいる。日曜日、ある理由で市内の農協に行ったところ、「里親募集」の立て札のついた檻に猫が数匹収められていた。お店の人を呼びとめて事情を聞いたら、もらい手のない子猫を週末土日だけ預かって、飼い主を探す手伝いをしているのだという。
「飼うか?」
と軽い気持ちで私が尋ねると、
「だめ!」
と妻が強硬に反対した。
「トラが死んでもう大分経つからそろそろ飼ってもいいんじゃないか」
「だめ。あなたは世話もしないくせにいつだってないい加減なことを言うから・・」
「だって、かわいいじゃん」
「そうだけど・・、だめ」
その後私はその場を離れて、自分の欲しいものを探していたが、妻はそのまま猫をなでていた。
 少したって私が戻ると、
「この子たち、今日までに飼い主が見つからないと、保健所にもって行かれるらしいって・・」
「そうか・・。なら一匹だけでも助けてやればいいのに・・」
「そうだけど・・」
 そう言いながらもすぐに妻は携帯を取り出して、娘と息子に電話して事情を話しだした。最後にはTV電話まで使って話し込んでいる。横で聞いているとどうも飼うことに決めたようだ。
「じゃあ、この子でいいんだね」
と息子が選んだ猫を取り出して、電話に向かって見せている。
「そうか、飼うことにしたか。いくら可哀そうだと言っても、全部飼うわけにはいかないけどな・・」

 そんな事情で家に連れ帰ったのがこの猫。もちろん雑種だが、一見アメショーのような毛並みではある・・。


 家にいた父に見せたら、「名前はチョボ!」とすぐに命名してくれた。この写真では分からないが、口の周りにちょび髭が生えたような毛並みをしているのでそんな名にしたのだろう。「お前らが毎月お千代保さんに行くからピッタリだろう」と悦に入っていたが、そう考えればご利益のありそうないい名前だ。
 しかし、このチョボ、栄養状態はかなり悪く、可哀そうなくらいガリガリだ。しかも、家に連れて来たときにはノミだらけで、すぐに風呂場で洗わなければならなかった。暑い最中汗だくで妻が何度も何度もシャンプーで洗ってやった。私もノミ取りを手伝ったが、30匹近くは潰したような気がする・・。
 
 夏期講習で忙しい毎日を送っている私だけに、まだチョボと遊んだことはないが、徐々に家にも慣れてきたようで、少しずつ家の中を冒険し始めたようだ。
 何かの縁で命を長らえることができた幸運な猫だけに、悪い病気などにかからず、少しでも長生きしてくれること願うばかりだ・・。
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