2月23日(2句)
★鴨川のはるか北山はだれ雪/桑本栄太郎
四条大橋のたもとからの景色とのこと。鴨川は京都を代表する川だが、はるかにはだれ雪を冠った北山がある。京都を俳句で画に描いた。(髙橋正子)
★川波のきらめき揺るる春隣/土橋みよ
「春隣」には、「川波のきらめき揺るる」がかかっている。そんな春隣なのですよ、ということ。広やかで、おだやかな心境が感じられる句。(髙橋正子)
2月22日(2句)
★知らぬ間に春の雪の降りいたり/多田有花
春の雪が、いつともなく、気が付かない間に降っている。いかにも春の雪らしく、はかなさと、やわらかさが感じられる。(髙橋正子)
★雀らの啄む春の土匂う/森下朋子
「春の土匂う」が、いい。春になると、土までも生命力が増すのか、科学的には微生物などが活発になるせいだろうが、土の匂いがする。雀たちも群がって啄んでいる。早春の感じがよく出ている。(髙橋正子)
2月21日(1句)
★水脈長く引きて一羽の残り鴨/桑本栄太郎
一羽の残り鴨が長く引く水脈が、水面の広さと静かさを想像させてくれる。残った鴨に孤独感より、むしろ平淡な感じだ。(髙橋正子)
2月21日の今日の秀句に「水脈長く引きて一羽の残り鴨」の句をご添削の上お取り上げ頂き、過分なるご句評も頂戴しまして大変有難う御座います!!。
散策の途中に数日前行った徒歩20分の所にある池の鴨の様子を眺めに行きました。
最初池に着き目にした鴨は、たった一羽で池の真ん中を巣進んで、長い水脈を曳いて居りました。その奥の入り江には未だ数羽居りました。」
「われ知らぬ間に降りぬ春の雪」を
「知らぬ間に春の雪の降りいたり」へと添削の上2月22日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
こうして並べると「詩」とは何かがわかる思いがします。
瀬戸内は雪がほとんど降りません。今回の寒波でもわずかに雪が舞った程度でした。
「知らぬ間に降る雪」などとは、日に数度の雪かきに追われておられる豪雪地帯の方からは信じられないような話だと思います。