城台山日記

 城台山の麓で生まれ、毎日この山に登り、野菜・花づくり、読書、山登りをこよなく愛する年寄りの感動と失敗の生活日記です。

日本の寄付文化 19.4.22

2019-04-22 19:53:33 | 面白い本はないか
 県図書館で借りてきた本を読んでしまったが、岐阜市まで出かける暇がないときは、地元の揖斐川図書館の本を借りることが多い。今日は、赤坂真理「箱の中の天皇」と渋澤健・鵜尾雅隆「寄付をしてみよう、と思ったら読む本」を取り上げてみよう。赤坂真理の本を読む前に、原武史「平成の終焉」そしてその前に「昭和天皇」も読んだ。平成の時代が終わるこの時期にあらためて天皇制について考えてみようと思ったわけではないが。

 赤坂真理の「東京プリズン」、読んだけれどもよくわからないというのが正直なところ。やはりフィクションは苦手である。現在と占領時代が行ったり来たり、頭が固くてついていけない。この最新刊の方が短くて、もう少し読みやすい。これに引き替え、歴史書は余程読みやすい。天皇制とは一体何なのか、「象徴」とは何なのか。その意味を一番考えた人は今上天皇であることは間違いない。この点、昭和天皇は違う。君主としての教育を受けて、戦後象徴となったけれども、象徴の意味を深く考えなかったと思う。

 日本人の大部分はおそらく何となくではあるが天皇制を支持している。しかし、かつてのように「現人神」ではない以上、どうして被災地等を訪問する天皇の姿に私も含めて表現できない良い感情をいだくのであろうか。首相でもありがたいと思うが、やはり違うのである。伝統、歴史の持つ重みを感じるのである。


 カエデの新緑が美しい 一心寺前にて

 シャガ 一心寺前

 八重桜 展望台下

 難しい話は止めて、簡単な寄付の話をしよう。前記の本によると、日本の寄付は先進国、韓国と比べると低水準にあるが、近年着実に増えている。2010年の4874億円が2016年7756億円となった。個人寄付総額が名目GDPに占める割合は、日本が0.14%、韓国0.50%、イギリス0.54%、アメリカ1.44%となっている。唐突であるが、私の場合年金生活なので低所得であるが、年収の数パーセントに達する。

 なぜ人は寄付するのであろうか。私の場合は、やはり国際協力への関心というのが昔から頭にあった。発展途上国へ行ってボランティアをすることは出来ないが、少しのお金なら寄付できる。自己満足に過ぎないのかもしれない。最近になって、国内の貧困が注目されだした。昔からあったと思われるが、関心が国内に向いていなかった。今は国外と国内がほぼ半分になっている。

 子どもの未来基金というのがある。私も少しだがマンスリーサポートをしている。しかし、本来このように重要な施策は税金で十分まかなわれるべきだと思う。日本人は政府を信用していないせいか、増税に非常に反対する(そのくせお上には依存する)。また痛税感が強いし、公務員に対する見方も厳しい。これでは増税は難しいので、子どもや家庭の支援にお金が回らない。生活保護受給者等に対するバッシングも強い。

 アメリカ人は政府を信用していない。その代わり寄付をする。低所得者もである。アメリカの個人の寄付総額30兆円あまり、日本の一般会計の約30%。日本の寄付が一般化しない理由は、何に使われるかはっきりしないというのがある。寄付を受ける団体は、その目的、事業内容、予算を明確にしていることが多い。レポートも定期的に届く。ある意味、税金よりも使い道ははっきりしている。
 
 最近、資金あつめに「クラウドファンディング」が注目されている。決して寄付に関心がないわけではない。本人の意識があれば、情報を収集し、自分が望む課題解決の一助となることは容易にできる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする