2月20日(6名)
小口泰與
古語辞典割って楽しも春の夜★★★
星飛ぶや我が産土は四方山★★★★
星飛ぶや我が産土は四方山★★★★
「星飛ぶ」は、秋の季語です。(髙橋正子)
春の沼水面へ鳥の急降下★★★
春の沼水面へ鳥の急降下★★★
多田有花
<兵庫津を歩く>
菜の花の沖を北前船がゆく★★★★
<横溝正史生誕地>
浅春やメビウスの輪の絡み合う★★★
風の音高まる夜なり余寒なお★★★
菜の花の沖を北前船がゆく★★★★
<横溝正史生誕地>
浅春やメビウスの輪の絡み合う★★★
風の音高まる夜なり余寒なお★★★
上島祥子
春昼や甍眩しく空の青★★★★
春夕日手を振り合って下校の子★★★★
流行のスカート短く春の雪★★★
春夕日手を振り合って下校の子★★★★
流行のスカート短く春の雪★★★
桑本栄太郎
木々の枝の剪り口白し冴返る★★★
剪定を終えて並木のちんちくりん★★★
頑なに赤きつぼみや丘の梅★★★
剪定を終えて並木のちんちくりん★★★
頑なに赤きつぼみや丘の梅★★★
土橋みよ
放つ手に温もり残し鴨空に★★★★
鴉去り雀さざめく冬の庭★★★
鴉去り雀さざめく冬の庭★★★
弓削和人
桟橋の静かに朽ちる春浅し★★★★
ねじれ松春雪を積みなおねじれ★★★
ねじれ松春雪を積みなおねじれ★★★
湖の果白鳥二羽の湖上翔ぶ(原句)
湖の果白鳥二羽の湖を翔ぶ(正子添削)
湖の果の景色なのに、「湖上」が強調され、近影として目に映ります。それで「湖上」を「湖(うみ)」としました。(髙橋正子)
2月19日(6名)
(今日から森下朋子さんが参加されます。よろしくお願いします。髙橋正子)
小口泰與
山風に耐えてほかほか春の木木★★★
写真機に振り回されし春野かな★★★
庭の木へ春日を与え鳥与え★★★★
写真機に振り回されし春野かな★★★
庭の木へ春日を与え鳥与え★★★★
廣田洋一
春の川大口開ける鯉の群★★★
残り鴨数を増やせり街の川★★★
鯉の列横に見ながら春の鴨★★★
残り鴨数を増やせり街の川★★★
鯉の列横に見ながら春の鴨★★★
森下朋来子
お地蔵の傾くもすそに福寿草(原句)
お地蔵の傾きもすそに福寿草(正子添削)
福寿草苔むす野仏傾きて(原句)
福寿草苔むす野仏傾けり(正子添削)
サァ散歩老犬老女山笑う(原句)
サァ散歩老犬老女に山笑う(正子添削)
桑本栄太郎
春の夢きみの面影いま一度★★★
今朝もまた戸外真白や春の雪★★★
晴れいても路面濡れ居り風花す★★★
今朝もまた戸外真白や春の雪★★★
晴れいても路面濡れ居り風花す★★★
多田有花
<兵庫津を歩く三句>
おかげさまなり二月の七福神★★★
早春の兵庫を巡りオムライス★★★
春陽さす高田屋嘉兵衛の店跡に ★★★
おかげさまなり二月の七福神★★★
早春の兵庫を巡りオムライス★★★
春陽さす高田屋嘉兵衛の店跡に ★★★
弓削和人
白鳥のつがい湖畔の春を告ぐ★★★
春寒の渚の澄みて湖の砂
春寒の渚の澄みて湖の砂
「渚の澄みて」と「湖の砂」との関係は?(髙橋正子)
雪間より根の黒ぐろと隠れけり
「隠れけり」は何が隠れているのですか。(髙橋正子)
2月18日(5名)
小口泰與
山川へ朝日を与え百千鳥★★★
早も来て三國峠や帰る雁★★★
木木の芽や園児の声の数多なる★★★★
早も来て三國峠や帰る雁★★★
木木の芽や園児の声の数多なる★★★★
土橋みよ
枯葉舞う中に一羽の冬ツグミ
「枯葉」は冬の季語なので、「冬ツグミ」は「ツグミ」だけにします。
枯葉舞う中に一羽のツグミいて(正子添削)
下野国一社八幡宮
二羽の鴨温もり残し寒の空
「鴨」は冬の季語です。「寒の空」と季節が重なりますので、これは避けましょう。「温もり」はどこに残っているのでしょうか。鴨はどこにいるのでしょうか。(髙橋正子)
多田有花
<能福寺・兵庫大仏>
二月空背負い大仏の座せり★★★
<神戸事件・滝善三郎墓所>
春浅き国を守りし命かな★★★
<平清盛墓所>
平相国廟みな春の夢と消え★★★
二月空背負い大仏の座せり★★★
