写真家によるマヤの本である。奥書を見ると、著者以外に3人の協力執筆者がいるようだ。2001年3月出版の本。先般来、マヤ暦のサイクルの終わりに関係し、ちょっとしたブームになっている地球の終焉、滅亡論とは一線を画している。
以前からマヤ文明・文化およびマヤ暦に興味を持っているので、今までに何冊も読んできている。だが、マヤ遺跡についてこれだけ沢山の写真を掲載した本に出会ったのは初めてだ。
本書はマヤ遺跡探訪のための本であり、「写真で見るグァテマラ&ベリーズ見どころガイド」という見出しページがあるくらいなので、掲載されている遺跡所在地の数と紹介写真が今までに読んだ中では一番多かったことに納得する。ただし、寡聞にして・・・の類で、もっと多く取りあげている本があるかもしれないが・・・(ご存じでしたら、教えてください。)
本書は、グァテマラとベルリーズに所在する遺跡を取りあげているので、マヤ解説書に頻繁に登場するかの有名なテオティワカンやパレンケの写真は登場しない。それらの遺跡はメキシコに所在する遺跡だから、まあ当然である。メキシコにあるマヤ遺跡からするとまだあまり知られていない遺跡群が多いかもしれない。それ故に、まず新たに知るマヤ遺跡の楽しみがここにはある。
本書は次の8つの遺跡を掲載している。
グァテマラ:ティカル遺跡、キリグア遺跡、コパン遺跡(これはホンジュラス所在)
ベリーズ :シュナントゥニッチ遺跡、ラマナイ遺跡、アルトゥン・ハ遺跡
カルペチ遺跡、クエーリョ遺跡
マヤの写真集として、中米におけるマヤ遺跡の広がりを楽しめておもしろい!
遺跡の全景写真、クローズアップ写真、博物館展示のたくさんの発掘工芸品写真、マヤに住む人びとの生活風物写真など盛り沢山である。熱帯の青空に屹立する神殿群の写真は美しく、神秘的で古代への思いをかき立てる。ほんとに一度現地に行ってみたい!
本書には写真と併せて、遺跡全体の配置図、紹介遺跡の簡略な要点説明文が付されており、それが見どころガイドになっている。112ページには世界遺産に指定されている古アンティグアの写真が載っているのだが、コロニアル風のアーチから一直線に伸びる街路の先にアゲア火山がそびえている。なんと、富士山そっくりの山が見えるのだ。なんと・・・ビックリ!
ガイドブックなのでマヤ研究書のような専門性はないが、マヤについての一般的な概説が見開きの2ページで24項目、コラム風に記載されている。たとえば、
01. マヤ文明はどのようにして誕生したのか
05. マヤ文字が秘めた謎とは
07. マヤの社会のしくみとは
17. マヤに影響を与えた謎多き都市テオティワカン
23. マヤ文明はなぜ歴史から姿を消したのか
12. 工芸品に見るマヤの芸術
など、マヤ文明、マヤの社会と文化、その栄枯盛衰が大凡理解できるようになっている。その内容は、マヤ遺跡を見る上でのバックグラウンド知識になり、遺跡への興味を深める糧になるものである。
そして、さらに「マヤの叡智をのぞく」として2項目、「現代のマヤをのぞく」として2項目が記載されている。
写真を楽しむだけでなく、浅く広く、ベースとなる知識を入手でき、マヤを理解する入門書としても読みやすい本といえる。
巻末に28ページ分の「ひとり歩きのためのグァテマラ&ベリーズガイド グァテマラ&ベリーズトラベルDATA」というイエローページがある。いまでは、ちょっとデータが古くなっているかもしれない。まあ、このあたりは通常の観光ガイドブックの最新版をみれば補足できるだろう。
マヤ遺跡を写真で楽しみ、遠き熱帯の地、遠き古代に思いをはせ、楽しいひとときを過ごすことができた。
まずは本書でマヤ遺跡への写真旅行をしてみようではないか。
ご一読ありがとうございます。
付記
ネットでアマゾンを検索してみたら、著者は、ちゃんと『メキシコ/マヤ&アステカ 写真でわかる謎への旅』という本を土方美雄氏との共著で出版していた。2001年8月刊。

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ネット検索で、これらの遺跡にどれだけアクセスできるものか・・・・
ちょっとチャレンジしてみた。ご紹介として一覧にまとめてみる。
ティカル :ウィキペディア
ティカルの画像検索結果
