城台山日記

 城台山の麓で生まれ、毎日この山に登り、野菜・花づくり、読書、山登りをこよなく愛する年寄りの感動と失敗の生活日記です。

我が家の介護問題 21.12.20

2021-12-20 21:32:12 | 地域のこと他
 最近5080問題ということが言われるようになった。要するに80代の親を介護する独身の息子なり娘の直面する問題である。2000年に介護保険法が施行され、従来の措置制度(行政が提供する福祉サービスを決める)から住民が福祉サービスを必要とするときに、そのサービスを受けることができるようになり、選択の自由が確保されたわけだ。法律の施行によって、そうした介護サービスを提供する官民の事業所が雨後のタケノコのようにたくさんできた。従来なら特別養護老人ホームに行政の指示により入居する(そもそも施設の数も少なく、待機者も今より多くなかなか入居できなかった)あるいは病院(これを「社会的入院」という。その意味は医療上の必要性ではなく、自宅に戻れないという老人を預かるための入院)に入れるか、在宅で家族が介護をするかしかなかった。在宅で介護する場合、一般的に栄養状態が悪く、十分なケアもできないことから比較的短期間でなくなるというのが普通だった。介護保険という介護の問題を個人の問題としてではなく社会の問題として捉えるようになったのだが、その介護保険の適用となる高齢者が劇的に増加し、サービス受けるために必要な要介護度の認定を厳しくするとともに介護保険料(40歳以上が支払っている)を上げ、介護にかかる経費のうち食費、住居費などを全額自己負担としたり、所得の多い人は自己負担の割合を2割にしたりしてきた。5080が問題なのは、50代の子どもが十分な所得を持っていない、酷い場合には80代の親の年金をあてにしなければならないケースであろう。親亡き後に子どもはどのように生計を立てて行けば良いのか。

 今日の城台山

 我が家は、70100問題ということになる。ただし、幸いに息子とその嫁が介護者となっているし、介護される母親もそこそこの遺族年金をいただいている。少し、その介護の歴史を振り返ってみる。米寿になった翌年、自宅で転倒し、大腿骨骨折で入院、退院後リハビリ専門のデイサービスに週2回程度通っていた。施設の人の話では結構頑張ってリハビリに励んでいたらしい。しかし、次第にこのリハビリについていくことができなくなり、普通のデイサービスに通うようになった。この頃の介護は今から考えればたいしたことはなかった。それでも夫婦揃って外出できるのはデイサービスに行っている間だけという状況であった。また入浴介助は意外と難しいこともあり、ヘルパーさんを頼んだ。3年前の夏、昼食時裸でベッドに寝ていたので、異常を感じ、救急車で揖斐病院に行ったが、血圧高めの他は異常なしということで帰宅(車いすタクシーで)。この夏は食事をとらないことが多かった(この頃の介護記録は毎日のように書いてある)。その年の9月22日に95歳の誕生日を迎え、揖斐川町長が我が家を訪問された。この後も食事を食べたり、食べなかったりする状態は続いた。また、この年ショートステイを短期間利用し始めた。そしてその年11月末にトイレの前で転倒し、足にひびが入り、再び入院(約2週間)。次第に認知症の症状が出てきた(正式な診断はもらっていない)。

 今日の池田山 26日(日曜日)に登る予定 雪もありそう

 昨年3月食べ物を求めての徘徊(壁を伝いながら歩いていた)が多くなる。冷蔵庫にあるものや机等の上にあるものを部屋まで持って行く。冷凍ニンジン、たらこ、ベーコンなど食べようとするが食べれないので、部屋のごみ箱に捨てる。三食をきちんと食べ、おやつも食べているのだが。幼児用のロックを買ってきて、冷蔵庫等開けないようにした。しばらくすると歩けなくなったこともあり、この徘徊はなくなった。以後は車いすでキッチンまで連れてきて、排泄はパンツでする。最初のうちは自分で替えていたが、次第に妻がするようになる。しかし、今年夏前から立つことができなくなり、オムツに代える。今や足は拘縮し、褥瘡もできたことにより二人がかりで一日三回のおしめ替え、そして一日三回ベッドから車いすに移乗し、キッチンまで連れていくのが私の日課となった。

 現在利用している介護サービスは、ショートステイ(月一週間程度を2回)、訪問リハビリ週一回、訪問看護週一回(連絡すれば緊急時24時間対応可能、ここからかかりつけ医に連絡が行く)、訪問入浴(週一回)(ショートステイでいないので実際は月二回程度)。そして、介護用具のレンタル(スロープ、褥瘡用マット)当然だが、ショートステイの費用が一番かかる、ショートステイを月15日利用し、他の介護サービスを受けた場合の費用額は次のとおり。
ショートステイ介護保険一部負担(一割)14,423円、実費でかかるのが食費22,500円(一日1,500円)、居住費(一人部屋)30,450円(一日⒉,030円)、訪問看護・リハビリ3,075円、訪問入浴4,006円合計74,454円となる。いかに実費の占める割合が大きいことがわかるだろう。かりに特別養護老人ホームに入居した場合、月額13万円程度必要となるだろう。

 庭の千両

 現在特別養護老人ホームへの入所を希望しているが、順番はなかなか来ない。連れ合いにかかる介護の負担は肉体的なものばかりではない。我が家は結婚以来両親と同居してきた。連れ合いは育児休業はとったが、フルタイムで長い間働いてきた。嫁姑問題はずっと前からあったこともあり、認知症が出てきてから、余計にこの確執が全面に出るようになってきた。私もその嫁の味方をする者として捉えていると思う。連れ合いにしてみれば、不機嫌、不満な義母の世話をなぜしなければならないのかと思うはずだ。実の息子だって思うのだから当然だ。この状態がいつまで続くのかは誰にも分からない。

 介護問題は実は自分の問題でもある。ある日、身体が思うように動かなくなり、誰かから介護を受けなければならなくなる。きっと私たち世代の多くは子どもに頼ることはできないであろう。一方、日本の現状は公的な介護に頼ることができなくなりつつある。できれば「ぴんぴんころり」でできるだけ人様のお世話にならずに人生を閉じることができたら最高だろうと思っている。掛け合い漫才のように。連れ合いとは「俺が先だ、いや私が先だ」などと言い合ってはいるが、そんなことわかるはずはないのである。ただし、足腰の鍛錬だけは怠らないようにしようというのが今の心境だ。足が衰えると寝たきりになる、そうすると不本意に長生きしてしまうかもしれない。死ぬ一日前にも歩いていたと言われたい。

※介護制度については間違っているところもあるかもしれないし、母親の介護については十分整理されていないので読みにくいことを最後にお断りしておきたい。また、介護で苦労されている方に比べれば我が家の苦労など何でもないと思われるかもしれない。しかし、残念ながらその方の苦労を実際に体験するなどほとんど不可能で比較のしようがないのであえて書いてみた次第である。


 
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