<神戸事件・滝善三郎墓所>
春浅き国を守りし命かな★★★
<平清盛墓所>
平相国廟みな春の夢と消え★★★
桑本栄太郎
コキコキと竹林騒ぐ余寒風★★★
未だその気貌にあらざり残り鴨★★★★
老いて尚矜持のつぼみ梅古木★★★★
未だその気貌にあらざり残り鴨★★★★
老いて尚矜持のつぼみ梅古木★★★★
上島祥子
歳時記のカバー改め涅槃の日★★★
月命日遅れる知らせ涅槃の日★★★
白梅の一輪明るき空の下★★★★
月命日遅れる知らせ涅槃の日★★★
白梅の一輪明るき空の下★★★★
2月17日(5名)
小口泰與
春の沼梢に二羽の翡翠よ★★★
日を受けて紅ばらの紅褪せにけり★★★
春の雪遊び遊びて消えにけり★★★
日を受けて紅ばらの紅褪せにけり★★★
春の雪遊び遊びて消えにけり★★★
多田有花
<兵庫津を歩く三句>
春淡き七福神へ詣でけり★★★
法皇の愛でし大輪田泊の春★★★
春空へ聳ゆ清盛塚仰ぐ★★★
春淡き七福神へ詣でけり★★★
法皇の愛でし大輪田泊の春★★★
春空へ聳ゆ清盛塚仰ぐ★★★
桑本栄太郎
こつ然と帽子剥ぎ取る春疾風★★★
廃校を報すポスター冴返る★★★
たぷたぷとさざ波寄する春の池★★★
廃校を報すポスター冴返る★★★
たぷたぷとさざ波寄する春の池★★★
廣田洋一
見て見てと白さを誇る梅の花★★★
声残し二羽の鶯飛び去りぬ★★★
バックヤード雪崩を誘うスキーヤー★★★
声残し二羽の鶯飛び去りぬ★★★
バックヤード雪崩を誘うスキーヤー★★★
土橋みよ
見上げればツグミの影や冬の葉よ
「冬の葉」は具体的にはどんな葉でしょうか。
また、「ツグミの影や」と切れ字の「や」に詠嘆の気持ちがあります。「冬の葉よ」の「よ」にも詠嘆の気持ちがあります。どちらを主として言いたいのでしょうか。(髙橋正子)
下野国一社八幡宮
奉納の鳥舞い立ちぬ霞立ち★★★
2月16日(5名)
小口泰與
片翅を鮮やかに立て春翡翠★★★
朝夕の浅間よろしき春の雪★★★
赤城より木木を鳴かすや春疾風★★★
朝夕の浅間よろしき春の雪★★★
赤城より木木を鳴かすや春疾風★★★
廣田洋一
白き雲棚引きており春の空★★★
最後の鶯餅を買いにけり★★★
うららかや順番待ちの滑り台★★★
最後の鶯餅を買いにけり★★★
うららかや順番待ちの滑り台★★★
多田有花
<兵庫津を歩く>
春めくプロムナード六甲連山遥か★★★
<ノエビアスタジアム神戸二句>
開幕を待つ早春のスタジアム★★★
春早し二冠のカップ飾りおり★★★
春めくプロムナード六甲連山遥か★★★
<ノエビアスタジアム神戸二句>
開幕を待つ早春のスタジアム★★★
春早し二冠のカップ飾りおり★★★
桑本栄太郎
春光の煌めき降りぬ大原野★★★
春耕の媼もんぺや畑仕事★★★
集落の甍まぶしき春日かな★★★
春耕の媼もんぺや畑仕事★★★
集落の甍まぶしき春日かな★★★
弓削和人
残雪や闇路のさきにつづきおり★★★★
春寒を支える雪の屋根ばかり★★★★
つきぐもり田沢湖のみの道しるべ★★★
春寒を支える雪の屋根ばかり★★★★
つきぐもり田沢湖のみの道しるべ★★★
2月15日(6名)
小口泰與
一枝より春翡翠の果敢なり★★★
朝に日に浅間は白し梅の花★★★★
卓袱台に若き娚や春の夕★★★
朝に日に浅間は白し梅の花★★★★
卓袱台に若き娚や春の夕★★★
廣田洋一
堰落ちる水の細きや冴え返る★★★
恋猫やまたも破れて縁側に★★★
スノーボード知らずに起こす雪崩かな★★★
恋猫やまたも破れて縁側に★★★
スノーボード知らずに起こす雪崩かな★★★
弓削和人
凍返るそっと晴間の憩いかな★★★
鷹化して鳩となる日の出羽の明け★★★
白きもの羽織り啓蟄眠りおり★★★
鷹化して鳩となる日の出羽の明け★★★
白きもの羽織り啓蟄眠りおり★★★
桑本栄太郎
集落の甍きらめき風光る★★★
前掛けの媼もんぺや春の畑★★★
こぼこぼと泡の芥や春の堰★★★
前掛けの媼もんぺや春の畑★★★
こぼこぼと泡の芥や春の堰★★★
土橋みよ
梅咲いて程村紙に筆初めし★★★
