1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 今日の法話は、方々から「ジャニーズ問題をどう考えるか」の質問に対する、拙僧の考えを答えさせてもらったもの。

2023-10-04 07:19:27 | 法話

【10月 5日投稿分】


ジャニーズ問題で今日まで、方々(檀家、知人、SNS内など)から様々意見を求められてきましたが、拙僧、全く存じ上げない事なので、言葉を控えておりました。が、あまりにそれに対する意見を問われるので、その質問者達に「これは、あくまでも、拙僧の私見だよ」と一言だけ添えて、以下の内容を回答。


この問題が拙僧の耳に入ってきたは、今から40年程前の大学生の時代だったかな。ジャニー喜多川さんに『誰が何をされた』等の噂は、芸能界に殆ど関心のなかった拙僧の耳にまで入ってきてました。その時に拙僧「ありもせん事を誰かが、面白おかしく垂れ流してるんじゃないの」と、噂話を持ってきた友人達に。人の口とは恐ろしいもので、1人の人間に『あの人、嫌いなんだ』と打ち明けた言葉が、数人の口を渡れば、尾鰭(おひれ)羽鰭(はひれ)が加わり、ある事ない事、何倍にも膨れ上がって広がっていく。今は、その役目(良しも悪しきも含んだ広報)を大いに担っているが、SNS ですかね。


ところが、その噂話(ジャニーズ問題)が昨今、事実であった事が判明を。それについて現在、東山紀之さんと井ノ原快彦さんが、矢面に立たされ『あなた達は、知っていたんでしょ』と詰め寄られ、ギャーギャー槍玉に挙げられている報道番組が目に入る度に、どうしても違和感を感じずにはおられませんね。ジャニー喜多川さんが、ジャニーズ事務所を開設したは1962年(東京オリンピックの2年前)、拙僧が生まれた昭和37年の頃と。東山紀之さんは1966年生まれの人だから、開設は生まれる4年前の事。井ノ原快彦さんは1976年生まれの人だから、開設は生まれる14年も前の事。まさか、オギャーと生まれて数十年後に、他人のやった罪を自分が背負わされる事になろうとは、夢にも思ってなかったでしょうね。いつからジャニー喜多川さんがそうなった(性加害者)かは知りませんが、この問題を薄々でも聞き知っていた、この間の大人達(関係者)は『いったい何をしていたんだ。問題意識はなかったのか』という話にて。


ところが、ところが、記者会見やワイドショーでは「東山紀之さん、井ノ原快彦さんが、子供時代の頃は兎も角、大人になっても黙っていたは、罪ではないのか」と、その様な口調で正義感丸出しに吠える人達が。何はともあれ、このお2人『この問題は大変だから、矢面に立つはやめよう』と『受けない』という選択も出来たのに、あえて自ら針の筵に身を置いて、何かしらの解決を見出そうとされております。それを責めるような世間の流れ、これって、どうなんでしょうかね。この何十年もの間、ジャニー喜多川さんに忖度(その場の利益の為に)して、口を閉じてきた人達(関係者各位)の責任はどうなのかな、と思いますが。この問題は、ジャニー喜多川さんが在命の時に、どうにかしなければならなかった問題であったはず。それが、姿を消した(絶命)途端に『スケープゴート(生贄)が出てきた』とばかりに、一斉に声を上げて、責任を背負った東山さんと井ノ原さんの吊し上げを。このお2人が選ばれたは、この問題に対し、冷静に、頑強に、対処(賠償)出来ると、周囲の関係者が踏んだからかな。性加害が露見した後、いきなり人生の方向を変えられて、それでも、解決(被害者救済)に向けて頑張ろうとされているお2人を、寄ってたかって的に。黙ってその成り行きを、見てられないのかな、というが、事情を殆ど知らない拙僧の勝手な見解です、と方々の質問者達に。


因みに、このジャニーズ問題ですが、ジャニーズだけの問題なんでしょうかね。そこらじゅうを叩いたら、なんぼでも埃(性加害問題に限らず、いじめ問題も然り、家庭問題も然り、政治問題も然り、国内事情様々類似問題)が出てきそうな気がしますが。この際、自分にも問い掛けてみる、よい機会かもしれませんね。檀家さん達には常々拙僧「目に入って来るもの、耳に聞こえてくるもの、は、これ全て他人事にあらず。自分の生き様を問い掛けてみる、絶好の機会(縁)と思った方がいいかも。当事者を批判する暇など、ありまっせんばい。親がしでかした悪行(借金、浮気など)により『どうせ、あの親の子供だ。同じ事をしでかすに違いない』と、自分達の子や孫が、いわれなきレッテルを貼られる事に」と。


【追伸】

読者の方が「ジャニーズ問題は、どう解決するがいいと、住職は思いますか」と。「内部者じゃないので、全く見当も及びませんが、こんな話が逸話としてあります。源頼朝公が、弟の義経公と弁慶に『一碗の米を潰して、糊(のり)を作れ』と命令を。すると弁慶は、お椀を手に取り、いきなり力任せに潰し始めた。対し、義経公はしばし考え、数粒づつ取り出し、丁寧に潰し始めた。勝負は、所要時間も、仕上がり状態も、義経公に軍配が上がった。


頼朝公が出したこの命令の意図は『がむしゃらにやればよい、というものではない。その本質と手段の見極めが大事』を教えるため、だったのかな。ところで君は、三猿『見猿、言わ猿、聞か猿』というを知ってるかい」「一応は」「あの三猿の意味の中には『見てはならん。見なきゃならん。言うてはならん。言わなきゃならん。聞いてはならん。聞かなきゃならん』なる意味も含まれていてね。つまり、拙僧の考えるジャニーズ問題解決の進め方は、これなのかな、と勝手に思ってる」「なるほど、そういう事か。急がにゃならん問題ではあるが、急ぎ過ぎては丁寧さが欠ける、という事ですね」「御意。周りが、ギャーギャー、ギャーギャーと騒ぎ立てたら、誠意に対応しようとしている人達の動きに、支障が出るんじゃないかな、と勝手に心配しています」と。まあ、繰り返しになりますが、ジャニー喜多川さん本人がいる内に、騒げよ、という話にて。


投稿写真は、わが寺の本堂内鬼子母神社屋根に座る三猿です。さて、次回の投稿法話は、10月10日になります。






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