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各専門分野の統計技術、方法、テクニックなどを気ままに分かり易く例題をもとに解説します。

統計のコツのこつ(47)

2017-06-17 19:13:46 | 日記・エッセイ・コラム
前回の「R]による検量線の逆推定では「R」パッケージ(investr)の"invest()"による方法をご紹介しました。
そして、「直線回帰からの逆推定(95%信頼限界)」(前回の図1)での信頼限界(inversion interval)は、「192.88~220.67」となっています。
これは、FCA(Filler's Confidence Interval,1954)の式を用いていない様です。Fillerに付いては杉本典夫先生の下記webページに詳しく紹介されていますので、ご参照下さい。
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第13章 用量反応解析
http://www.snap-tck.com/room04/c01/stat/stat13/stat1301.html#note02
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ここでは、
Fiellerの式による"FCI"の結果と一致する「R」での1方法をご紹介しておきます(ただし、確証はありませんのでご注意ください)。
 
「R」プログラム
*********************************************
X<- c(50, 100, 200, 300, 400)
Y<- c(0.09, 0.15, 0.29, 0.42, 0.52)
dat<- data.frame(x=X, y=Y)
dat
library(investr)
mod <- lm(y ~ x , data = dat)
(res <- calibrate(mod, y0 = 0.29 , interval = "inversion", level = 0.95))
plotFit(mod, interval = "prediction", level = 0.95, shade = TRUE, col.pred = "red")
abline(h = 0.29, v = c(res$lower, res$estimate, res$upper), lty = 2)

出力結果
> res$lower
[1] 172.7452  
> res$estimate
[1] 206.8093
> res$upper
[1] 240.7984
*********************************************
 
それでは、今回の本題です。
前回・前前回と検量線(Calibration)についてご紹介してきました(すぐに役立つ統計のコツ, 83ページ参照)。
前回の例題の場合ですが、
検量線として、2次曲線からの逆推定はあまり良くありませんでした。
そこで、
図1の様な線形補完(linear interpolation)を適用して見ようと思います。
 
ここで言う線形補間は"折れ線グラフの線形補間"であり、線形多項式(一次式)による回帰分析を検量線として利用したもので、1つの方法としてご理解下さい。
 
図1 線形補間の検量線
 

 図2 MS-Excel による区間ごとの計算
 
 
図3 未知濃度(Ⅹ0)の計算
 

図4 エクセル関数式(図2、図3の計算式)
 

各区間を2点の直線で結び、その直線上にある吸光度(Y0)から濃度(X0)を推測する訳です。
検量線は直線であれば逆推定も容易ですが、RIA や EIA など曲線の場合も多々あります。
統計的方法を理解して、最も適切な方法を選ぶことが肝要かと思います。
自動分析機器の時代でもcalibration の方法を確認しておきたいものです。

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