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各専門分野の統計技術、方法、テクニックなどを気ままに分かり易く例題をもとに解説します。

統計のコツのこつ(6)

2016-07-21 12:32:17 | 日記・エッセイ・コラム
 
このブログは「すぐに役立つ統計のコツ」(オーム社)の補足みたいなものです。統計学に名を残す偉人(異才)たちのエピソードも交えています。それでは、本書の10ページを開いて下さい。
 
「すぐに役立つ統計のコツ」の「第3章 2つの代表値の比較」(10ページ)です。
 
本書の例題(データ)は下記の情報統計研究所(HP)からダウンロード出来ますのでご利用下さい。

偉大な先人達は、AグループとBグループの平均値差の検定方法を発表しました。それが、あまりにも有名な「ステューデント」のt検定です。なのに、本書では「ウエルチ」のt検定を例題として取り上げています。
「ウエルチ」のt検定に付いては下記に詳しいと思いますのでご紹介しておきます。
 
The Generalization of Student's' problem when Several Differen Population Variance are Involved (B.L.Welch)
 
要するに、
「ステューデント」のt検定は正規性・等分散性(バラツキが等しい)の条件が付いていました。それでは、バラツキが等しくない非等分散のときはどうするのだ・・・、との疑問に対して「ウエルチ」が Welch's t-test を発表しました
(「統計学を拓いた異才たち」より)。
 
今日、「ステューデント」のt検定はロバスト(和訳:頑健)だから、少々のバラツキの違いは問題ないと主張する人々もいます。
一般的には、等分散性の検定をして非等分散なら「ウエルチ」のt検定を用いるとか・・・、多くの商用統計ソフトでは両方の結果を出力して判断を実践者にまかせている様です(これは後付けではないか・・、と思う人もいるでしょう)。
これには、筆者など統計の現場で日々分析に当たっている者は困ってしまいます。
 
 
 
 
そこで、
等分散かどうか分からないなら、まず「ウエルチ」のt検定をやってみる・・・、そして、実験計画や測定データを見直しても
なお、等分散と言えないなら積極的に「ウエルチ」のt検定を用いる・・、もし等分散なら用いる必要はないと言えます。
とくに、海外の学術誌の査読者は厳しい様ですね。
 
一つ注意すべきは、「対応あり」なのに「対応なし」のt検定をするのは大きな誤りにつながります。
 
次回は、
引き続き「すぐに役立つ統計のコツ 第3章」から ノンパラメトリック検定についてご紹介します。
 
情報統計研究はここから
 
 


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