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8・6から3・11を・・

 『明治安田生命保険が4日発表した夏休みの過ごし方12 件のアンケート結果によると、「帰省する」と答えた割合が前年に比べ2・0ポイント上昇の40・2%に上り、2006年の調査開始後で最高だった。
 帰省の目的(複数回答)は「親兄弟に会いたいから」が83・5%で、明治安田生命は「東日本大震災が大切な肉親との絆を考え直すきっかけになったのでは」と指摘している』

というニュースを読んだ。
 これに限らず、3月11日を境にして、それ以前とそれ以後の日本の変化を主題にする論調を多く見かけるが、私個人ついて言えば、一番変わったのは、原子力発電に対する見方だろう。
 原始力発電の危険性は、一通り理解していたつもりだが、かと言って福島原発のような事故が起こるとはまるで思っていなかった。原発に対しても、イヤだなと思ってはいたが、建設反対とまでは思っていなかった。ここ数年、地球環境の問題がクローズアップされ、地球温暖化を防ぐクリーンエネルギー源として容認さえしてきたように思う。それは私が知るべき事実を知らずに過ごしてきた怠慢さに原因があるのだろうが、あまりに巧妙に仕掛けられた官民こぞってのプロパガンダにいつしか絡め取られていたという些かの弁解もしたくなる。まあ、それも空しく響くだけだが・・。
 しかし、目が覚めた、原発などいらない。頭では分かっていたつもりの危険性が現実の物となって初めて、その恐ろしさに気づくというのも愚かだが、潔く己の愚を認めるしかない。大江健三郎とともに、核時代を生きているつもりであったかつての自負も、何の役にもたたなかった。恥じ入るばかりだ・・。

 私の父方の伯父は、50才で白血病を発症し亡くなった。私が大学に入学して間もない頃だったから、もう35年近くも前になる。当時どうして白血病で・・と不思議に思っていたが、しばらく経って父からこんな話を聞いた。
 『学徒兵として応召した伯父は、原爆が落とされて間もない広島に入り、復旧の任に当たったから、その時に被曝したのだろうが、何年も経ってから発症した・・』
医学的な根拠に基づいた推論であるかどうかは分からないが、父はそう固く信じているようだ。今のように防護服も何も身につけずに作業をしたなら、かなりの量の被曝をしたことは想像に難くない。マイクロシーベルトという単位とは無縁に作業に励んだだろうが、その若き日の伯父の姿が、福島原発の復旧のために懸命に作業している人たちとオーバーラップして、「本当に大丈夫か?」と心から心配になる。

 「脱原発」とか「減原発」とか、色んな表現が作り出されているが、原発一基を廃炉にするのに何十年もかかると言うのだから、一筋縄ではいかないのは事実だろう。だが、もうこんな危なすぎるものを抱え込むのはやめにしなければならない。今現在稼働している原発は僅かなものであり、それでも大規模停電など起こらずにきているのだから、原発などなくても十分やっていける証明になっているように思う。
 
 人間はバカじゃない。ないならないで、なんとかやっていけるものだ・・。
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