ティカル :「ラテンアメリカ博物館」 K.Norizuki氏
「中米の遺跡」として、本書関連では、キリグアとコパンも載っています。
ティカル遺跡 :YouTube
キリグア :ウィキペディア
キリグア :「キリグア遺跡へようこそ!」N.Ebata氏
ここには、ティカルとアンティグアも載っています。
キリグア遺跡(1)遺跡公園と世界樹セイバ :「ヤスコヴィッチのポレポレBLOG」
シリーズでの記載(5回)。ティカル遺跡(12回)もありますね。
コパン :ウィキペディア
マヤ文明の古代都市、コパン遺跡 :AFBP BBNews
コパン遺跡の画像検索
ホンジュラス コパン遺跡 :Googleマップ
航空写真で見るとおもしろい。キリグア遺跡も見ることができます。
シュナントゥニッチ :ウィキペディア
シュナントゥニッチ遺跡 :「私の海外旅行」yucky氏
ここには、カルペチ、コパン、ティカル
LAMANAI :マヤ遺跡探訪
ここには、シュナントゥニッチ、アルトゥン・ハ、カルペチ、クエーリョも載っています。その他に本書未掲載のカラコル、セロス、サンタ・リタの遺跡も!
アルトゥン=ハ :ウィキペディア
アルトゥン・ハ遺跡 :「旅写真日記」miffy氏
アルトゥン・ハ遺跡 :flickr Google航空写真
日本人クルーズ船団体客とアルトゥン ハ遺跡を訪問出来ました。
:「セニュールナガモリのベリーズ便り」永森克己氏
Cahal Pech :From Wikipedia, the free encyclopedia
Cahal Pech A Day Trip Out Of Orange Walk, Belize
このサイトには、シェナントゥニッチ、ラマナイ、アルトゥン・ハも載っています。
Cahal Pech Maya Temples
Archaeology of Cahal Pech :Institute of Archaeology
Cuello :From Wikipedia, the free encyclopedia
Northern Belize - The Mayan archaeological site of Cuello.
Cuello Maya Ruin A Day Trip Out Of Orange Walk, Belize
Maya Archaeological Sites in Belize
MAYAN RUINS OF BELIZE
Institute of Archaeology HP
ついでに、附録として:
マヤ文明 :ウィキペディア
2012年人類滅亡説 :ウィキペディア
南東地域から見た古典期マヤ文明の「崩壊」 :「マヤ文明に挑む」中村誠一氏
-コパン王都からの視点-
マヤ文明に見られる美-メキシコの遺跡から- :金沢大学国際文化資源研究センター
密林の下に眠るマヤ文明の都市 :ナショナルジオグラフィクスニュース
この記事の下部にあるリストから関連コンテンツへのアクセスができます。
マヤ文明の崩壊は穏やかな降雨量減少が原因!? :「エコロジーオンライン」
マヤ神話 :「神話つまみぐい」 岡沢 秋氏
Maya mythology :From Wikipedia, the free encyclopedia
Popol Vuh : From Wikipedia, the free encyclopedia
マヤの暦 :「マヤ遺跡探訪」
マヤの暦法 :「マヤ世界」
マヤ暦とは? :日西翻訳通訳研究塾
Mayan calendar : From Wikipedia, the free encyclopedia
マヤ・アステカ神話の終末 :「フランボワイヤン・ワールド」草野 巧氏
「野生の科学」としての神話の論理 ~中南米先住民のコスモロジー~
マイクロソフトのパワーポイント資料です。 蛭川 立氏
(資料をダウンロードするか、そのまま開くかの選択がまず必要です。パワーポイントのソフトが必要です。)
マヤ文字 :ウィキペディア
マヤ聖刻文字 :「世界の文字」 中西印刷
マヤ文字の特徴
インターネットに有益な情報を掲載してくださった皆様に感謝します。

