ビジネスと統計(7)
前号(6)では移動平均により大根価格の変動を平滑化して全体のすうせい(趨勢)を見ました。
移動平均はMS-Excel の”折線グラフ”→”近似曲線の追加”→”移動平均”で描画しました。
”近似曲線の追加”には”指数近似(Y=ae^ bx)~累積近似(Y=ax^ b)”なども用意されています。
しかし、
これらの近似式は線形(直線)になるようにして計算されています(最小二乗法)。
今回は、
指数平滑法について、簡単にご紹介しましょう(指数近似ではありません)。
指数平滑法とは・・・、
例えば、
今までの大根価格から短期的な今後の大根価格を予測する時系列分析の1つです。
指数平滑の代表的な方法に、
周期性(季節的な変動)などを考慮したホルト・ウィンタース法(Holt-Winters method)が有名です。
それでは、
前号(6)の平成26年度の大根価格を例に”Holt-Winters method”を、データ解析環境「R]で行ってみましょう。
前号(6)の表1の表1のC列1行~C列28行のデータを使用する事にしましょう。
「R]では下記の関数により実行できます。
dat<- read.delim("clipboard", header=T)
dat
P <- ts(dat, start=1, end=27, frequency=1)
P.HW1<- HoltWinters(P, gamma=FALSE)
P.HW1
Pfit1<- P.HW1$fitted
ts.plot(P, Pfit1[,1], type="l", col=c(1:2), lty=c(1:2))
pre2<- predict(P.HW1, n.ahead=10)
ts.plot(P, pre2, type="l", lty=c(1:2), col=c(1:2))
実行結果を図1と図2に示します。
図1:大根価格の変動と指数平滑曲線
黒色実線が大根価格で赤色点線が指数平滑曲線であり、移動平均とよく似ています。
それでは、
短期の将来予測をして見てみましょう。
図2:大根価格の短期予測と95%信頼限界
縦破線から右の赤色実線が大根価格の予測値で、青色実線が95%信頼限界を示しています。
この様に、
指数平滑法では短期の将来予測が出来ます。なお、ここでは季節変動を考慮していません。
詳しい事は成書(専門書)を読まれると良いでしょう。
次回に続く!
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