毎日いろんなことで頭を悩ましながらも、明日のために頑張ろうと自分を励ましています。
疲れるけど、頑張ろう!
「一人称単数」
村上春樹の「一人称単数」を読んだ。先月末に買ってすぐに読み始めたはずが、読み終わったのが今日だなんて、どうしてこんなに時間がかかったんだろう。決して面白くなくて読めなかったというのではない。それどころか、文章がみずみずしくて、とても71才の人が書いた小説には思えなかった。年をとるとそれなりに文体が枯れてしまう気がするのだが、そんな気配は感じられず、私の知っている今までの村上春樹の文章だった。まあ、それは村上春樹を初期の頃から読み続けてきたわけではない私の感想だから、ハルキストの見方は違うかもしれないが・・。
この短編集は8つの短編から成り立っている。いずれもそれなりに面白かったが、一番私の心に残ったのは「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」だった。
話を簡単にまとめると、「高校時代に付き合っていた女の子の兄に18年くらい経って出会い、彼女が結婚し2児をもうけたにも拘わらず自殺したことを聞く。その原因は誰にも分からない・・」
別に私が彼女の自殺の原因をこの短い文章から憶測するのも余計な世話だと思うが、いくつか気になった箇所があったのでそれを列挙してみると・・。
・筆者(『僕』)はその女の子から、耳の奥に「小さな鈴の音」が聞こえなかったため別れたのだが、別れ話を切り出された彼女は彼を六甲山のカフェに残して何も言わずに車で帰ってしまった。
・彼女の家のソファで抱き合っている時に、彼女が「わたしって、すごく嫉妬深いの」と言い、さらに「嫉妬深いってね、ときにはすごくきついことなの」と言った。
・彼女の兄が、「ぼくの意見をあえて言わせてもらえば、サヨコ(彼女)は君のことがいちばん好きやったんと思う」と言う。
これだけで、心から愛した男に捨てられた若い女の子がどうしてもその苦しみから抜け出せずに、自死してしまったという絵図は描けるかもしれないが、私が考えるような短絡的な経緯を村上春樹のような小説家が考えているとは思えないから、やはり安っぽい下衆の勘ぐりにすぎないだろう。それでもやっぱりそんな気がして仕方がなくて、今でもなんだか落ち着かない。
この短編集は8つの短編から成り立っている。いずれもそれなりに面白かったが、一番私の心に残ったのは「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」だった。
話を簡単にまとめると、「高校時代に付き合っていた女の子の兄に18年くらい経って出会い、彼女が結婚し2児をもうけたにも拘わらず自殺したことを聞く。その原因は誰にも分からない・・」
別に私が彼女の自殺の原因をこの短い文章から憶測するのも余計な世話だと思うが、いくつか気になった箇所があったのでそれを列挙してみると・・。
・筆者(『僕』)はその女の子から、耳の奥に「小さな鈴の音」が聞こえなかったため別れたのだが、別れ話を切り出された彼女は彼を六甲山のカフェに残して何も言わずに車で帰ってしまった。
・彼女の家のソファで抱き合っている時に、彼女が「わたしって、すごく嫉妬深いの」と言い、さらに「嫉妬深いってね、ときにはすごくきついことなの」と言った。
・彼女の兄が、「ぼくの意見をあえて言わせてもらえば、サヨコ(彼女)は君のことがいちばん好きやったんと思う」と言う。
これだけで、心から愛した男に捨てられた若い女の子がどうしてもその苦しみから抜け出せずに、自死してしまったという絵図は描けるかもしれないが、私が考えるような短絡的な経緯を村上春樹のような小説家が考えているとは思えないから、やはり安っぽい下衆の勘ぐりにすぎないだろう。それでもやっぱりそんな気がして仕方がなくて、今でもなんだか落ち着かない。
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