昨日も書いた、インターネット掲示板【ヤフー知恵袋】を舞台に
繰り広げられた 「大学入試不正事件」
きのうの当ブログの記事でも発信先の特定は「割りと簡単」と書いたが、
すでに「IPアドレス」は特定され、契約者まで行きつくのは時間の問題だ。
大相撲の八百長事件では、携帯電話そのものに残ったメールの内容を
特定する必要があったので、八百長に手を染めた者は、壊れた・水没した
・機種を変えた、などというバレバレの口実で提出を拒んでいたが、
今回の事件では、携帯メールの内容を特定するより、使用者を特定することが
主要な課題なので、機種を変更したり捨てたり壊したりしても間に合わない。
必ず、【aicezuki】 なる使用者は特定されるだろう。
【aicezuki】 なる投稿者は、昨年来予行演習のつもりで(?)河合塾の問題を
【ヤフー知恵袋】に投稿し、反応の速度や正確さを試していたようである。
河合塾の塾生や講習への一時参加者の名簿と照らし合わせれば、尚一層
対象を絞り易く、投稿者を特定できる可能性が高い。
しかし試験会場内と外部で連携する必要があり、組織的な犯罪であることは
確かなので、【aicezuki】 一人を特定して「一件落着」とならない ことは
きのうも述べた。
また、この解答の投稿を試験時間中に閲覧した受験者も掴む必要がある。
何故なら、試験時間中に「たまたま、ヤフー知恵袋を見た」と言う事は、
有り得ないからである。 閲覧者は、組織的「不正受験者」である可能性が
高い訳だ。 受験者であったかどうかは、個人を特定すればすぐに解ること
であるから、その試験を受験していない人々を除けば、おのずと「不正受験者」
は、割り出される。
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もう一つ、(今更検証のしようがないとはいえ)この事件は今回初めて発覚
した訳であるが、同様の不正が以前から行われていなかったかどうか?
も大いな疑問である。
それと、きのう述べた「コンサートホールなどでの携帯電波抑止装置」に
ついては、昨日のNHKニュースや今日の朝日新聞でも取り上げられていた。
入試の携帯対策、大学は…「■電波の遮断可能だが高コスト 」
(朝日新聞)- 2011年3月2日7時38分
(もちろん、これに関しては私の投稿の方が早かったが・・・)
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ドコモの同一携帯から投稿=京大などで使用、契約者特定へ―入試問題で府警・警視庁
(時事通信) - 2011年3月2日(水)11:03
京都大など4大学の入試問題の一部が試験中にインターネットの掲示板「ヤフー知恵袋」に投稿された問題で、京都府警と警視庁がNTTドコモの同一の携帯電話から投稿されていたと特定していたことが2日、捜査関係者への取材で分かった。
識別番号の同じ携帯電話が4大学の入試問題の投稿に使われており、府警などは契約者情報の提供を求め、偽計業務妨害容疑で投稿者の割り出しを進める。
4大学によると、ヤフー知恵袋には先月8日の同志社大、同11日の立教大、同12日の早稲田大、同25、26両日の京大の試験中、「aicezuki」のハンドルネームで解答を求める投稿があった。いずれも携帯電話が使われていた。
捜査関係者によると、警視庁などはヤフーにIPアドレス(ネット上の住所)や携帯電話の識別番号を任意提出するよう要請。ヤフーから示された識別番号はすべての投稿で同一だった。
個々の識別は携帯電話の製造番号やSIM(シム)カード番号などから可能で、これらを分析した結果、ドコモの携帯電話を特定したとみられる。
会場外から投稿か=複数関与視野に捜査―入試問題で・警察当局
(時事通信) - 2011年3月1日(火)21:03
入試ネット投稿 携帯契約者特定へ 識別番号を入手
(産経新聞) - 2011年3月2日(水)08:00
京都大や同志社大、立教大、早稲田大の入試問題が試験時間中にインターネットの「質問サイト」に投稿された問題で、警視庁と京都府警が、投稿は携帯電話からだったと断定したことが1日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁などは同日、掲示板を管理するヤフーからサイトに投稿した携帯電話の個体識別番号など接続記録の提出を受けた。個体識別番号はパソコンのIPアドレスと比べ、使用者の特定が容易で、警視庁などは偽計業務妨害容疑の捜査を本格化させる。
捜査関係者によると、ハンドルネーム「aicezuki」による試験問題の投稿計21件すべてで、「ヤフー知恵袋」の画面上に携帯電話からの投稿を示すマークが表示されていた。システム上、このマークが表示されるのは携帯電話のみで、パソコンやスマートフォン(高機能携帯電話)から携帯電話を装うことはあり得ないといい、警視庁などは携帯電話から投稿されたものと判断した。
携帯電話から投稿した場合、ヤフー側には携帯電話に割り当てられた個体識別番号が登録される。携帯電話会社には通信料を課金するため詳細な記録が残されており、携帯電話を不正入手していなければ、この番号から契約者が分かる仕組みになっている。
パソコンからの場合はネット上の住所に当たるIPアドレスから発信者をたどることになるが、インターネットカフェなど不特定多数が利用する場合や匿名化ソフト、海外サーバーの利用など発信元の割り出しが困難になる場合もある。このため、使用者が特定しやすい携帯電話のほうが一般的に追跡は容易だという。
警視庁などは今後、入手した識別番号などをもとに携帯電話会社に契約者の個人情報の提供を求め、投稿者を特定する方針だ。
一方、入試問題が投稿された4大学は1日、サイトに寄せられた回答をそのまま書き写したとみられる受験生がいないかどうか、調査する方針を固めた。調査対象は計約3万人。早大は文化構想学部の英語を受験した9935人、同志社大は4957人、立教大は4898人。京大は採点作業後、調査に取りかかる。
高木義明文部科学相は1日の定例会見で、試験会場への携帯電話持ち込みについて、「国として一律の対応を求めるものではない」と述べ、各大学の判断に委ねる方針を示した。
入試の携帯対策、大学は…「■電波の遮断可能だが高コスト 」
(朝日新聞)- 2011年3月2日7時38分
携帯電話を一時的につながらなくする「携帯電話抑止装置」を設置する手もある。設置エリア内では妨害電波を発信し、携帯が電波をキャッチできなくする装置だ。コンサートホールのほか病院の検査室や、振り込め詐欺対策の一環として銀行の現金自動出入機(ATM)コーナーに設置されている例もある。だが、業者によると、大きな教室全体をカバーする装置を設置すると、100万円以上の費用がかかるという。
装置を開発した「マクロスジャパン」(東京)の役員は「レンタルもしている。入試日だけ大学内に設置することは技術的には可能」と話す。ただ、入試会場のような広い場所ではかなりの台数が必要になるという。
また、抑止装置は電波を妨害するため、使用には総務省の許可が必要。同省の移動通信課は「一定の条件を満たせば許可も検討する。ただ相当な費用がかかるだろうし、もっと有効な方法があるのではないか」と話している。