梅咲いて俳句求める旅始む★★★
草津温泉旅行(にて)→「にて」を省いた方が前書きがすっきりします。
梅咲いて俳句求める旅始む★★★
草津温泉旅行(にて)→「にて」を省いた方が前書きがすっきりします。
春霞にモルゲンロートの溶けゆけり(原句)
春霞モルゲンロートの溶けゆけり(正子添削)
多田有花
兵庫津を歩く三句
春暁海辺のハイキングに向かう★★★
うららかや古き車両の顔を見る★★★
春浅き空を映せる兵庫運河(原句)
春暁海辺のハイキングに向かう★★★
うららかや古き車両の顔を見る★★★
春浅き空を映せる兵庫運河(原句)
「兵庫運河」の「兵庫」がどのくらい効いているか、です。そこがおしい。(髙橋正子)
2月14日(4名)
小口泰與
朝な朝な春翡翠の沼へ来し★★★
ものの芽や我を育てし幾山河★★★
絶え間なき犬の遠吠え朝まだき
ものの芽や我を育てし幾山河★★★
絶え間なき犬の遠吠え朝まだき
季語がある方がいいと思います。(髙橋正子)
廣田洋一
まず一献鱵の刺身当てにして★★★
工事用宿舎の庭や猫の恋★★★★
駅前の托鉢僧や冴え返る★★★
工事用宿舎の庭や猫の恋★★★★
駅前の托鉢僧や冴え返る★★★
土橋みよ
梅開くメールを辞めて筆を持つ(原句)
この句のよいところは、「梅開く」と「筆を持つ」です。俳句は短いので「今」を読みます。「メールを辞めて」は、読み手に想像させます。この句では、無駄な表現になります。(髙橋正子)
梅咲きて新しい手帳買い求む★★★★
梅咲いて言の葉紡ぐ旅始む(原句)
「言の葉紡ぐ旅」は読み手にはよくわかりませんので、それが何かを率直に言うのがいいです。(髙橋正子)
桑本栄太郎
西山の谷のあたりやはだれ雪★★★
紅梅のつぼみふふまる真紅かな
「ふふまる」はこれでよろしいですか。(髙橋正子)
春宵の茜のこりぬ嶺の端に★★★
2月13日(6名)
小口泰與
山門へ一礼するや犬ふぐり★★★
戸に出づや天煌煌と朝月夜(原句)
戸を出づや天煌煌と朝月夜(正子添削)
沼の水さらさら鳴いて蕗の薹★★★
廣田洋一
残る鴨小さき鴨の揃いおり★★★
土手の道ふわと踏みたる春の草★★★★
大鱵釣り上げし子の自慢顔★★★
土手の道ふわと踏みたる春の草★★★★
大鱵釣り上げし子の自慢顔★★★
多田有花
春満月レグルス歩みを進めおり★★★
東向き墓は春陽を浴びて立つ★★★
バレンタインお茶うけにハートのチョコレート★★★
東向き墓は春陽を浴びて立つ★★★
バレンタインお茶うけにハートのチョコレート★★★
土橋みよ
梅咲いてメールを辞めて電話断つ
梅が咲いたとき、メールや電話を断って、楽しいことや気づいたこと、驚いたことなどありましたか。それを句に詠むとよいのではないででょうか。
透き通るヤリイカ添えて冬の膳(原句)
透き通るヤリイカのある冬の膳(正子添削)
目の前の事物をしっかり写生すると、読んだときその情景が目に見えるようなります。(髙橋正子)
冬嵐枝は揺れども鳥澄ます(原句)
「揺れども」の「ども」は理由や理屈を言ってしまうことになるので、避けましょう。(髙橋正子)
冬嵐揺れいる枝に鳥が澄み(正子添削)
桑本栄太郎
夜もすがらおらび声聞く春一番★★★
残雪のいまだ見え居り峰の谷★★★
樹木ごと大きく揺るる春疾風★★★
残雪のいまだ見え居り峰の谷★★★
樹木ごと大きく揺るる春疾風★★★
弓削和人
房総の春一番を受けて発つ★★★
たちまちに雲の間よりの春一番★★★
春一番開けたる眼を探しけり★★★
たちまちに雲の間よりの春一番★★★
春一番開けたる眼を探しけり★★★
2月12日(6名)
小口泰與
春の日の当たる方へと雀達★★★
庭に来る雀数多や春夕日★★★
一十の雀集うや春の庭★★★
庭に来る雀数多や春夕日★★★
一十の雀集うや春の庭★★★
廣田洋一
能登の町白一色に冴え返る★★★
春の雪予報通りに積りけり★★★
山裾の温泉宿や通雪崩★★★
春の雪予報通りに積りけり★★★
山裾の温泉宿や通雪崩★★★
土橋みよ
