1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 遺骨を火葬場に捨て置きしたり、生ゴミ置き場に置き捨てたり。知人中学生男子が「なんや、人間死んだら、ゴミ捨てか」と。この言葉は衝撃。

2023-11-07 12:08:46 | 法話

【 これは昨年の4月初旬に投稿させて頂いた法話です。葬儀、お墓、先祖の供養、などの話(相談)は、度々拙僧のところへ。何かしらの参考になりますれば 】


わが寺とは縁のない夫婦が「1周忌法要と納骨堂契約をお願い出来ませんか」と突然、遺骨と白木の位牌を持ってお寺に。理由を尋ねると「16歳の息子が自ら命を。恐らく、私達の夫婦不仲が原因であったと思います。葬式は葬儀社でお寺を紹介して頂いて。葬式後、そこのお寺に納骨堂を拝見しに伺うと、掃除は行き届いておらず、お供えされているものは、酷いのになったら、カビだらけ。どうも、遺骨を大事にしているお寺さんとは思えず」と。


1周忌の後、このご夫婦に拙僧「お寺を紹介してもらった、という事ですが、あなた達夫婦両家の菩提寺は、どこにあるの」と尋ねると「ありません」と。「両家共に、ですか」「はい」「親の遺骨は」「火葬場にそのまま置いて帰りました」「両家共に、ですかいな」「・・・」「それで、私のお寺をどこで知ったの」「ツイッター(現在のX)の法話で知りました。ここなら、と。そこで、怒られるを覚悟で。ここの檀家にして頂いて、納骨堂の契約をさせてもらえれば」と。「住まいは、どちらですか」「関西の方です」「関西とは、ちょっと遠いですね。あなた達が『供養を長続きさせたい』と本気で思っておられるなら、無理なく続けられる環境を考えた方がいいと思いますよ。関西の方で菩提寺を探してみられてはどうですか」「ここじゃ、駄目なんですか」「ここじゃ、あかんですね。あなた達の事(今日までの姿勢)を考えると、遠過ぎます。居住地の仏壇屋さんに行って『人格者の住職が座する、納骨堂保有のお寺を教えて下さい』と聞いてみて下さい。仏壇屋さんは、お寺さんとのお付き合いがあるから、そこに聞くが最も間違いがない」「そうですか、そうなんですね、わかりました」と、ご夫婦は息子さんの遺骨を抱えて下山を。


親の遺骨は平気で捨てる事は出来ても、流石にわが子の遺骨は、捨てられなかったんでしょうな。所謂、牛に引かれて善光寺、ですね。道理のわかるご住職さんに出会えたら、火葬場に置き捨てた親の供養も一緒にする事を、勧められるでしょうね。『良きお寺さんとのご縁があります様に』と拙僧、このご夫婦を見送りました。その後は、なんの連絡も。因みに、わが寺の檀家さんの中にも、自殺者は20人ほど。その内の半分は中高生。自殺の理由は、いじめや不安ではなく、わが寺に限っては、大半が家庭の不和にて。


さて、会話の中で拙僧、このご夫婦に「人生は取り返しが効く、なんて言葉がありますが、大半は取り返しは効かないですよ。時間を取り戻す事が出来ない様に。同じ過ちを繰り返さない様にする事は出来ますがね。人間は必ず何かの役目を持って、この世に生を受けています。息子さんは、親の心を改めさせる役目を持って、この世に生を受けられたんでしょうかね。後に残る2人の息子(次男、三男)さんを、大事に育てて下さいね。それがこの子(自殺)にとって、何よりの供養になると思いますよ」と。


【追伸】


先日、読者の若者から、この様な質問が来ました。「住職の法話に対し『長い』と文句を言ってくる人が偶にいるよね。どうされてるの」と。「基本は何もしないが『誰が読むんか、こんな長い話を』など、何度も文句言ってこられる人は、ブロックするかな。拙僧が気分を害しているからではなく、そんなに文句が出るほど不快に思われているのなら、その人に対し申し訳ないので、目に入らないようにしてあげよう、とブロックを」「そんなブロックの理由もあるんですね」「それに『文句言い、講釈言いは、動かん』と相場が決まっとるやろ。長い文を短い文にしたからとて、読まない人は、読まないでしょ。この長文を待たれている人も結構におられるので、読んでくださる人達に照準を合わせているかな。100人文句が出ても、1人助かる人(参考にして頂ける人)がいれば、それだけで十分。SNS の『いいね』を増産させるが目的で、法話を投稿している訳ではないのでね」と。


次回の投稿法話は、11月10日になります。投稿写真は、わが寺の永代堂の地蔵菩薩と四天王の広目天。昨今、50歳までに1度も結婚してない男性が4割、女性が3割との事。このご時世でも、遺骨を捨てる人ばかりではないので、2年前、わが寺では、永代供養の為のこの永代堂を納骨堂内に建立しました。仏像の背後に置かれている遺骨は、誰もお参りに来てもらえない故人の遺骨。お寺が未来永劫に、供養をさせてもらいます。






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