【1月20日投稿分】
1月16日の朝ドラ『おむすび』で、東日本大震災の話が取り上げられていましたね。全国から支援物資が大量に送られてきたが、段ボール箱が品物別に分けられておらず、山積みになってる為、被災者が今、必要としている物が探し出せず、ボランティアの人達が非常に難儀を。この場面(ドラマ)を見ながら、2005年(平成17年)3月20日に起こった福岡県西方沖地震の時、全国より届けられた支援物資に対し、被災した子供達が放った言葉が、今でも脳裏に残っております。震災の数年後、被災した子供達に報道番組が「届けられた支援物資は、有り難かったですか」とインタビューを。しばらく無言の後、子供達が重い口を開き「今だから言いますが、箱を開けると、中には、着崩された古い汚い下着、衣服、靴、靴下。使えそうにない短い鉛筆、消しゴム。僕達は被災者ですが、乞食じゃない。あなた達なら、これ、使いますか」と。
この報道番組を拙僧と見ていた、当時17歳だった息子が「父さん(拙僧の事)、全国の学校から届けられた支援物資だけど、荷造りをしたのは子供達じゃないよね。間違いなく、保護者と先生だよね。箱詰めする時、何とも思わなかったのかな、使い古しの服、ボロボロの靴、汚れた下着、などを入れながら。何か、違和感を感じるんだけど」と。
この同じ報道番組を見ていたという、わが寺の檀家で、海上保安庁に勤めておられる男性達が「住職、この子供達がインタビューされて、言っていた事は、本当の事ですよ。支援物資(段ボール箱)を現地に運び込み、仕分けをしたのは、私達ですから。確かに、有難いとは思いますよ。ただ、使える物と使えない物を仕分けるだけでも、大変な労働力と膨大な時間が掛かるんです。他に沢山、時間を掛けてやらなければならない事が、山積みだというのに。それに、使えない物を捨てるには、お金が掛かるんですよね。出来れば、支援物資(品物)ではなく、お金(寄付金、支援金)を頂ければ、大変助かるんですが。こちら(被災地)で本当に必要な物を、購入する事が出来ますので」と拙僧に。
先日(令和7年1月13日)、宮崎で震度5弱の地震がありましたよね。北九州でも多少揺れましたが。太平洋側で地震が起こる度に、南海トラフの話題が持ち上がりますが、地震(自然災害)を予知する、止める、避ける事は、人間の力では到底無理な話にて。人間に出来る事といえば、現場の混乱を避ける対策を打ち出し、二次災害(直接的被害に連鎖して起こる災害)、三次災害(機能障害、経済的障害の様なものなど)を食い止める事だけ。これこそが、助けられる命を助ける事に繋がると思います。地震国(被災)である日本は『この時は、こうする』を前もって、しっかりと決めておいた方が、良いのではないかと。過去の大災害で混乱した事の教訓が、数多にあるんですからね。
【余談】
過去の様々大惨事に関わった檀家が、わが寺には何人も。
1985年の日本航空123便墜落事故(昭和60年8月12日、犠牲者520人)には、搭乗直前に急用の連絡が入り、搭乗せずに一命を拾った檀家の男性が。因みに拙僧も、1週間前に同社同型同コースを。お寺でお盆準備の最中に「日航が落ちた」とニュースが。
1993年の北海道南西沖地震奥尻島の津波(平成5年7月12日、犠牲者198人)と1995年の阪神淡路大震災(平成7年1月17日、犠牲者6434人)には、同一人物(30代檀家男性)が、一命を拾いました。彼曰く「北海道では津波に追われ、阪神では早朝、ホテル内で体が宙を舞った。2度も命を救われました」と。
2001年の9、11アメリカ同時多発テロ(犠牲者2977人)では当時、檀家男性がワールドトレードセンター上階で勤務を。忘れ物を取りにビルに入ろうとした時、飛行機がビルに。彼曰く「上にいたら、恐らく助かってなかったと思います」と。
2005年の福知山線脱線事故(平成17年4月25日、犠牲者106人)には、幼稚園から大学のその日まで皆勤だった女性(20歳)が、腹痛(激痛)で皆勤を断念したその日に、その時間帯に登校に使っていた電車が。彼女曰く「最も酷かった車輌(への字に曲がった)に常に乗っていたので、その電車にもし乗っていたら、恐らく私も無事ではなかったと思います。すぐに先祖さんに手を合わせました」と。
2011年の東日本大震災(平成23年3月11日、犠牲者2万2325人)には、東北に嫁いでいた檀家の娘さんが。ご主人と2歳娘、3歳娘と、津波に飲み込まれていく我が家を後方に見ながら高台へ、高台へ、と。彼岸参りで拙僧、彼女の実家に訪れた時、そこに彼女と娘さん2人が。ご主人は現地に残って、後処理の手伝いをしていると。どんな状況だったかを詳しく聞かされて拙僧、絶句しました。
皆々(檀家被災者)、どうにか、命だけは。後日、被災者全員が各々、わが寺へ御礼参りに。異口同音に「見えない何かに助けられたとしたならば、先祖さんとしか、考えられません。ほんと『今ここに、命があるに、何不足』ですね」と。
【付録】
拙僧はこれまでに法話の本を3冊、世に出して頂きました。そのご縁がきっかけとなり、テレビ(約半年、週1回)、ラジオ、新聞、雑誌などや、教育委員会、学校、幼稚園、病院、老人ホーム、デイサービス、町内会老人の集い、倫理法人会、他宗寺院、葬儀斎場、社員研修などへの講演(北九州在住の拙僧が、遠方では九州南部、関西、関東、北陸、東北まで)にも呼んで頂き、方々で法話交流を。あらゆる話とまでは言えませんが、様々なジャンルである程度(仏教仏事系の他にも、癒し系、漫談系、人生系、目から鱗系、子育て系など)の話が。何かのお役に立ちそうでしたら、時間調整の許す限り、集いの大小問わず(参加者数人でも)足を運ばせて頂きますので、お気軽に、facebook、X、Instagram のメール(コメント欄)で、お声を掛けてくださいませ。勿論、この様なお話でいいなら、でございますが。拙僧も今年で62歳。これより先の残された時間を、1人でも多くの人のお役に立てれば、との思いです。『今、自分に出来る事を、今やる』ですね。
約10年間でSNSに投稿した3000話の長短法話を下記で読む事が出来ます。
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拙僧が持つグループ「出会うは運命、出会ってからは努力、最後は感謝」
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【追伸】尚「法話が長い」と不快感を示されておられる方々には、大変心苦しく申し訳ないので、拙僧の法話が目に入らない様に『ブロック』をさせてもらっております。楽しみにされている方々もおられますので、ご理解頂きまして、それでどうか、ご容赦くださいませ。
次回の投稿法話は、1月25日になります。
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