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(情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません。
その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)
以前からマヤ文明・文化およびマヤ暦に興味を持っているので、今までに何冊も読んできている。だが、マヤ遺跡についてこれだけ沢山の写真を掲載した本に出会ったのは初めてだ。
本書はマヤ遺跡探訪のための本であり、「写真で見るグァテマラ&ベリーズ見どころガイド」という見出しページがあるくらいなので、掲載されている遺跡所在地の数と紹介写真が今までに読んだ中では一番多かったことに納得する。ただし、寡聞にして・・・の類で、もっと多く取りあげている本があるかもしれないが・・・(ご存じでしたら、教えてください。)
本書は、グァテマラとベルリーズに所在する遺跡を取りあげているので、マヤ解説書に頻繁に登場するかの有名なテオティワカンやパレンケの写真は登場しない。それらの遺跡はメキシコに所在する遺跡だから、まあ当然である。メキシコにあるマヤ遺跡からするとまだあまり知られていない遺跡群が多いかもしれない。それ故に、まず新たに知るマヤ遺跡の楽しみがここにはある。
本書は次の8つの遺跡を掲載している。
グァテマラ:ティカル遺跡、キリグア遺跡、コパン遺跡(これはホンジュラス所在)
ベリーズ :シュナントゥニッチ遺跡、ラマナイ遺跡、アルトゥン・ハ遺跡
カルペチ遺跡、クエーリョ遺跡
マヤの写真集として、中米におけるマヤ遺跡の広がりを楽しめておもしろい!
遺跡の全景写真、クローズアップ写真、博物館展示のたくさんの発掘工芸品写真、マヤに住む人びとの生活風物写真など盛り沢山である。熱帯の青空に屹立する神殿群の写真は美しく、神秘的で古代への思いをかき立てる。ほんとに一度現地に行ってみたい!
本書には写真と併せて、遺跡全体の配置図、紹介遺跡の簡略な要点説明文が付されており、それが見どころガイドになっている。112ページには世界遺産に指定されている古アンティグアの写真が載っているのだが、コロニアル風のアーチから一直線に伸びる街路の先にアゲア火山がそびえている。なんと、富士山そっくりの山が見えるのだ。なんと・・・ビックリ!
ガイドブックなのでマヤ研究書のような専門性はないが、マヤについての一般的な概説が見開きの2ページで24項目、コラム風に記載されている。たとえば、
01. マヤ文明はどのようにして誕生したのか
05. マヤ文字が秘めた謎とは
07. マヤの社会のしくみとは
17. マヤに影響を与えた謎多き都市テオティワカン
23. マヤ文明はなぜ歴史から姿を消したのか
12. 工芸品に見るマヤの芸術
など、マヤ文明、マヤの社会と文化、その栄枯盛衰が大凡理解できるようになっている。その内容は、マヤ遺跡を見る上でのバックグラウンド知識になり、遺跡への興味を深める糧になるものである。
そして、さらに「マヤの叡智をのぞく」として2項目、「現代のマヤをのぞく」として2項目が記載されている。
写真を楽しむだけでなく、浅く広く、ベースとなる知識を入手でき、マヤを理解する入門書としても読みやすい本といえる。
巻末に28ページ分の「ひとり歩きのためのグァテマラ&ベリーズガイド グァテマラ&ベリーズトラベルDATA」というイエローページがある。いまでは、ちょっとデータが古くなっているかもしれない。まあ、このあたりは通常の観光ガイドブックの最新版をみれば補足できるだろう。
マヤ遺跡を写真で楽しみ、遠き熱帯の地、遠き古代に思いをはせ、楽しいひとときを過ごすことができた。
まずは本書でマヤ遺跡への写真旅行をしてみようではないか。
ご一読ありがとうございます。
付記
ネットでアマゾンを検索してみたら、著者は、ちゃんと『メキシコ/マヤ&アステカ 写真でわかる謎への旅』という本を土方美雄氏との共著で出版していた。2001年8月刊。

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ネット検索で、これらの遺跡にどれだけアクセスできるものか・・・・
ちょっとチャレンジしてみた。ご紹介として一覧にまとめてみる。
ティカル :ウィキペディア
