◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

3月20日-21日

2014-03-20 07:29:23 | Weblog
3月21日

●桑本栄太郎
西空の豊かに蒼し春の宵★★★★
春の宵空は暮れ色に蒼い色がたゆたい、「ゆたかに蒼し」となって、たとえようもなく、柔らかく美しい。(高橋正子)

稜線の嶺くつきりと余寒風★★★
桜桃の蘂のかそけく青空に★★★

●小口泰與
あけぼのや日ののびていてつくつくし★★★★
「日ののびていて」が野原の草の萌え出た緑のやわらかさを想像させる。その中に土筆がのびて、あけぼのの冷たさのなかにすっくと立ちみずみずしい。(高橋正子)

上州の風の国原揚ひばり★★★
ばらの芽や赤子の指のやわらかし★★★

●河野啓一
相模より孫来阪す春彼岸★★★★
春分の朝日に躍る狭庭かな★★★
球児らの入場行彼岸かな★★★

●迫田和代
目の前で春駒踊り牧広く★★★★
「春駒踊り」は、白川郷や郡上などで踊られる伝統芸能のようであるが、詳しくは知らない。牧場を背景に、目の前で踊られると、迫力も違うことだろう。(高橋正子)

あと少し桜並木の桜かな★★★
紅梅や青空に向け高く咲く★★★

●高橋秀之
合唱の声高らかに卒業式★★★★
今は、卒業式に「蛍の光」や「仰げば尊し」は歌われなくなったと聞く。胸を張って声高らかに卒業歌を歌う。未来へと夢が膨らんで、あかるい卒業式風景だ。(高橋正子)

卒業式終えて笑顔の人だかり★★★
卒業式夢を語って胸を張り★★★

3月20日

●小口泰與
七十年浅間の雪解仰ぎおり★★★★
雪解の季節が巡って来、また暖かい春を迎えた。思えば幾年この雪解けの時を迎えたことだろう。生まれて七十年ずっと浅間を仰いできた生活。七十年の感懐である。(高橋正子)

つばくらの川くつがえる風の中★★★
かしましき声を降ろせり花見舟★★★

●祝恵子
子ら去りてふらここ軽くなりゆるる★★★★
子らが乗っていた間は、ぶらんこに子らの重さがある。子らが下りるとその重さがなくなり、ぶらんこは軽くゆれる。軽さがうららかで快い。(高橋正子)

路地路地に子の声遊ぶ春休み★★★
濃き色のヒカンサクラに目白鳴く★★★

●桑本栄太郎
地ひびきを立てて紅置く落椿★★★★
川べりを歩めば風の余寒かな★★★
日暮れれば淡き茜や春霞★★★
コメント (10)
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