2011年3月30日(水)
自民党は、福島原発事故に際して、震災発生の翌日3月12日の直ちに現場を訪問して状況を把握しようとした菅総理に対して、総理の訪問への受け入れ準備等に追われて、事故への初動が遅れたのではないか!と追求しているようだ。
しかし、もし菅総理が現場に行かずに“遠隔操作”を続けていたとしたら、「何故現場に行って状況を把握しようとしないのか?」と、逆の追求をしているであろうことは見得見えである。
?
いま、そんなことを国会で追及しても何の役にも立たないではないか!
もちろん、菅総理の現場訪問は、単なるパフォーマンス的な感じもしないではない。
その後の『政治主導』が全く空回りになっていることをみても「現場訪問」が決定打になったとは思えない。
しかし、全く現場に行かないで『大本営』気取りで、下請け作業員に「『特攻』を命じている」東京電力の社長や、原子力安全・保安院のお偉いさんたちよりは、よっぽどましだと思う。
きのうの国会答弁で、菅総理は「福島第1原発の廃炉」に踏み込んだ答弁をしたというが、そんな今更の話は無い。
福島第一原発、首相「廃炉の可能性高い」
(朝日新聞) - 2011年3月29日(火)12:52
あの高度の放射線に汚染され、建屋の大半が全半壊し、炉心格納容器さえ破損の可能性が高い原発を再生できるはずがない。
廃炉するのは、当然であるが、それに至る可能性さえ今や見えないトリレンマに見舞われているのである。
もっと早期に、米国やフランスの原発専門家による援助の申し出を受け入れておけばよかったのに、当初は援助を断っておいて、今頃平身低頭して援助を依頼するとは無様な話である。
一説では、アメリカやフランスの対策が、廃炉を前提にしていたので、援助を断ったという話である。
国民の命と生活よりも、自らの『資産』の方に重きを置いた考え方である。
東京電力の、そういう近視眼的な対応が、現状の困難と混乱を引き起こしたのである。
*******************************************
(左のアイコンをクリックして
もらえたら嬉しいです)
*******************************************
首相、原発視察「状況把握のため」=野党、初動に影響と批判
(時事通信) - 2011年3月29日(火)10:03 菅直人首相は29日午前の参院予算委員会で、東日本大震災発生の翌日に福島第1原発を視察したことについて「現地の状況を把握することが重要と考えた。(初動対応が)遅延したとの指摘はまったく当たっていない」と述べ、問題はないとの認識を示した。自民党の礒崎陽輔氏への答弁。
首相は「その後の経緯を考えると、現地の責任者に短時間だが会って直接話を聞いて、人物を見たことが極めて有効だった」と強調。礒崎氏は、首相の視察が放射性物質を含む気体を原子炉から抜く「ベント」の遅れにつながったと批判したが、首相は「(視察前の)12日午前1時30分にベントをすべきという姿勢を明確にし、東京電力に伝えていた」と反論した。
公明党の加藤修一氏も、首相の視察について「行くべきではなかった。(現場の作業の)邪魔をした」と指摘した。
首相は福島第1原発の事故に関し「予断を許さない状況が続いている。最大限の緊張感を持ち、取り組んでいく」と表明。また、「(原発設置)当時の津波に対する認識が大きく間違っていたことは否定しようがない」と述べるとともに、同原発は廃炉となる可能性が高いとの見解を示した。共産党の大門実紀史氏らへの答弁。
首相の国会答弁は震災発生後初めて。首相は予算委の冒頭、「多くの国民に避難、計画停電などで大変不便をかけている。国民が冷静、沈着に行動していることに心から敬意を表し、感謝申し上げたい」と発言した。
首相の原発視察「初動ミス」 野党が追及、首相は反論
(朝日新聞) - 2011年3月29日(火)22:08
震災翌日の原発視察、首相「初動対応の遅れない」
(朝日新聞) - 2011年3月29日(火)11:22