花手水悴む手よりすり抜ける★★★★
流れ来る淡き光や冬渡良瀬★★★
酒粕に砂糖一振り寒の朝★★★
流れ来る淡き光や冬渡良瀬★★★
酒粕に砂糖一振り寒の朝★★★
多田有花
二月早や明るきうちに夕餉とす★★★★
ちくわ切る丸き形の並ぶ春★★★
予定表に抜けのありけり春の雨★★★
ちくわ切る丸き形の並ぶ春★★★
予定表に抜けのありけり春の雨★★★
桑本栄太郎
くもりいて雨かみぞれか春浅し★★★
<近鉄小坂駅>
駅前に鉢植えならべ菜の花忌★★★★
咲きそろうカランコエとや室の花★★★
<近鉄小坂駅>
駅前に鉢植えならべ菜の花忌★★★★
咲きそろうカランコエとや室の花★★★
弓削和人
残寒やぬくとき室にアイス欲し★★★
「ぬくとき」は「温とい」の連体形。「ぬくとき室」は「あたたかい部屋(あたたかく心地良い部屋」の意味。主に関西地方で使われる。(髙橋正子)
安濃津に帰りて診てり二月雪(原句)
安濃津に帰りて見たり二月雪(正子添削)
雪を「診る」と使うのは少し疑問があります。
「安濃津」は「津」市の古称。
「二月雪」は「にがつせつ」あるいは「にがつのゆき」と読ませます。(髙橋正子)
湖の靄に毀れる二月の陽★★★★
湖の靄に毀れる二月の陽★★★★
2月11日(5名)
小口泰與
あけぼのの風豊かなり冴え返る★★★★
朝日差す春の榛名へ鳥向かう★★★
早春の冷気浴びけり沼の端★★★
朝日差す春の榛名へ鳥向かう★★★
早春の冷気浴びけり沼の端★★★
廣田洋一
曲がりたる松の木切りて建国の日★★★
庭石の白々として春寒し★★★
電車もバスも閉じ込め春の雪★★★
庭石の白々として春寒し★★★
電車もバスも閉じ込め春の雪★★★
多田有花
翩翻と日章旗あり建国日★★★
口中に二月のチョコレート溶ける★★★
サイドミラーに早春の光あり★★★
口中に二月のチョコレート溶ける★★★
サイドミラーに早春の光あり★★★
桑本栄太郎
恐るおそる凍道歩く散歩かな★★★
へんぽんと建国の日の日章旗★★★
楽をなしトタン屋根より雪解水★★★
へんぽんと建国の日の日章旗★★★
楽をなしトタン屋根より雪解水★★★
土橋みよ
吹かれゆく我が影長し矢場の冬★★★
しもつかれ温まりゆく里の冬★★★
しもつかれ温まりゆく里の冬★★★
「しもつかれ」は北関東の郷土料理なのですね。(髙橋正子)
焼き芋の立ち上る湯気ガラス越しに★★★
2月13日の投句(山門へ)の句を(山門へ一礼するや犬ふぐり)に訂正をよろしくお願い申し上げます。
「梅咲いて」については、句を良くするためにどう考えればよいかをご助言頂き有難うございます。この句を直すことから始めたいと思います。「透き通る」と「冬嵐」については、写生がよくできていなかったことがよくわかりました。これからは写生をしっかりするよう心がけます。添削して頂いたものは原句とはまったく違っていることもよくわかりました。また、作った句が理屈を言っているかどうかチェックしたいと思います。その前に、俳句を作るときには、理屈を思い浮かべないよう心掛けたいと思います。わかりやすくご指導有難うございました。
「春浅き空を映せる兵庫運河」
『「兵庫運河」の「兵庫」がどのくらい効いているか、です。』とのご指導をいただきありがとうございます。
確かに、どこを歩いたとの「場所」を句に入れることだけを考えていた気がします。
それでは説明であって、詩ではなくなってしまいますね。
「春霞に」の「に」はなくても意味が通じるし、ない方が情緒があるということかと推測しました。助詞を入れるか入れないか、入れるとすれば何が最適かよく考えて投句したいと思います。
何度も初歩的なミスをしてしまい言葉もありません。
>添削お礼... への返信
どこかに夢中になると、ほかのとこをつい忘れてしまうのは、私も同じです。あまりミスとかを気になさらないでください。私も気づいたその都度何かもうしあげるかもしれません。
>みよさんへ/返信... への返信
正子先生
優しいお言葉をかけていただき有難うございます。