シェッフェの一対比較(Scheffe's Paired Comparison)について。
前回と同じ、医療従事者の救命救急講習会でのAED使用に関するアンケート調査をしたとします。
A:誰でも使用出来るのが良い。
B:医師や救命救急士に限るべきだ。
C:間違っても安全であること。
シェッフェの一対比較ではアンケートを次の表1の様にまとめます。
表1:重要性の要素で集計したアンケート結果
重要 やや重要 普通 やや重要 重要
[A] 5 10 18 5 2 [B]
[A] 3 7 23 3 4 [C]
[B] 6 6 14 5 9 [C]
表1は、
AとBでの重要性は、
・「Aの方が重要が5人、やや重要が10人」
・「Bの方が重要が2人、やや重要が5人 」
・「普通(どちらとも言えない)が18人 」
AとCでの重要性は、
・「Aの方が重要が3人、やや重要が7人」
・「Cの方が重要が4人、やや重要が3人」
・「普通(どちらとも言えない)が23人 」
BとCでの重要性は、
・「Bの方が重要が6人、やや重要が6人」
・「Cの方が重要が9人、やや重要が5人」
・「普通(どちらとも言えない)が14人 」
であることを表しています。そして、重要性の重み付けを次により与えました。
重要度の重み付け係数
重要 やや重要 普通 やや重要 重要
4 2 0 -2 -4
AED 使用の重要性の認識に差があるかを見るのがシェッフェの一対比較です。
分析結果は図1の様に一次元上の Score の散布によって表すことが出来ます。
この様に、複数の対象を一対にして比較するのが一対比較法で、その集計結果から複数の対象の順位づけをおこなうことが出来ます。
看護研究や看護の現場で役立つ方法だと思います。