実家には姉の古いピアノがあります。
独身のころの教員時代の物です。
実家の荷物の片付けに不用品回収業者に一掃してもらう前に、
姉がピアノをピアノ専門業者に買取してもらう段取りをつけました。
それが今日でした。
台風19号の上陸で、嵐の中の作業になるかと心配しましたが、
雨がひどくなる前に業者はやってきました。
やはり雨のまえに済ませてしまうことを配慮して急いで廻っていたのだそうです。
「見せてください」
「小さいのですが」
「小さくて良かった。大きかったら玄関から出せなかった」
と、ピアノを見て、家から出せると判断して、すぐ五千円くれました。
金額は姉が交渉したとおりです。
「ピアノを入れたとき、見ましたか? 玄関から入れましたか?」
と聞かれました。
「入れたときはこの家ではなかったのです。 改築したのです。」
先週、弟と不用品回収業者と見積もりをしたあとで、ピアノの通り道を
作っておいたので、通れるような空間は用意しておきました。
ですが、ピアノは、アップライトの小型のピアノでも、普通に置いた方向の
ままでは、玄関へ部屋の出口からは出られません。
ピアノは90度横に倒し、台車を器用に工夫して、二人の若者がみごとに
玄関の上り框を降ろしていきました。
トラックに運び入れ、毛布とベルトで車に固定し、持ち帰っていきました。
ピアノのあったところを掃除すると、ここにピアノが30年あったのね、と
痕跡を残していました。

作業の30分ほどの間、雨は降りませんでした。


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