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各専門分野の統計技術、方法、テクニックなどを気ままに分かり易く例題をもとに解説します。

統計のコツのこつ(52)

2017-07-10 10:50:12 | 日記・エッセイ・コラム
先のブログ「統計のコツのこつ(48)(49)」では、過去のCPK活性値のデータの一部を抜き出して、色々な回帰分析をご紹介しました。
別に、CPK活性値の統計学的な検討を目的とした訳ではなかったのですが、杉本典夫先生から級内相関(ICC)に関するご教示を頂きました。
ICCについては、杉本典夫先生の下記HPを見て下さい。
統計学入門-第5章(5.4 級内相関係数と一致係数)
http://www.snap-tck.com/room04/c01/stat/stat05/stat0504.html
 
ICCについて、解りにくいと思われた Viewers のためになるかどうか分かりませんが・・、ここでは、
ExcelでICCを筆算してみましょう。
 
例題は先の血清CPK活性値(図1)を用いてやってみます。
 
図1 血清CPK活性値(A1h:室温放置1時間、B1h:冷所保管1時間)
 
Excelでの方法:
Excel→データ→データ分析→分析ツール[分散分析:繰り返しのない二元配置]→
:入力範囲[$A$1:$C$21]、☑ラベル、α[0.05]、◎出力先「任意に決める」:→OK
 
この結果は、図2の分散分析表のようになります。
 
図2 血清CPK活性値(A1h:B1h)の二元配置分散分析表
 
 
 
図2の黄色セル部分(Within)は、次により計算で求めたもので出力されません。
Withuin[変動:=F4+F5、自由度:=G4+G5、分散:=F6/G6]
 
図2の各分散の値を用いてICC(図3)を求めます。

図3 各ICCの計算結果
 
 
 
図3の関数式は次の通りです。
 
 
 
以上の様に、
ICCにはCase1、Case2、Case3 の3種類があり、
・検者内信頼性:ICC(1,1)やICC(1,k)............一元配置変量モデル
・検者間信頼性:ICC(2,1)やICC(2,k)、絶対一致..二元配置変量モデル
・検者間信頼性:ICC(3,1)やICC(3,k)、相対一致..二元配置混合モデル
 
での信頼性の指標と言えるでしょう。
もし、
SPSSの環境があるなら、次により3つのICCの関係が良く分かるかも知れません。
・SPSS→分析→信頼性分析→OK→項目選択[A1h, B1h]→統計[☑級内相関]、モデル[一元配置変量]→続行→OK
 [Single Measure Intraclass Correration = 0.9151]、[Average  Measure Intraclass Correration = 0.9557]
・SPSS→分析→信頼性分析→OK→項目選択[A1h, B1h]→統計[☑級内相関]、モデル[二元配置変量][絶対一致]→続行→OK
 [Single Measure Intraclass Correration = 0.9155]、[Average  Measure Intraclass Correration = 0.9559]
・SPSS→分析→信頼性分析→OK→項目選択[A1h, B1h]→統計[☑級内相関]、モデル[二元配置変量][一致性]→続行→OK
 [Single Measure Intraclass Correration = 0.9253]、[Average  Measure Intraclass Correration = 0.9612]

未熟な筆者ゆえ、やさしく悦明することの難しさを感じています。
 
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