専属老宮大工に「寺を継ぐなら境内地に汗を落とせ」と各お堂、参道修理を長年手伝わされた。「弘法筆を選ばず、とあるがその意は別儀、お大師は筆には拘っていたんだ。当然だ。ノミ、カンナ等刃の手入れが不十分で仕事になるか。拘るところを徹底して拘るのがプロだ。わしの仕事を見て何かを得よ」と。
ロンドンに住む息子と娘からテロ事件がある度に「大丈夫だよ」とメールが。国会討議を見ておるとプライバシーと人の命、どちらに重きを。この国はいつも事が起こってから慌て出す。空港を除く交通機関は隙だらけ。人は死んだら生き返って来れないんだが。世界で起こっている事がまるで対岸の火事だね。
夫の他界後、死後離婚が急増と。理由は夫と同じ墓には。赤の他人の義父母の世話など、と。貴女の息子の嫁も同じ赤の他人なんだが。人は皆自力で動く事が出来ぬ時期が必ず。そんな悲惨な単身老人を私は数多に。人にはそれぞれ事情が。事情の塊が人間とは思うが。まだ間に合う人はこうならん為の対策を。
完全無神論者の爺様が心筋梗塞で倒れ意識不明状態で25日間。見舞いに行くと「住職よ。ウッと胸を押さえた瞬間に意識が飛んだ。想像してごらん。何の音もない漆黒の闇の中に意識だけ。どうする事も出来ん。その恐怖たるや。あなたが『他界直後の枕経は坊主の大事な仕事』と言ってた意味がやっと」と。
信仰絡みで来る相談者には常に「世の中は全て需要と供給の関係。が、この関係が信仰では少々困った問題を引き起こす。お金での解決は無理なのに、お金さえ出せば何とかなりゃせんかと。それこそ一部の信仰指導者の格好の的。お金で何でも解決出来るなら金持ちは問題は抱えとらん。考え違いだけは」と。