総理大臣安倍晋三のウソ
9月26日に行われた日米首脳会談の後、日米共同声明が発表された。
「日米はFTA(自由貿易協定)ではなく、「物品貿易協定」(「TAG」)について交渉に入ることに合意した」と安倍首相の発言をテレビ中継した。私は「物品貿易協定」(「TAG」)という初めて聞く言葉を聞いた。
その後、you tube で日本共産党志位和夫委員長の話を聞いた。「物品貿易協定(TAG)は」とはFTA(自由貿易協定)であると、英文の日米共同声明、日本の外務省訳、駐日アメリカ大使館訳とを記者たちに配布して説明していた。
私は興味を持った。早速、ネットで検索すると農業協同組合新聞(電子版)にヒットした。問題の箇所の英文と訳が載せてある。それが次のようなものである。
3. Japan and the United States will enter into negotiations,following the completion of necessary domestic procedures, for a Japan-United States Trade Agreement on goods,as well as on other key areas including services,that can produce early achievements.
(米国大使館)
3. 米国と日本は、必要な国内手続が完了した後、早期に成果が生じる可能性のある物品、またサービスを含むその他重要分野における日米貿易協定の交渉を開始する。
(日本国外務省)
3. 日米両国は,所要の国内調整を経た後に,日米物品貿易協定(TAG) について,また,他の重要な分野(サービスを含む)で早期に結果を生じ得るものについても,交渉を開始する。
「Japan-United States Trade Agreement on goods」を直訳すると確かに日米物品貿易協定になるが誤訳だ。その理由は「goods」の「g」が小文字で大文字になっていないからだ。この「goods」は「as well as」以下の言葉を意味している。
安倍総理はトランプアメリカ大統領と自由貿易協定を結び、アメリカの農産物を輸入する約束をしたのだ。なぜ正々堂々と安倍総理はアメリカと自由貿易協定を結んだというのを憚り、ウソをついたのか。その理由について志位共産党委員長は完結に述べていた。安倍総理は国会においてアメリカと自由貿易協定を結ぶ意図はないと発言しているからだと述べていた。
農業協同組合に結集する全国の農家の支持を維持するためのウソを安倍総理はついた。ネットの時代は恐ろしい。私のような末端の一国民も日米共同声明の英文、日本外務省訳、在日アメリカ大使館訳を知ることができる時代になった。ありもしない日米物品貿易協定なるものをつくりだし、国民にウソをつく。そのウソが国民にすぐさま指摘されてしまう時代になった。
旧ソ連時代「プラウダにイズベスチヤ(ニュース)はなく、イズベスチヤにプラウダ(真実)はない」という小咄、アネクドートがあったと聞く。今、日本の新聞、テレビにニュースはない。日本のニュースには真実はない」と言える状況になってきているのかもしれない。しかしネットがある。ネットで得られたニュースに対するリテラシーがあれば、真実を知ることができる時代がきいている。
ソ連が崩壊した理由は真実を国民が知ったからではないかと話を聞いた。ペレストロイカ、立て直しの中心の一つがグラスノスチ、情報公開であった。この情報公開によってソ連共産党は国民の支持を失った。日本にあっても情報公開が進めば自民党政権は国民の支持を失うのではないかと思う。
日本の報道の自由度、2018年度は世界180ケ国中67位、韓国は43位、アメリカは45位。日本に住んでいるとそれほど報道の自由度が低いように感じることはないが他国と比較すると自由な報道が行われていないことを知る。私は民主主義国日本に住んでいると思っている。自民党政権も自ら民主主義を標榜している。報道の自由があって初めて民主主義国と言える。報道の自由ランキング、世界で67位とは、実に低い。本当に日本は民主主義国なのかどうか、疑問だ。
国民にウソをつく総理大臣がいる国が日本だ。このような総理大臣がいることは自由な報道が行われていない証拠なのだろう。自由な報道が行われているなら安倍晋三氏のような人間が総理大臣でいられるはずないだろう。報道管制しているからこそ安倍晋三氏は総理でいられるのかもしれない。