ティカルの画像検索結果
ティカル :「ラテンアメリカ博物館」 K.Norizuki氏
「中米の遺跡」として、本書関連では、キリグアとコパンも載っています。
ティカル遺跡 :YouTube
キリグア :ウィキペディア
キリグア :「キリグア遺跡へようこそ!」N.Ebata氏
ここには、ティカルとアンティグアも載っています。
キリグア遺跡(1)遺跡公園と世界樹セイバ :「ヤスコヴィッチのポレポレBLOG」
シリーズでの記載(5回)。ティカル遺跡(12回)もありますね。
コパン :ウィキペディア
マヤ文明の古代都市、コパン遺跡 :AFBP BBNews
コパン遺跡の画像検索
ホンジュラス コパン遺跡 :Googleマップ
航空写真で見るとおもしろい。キリグア遺跡も見ることができます。
シュナントゥニッチ :ウィキペディア
シュナントゥニッチ遺跡 :「私の海外旅行」yucky氏
ここには、カルペチ、コパン、ティカル
LAMANAI :マヤ遺跡探訪
ここには、シュナントゥニッチ、アルトゥン・ハ、カルペチ、クエーリョも載っています。その他に本書未掲載のカラコル、セロス、サンタ・リタの遺跡も!
アルトゥン=ハ :ウィキペディア
アルトゥン・ハ遺跡 :「旅写真日記」miffy氏
アルトゥン・ハ遺跡 :flickr Google航空写真
日本人クルーズ船団体客とアルトゥン ハ遺跡を訪問出来ました。
:「セニュールナガモリのベリーズ便り」永森克己氏
Cahal Pech :From Wikipedia, the free encyclopedia
Cahal Pech A Day Trip Out Of Orange Walk, Belize
このサイトには、シェナントゥニッチ、ラマナイ、アルトゥン・ハも載っています。
Cahal Pech Maya Temples
Archaeology of Cahal Pech :Institute of Archaeology
Cuello :From Wikipedia, the free encyclopedia
Northern Belize - The Mayan archaeological site of Cuello.
Cuello Maya Ruin A Day Trip Out Of Orange Walk, Belize
Maya Archaeological Sites in Belize
MAYAN RUINS OF BELIZE
Institute of Archaeology HP
ついでに、附録として:
マヤ文明 :ウィキペディア
2012年人類滅亡説 :ウィキペディア
南東地域から見た古典期マヤ文明の「崩壊」 :「マヤ文明に挑む」中村誠一氏
-コパン王都からの視点-
マヤ文明に見られる美-メキシコの遺跡から- :金沢大学国際文化資源研究センター
密林の下に眠るマヤ文明の都市 :ナショナルジオグラフィクスニュース
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マヤ文明の崩壊は穏やかな降雨量減少が原因!? :「エコロジーオンライン」
マヤ神話 :「神話つまみぐい」 岡沢 秋氏
Maya mythology :From Wikipedia, the free encyclopedia
Popol Vuh : From Wikipedia, the free encyclopedia
マヤの暦 :「マヤ遺跡探訪」
マヤの暦法 :「マヤ世界」
マヤ暦とは? :日西翻訳通訳研究塾
Mayan calendar : From Wikipedia, the free encyclopedia
マヤ・アステカ神話の終末 :「フランボワイヤン・ワールド」草野 巧氏
「野生の科学」としての神話の論理 ~中南米先住民のコスモロジー~
マイクロソフトのパワーポイント資料です。 蛭川 立氏
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マヤ文字 :ウィキペディア
マヤ聖刻文字 :「世界の文字」 中西印刷
マヤ文字の特徴
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