映画について何の前知識もなく観ました。
日曜の地上波で山田洋次監督作品「おとうと」。
恥ずかしながら、私は山田監督の「寅さんシリーズ」を観たことがないのです。
この世代としてはおそらく少数派でしょうね。
でもテレビドラマの「泣いてたまるか」は大好きでした。
当時は小学生だったんですが、あの哀愁を帯びた主題歌と
なんだか切ないストーリーに引き込まれて
毎週日曜日の夜8時からのオンエアを楽しみにしていました。
さて、「おとうと」。
鶴瓶、素晴らしいですね。
坂田三吉の物語を延々としゃべり出して小春の結婚披露宴をぶちこわすシーン。
ああ、さすが本業は落語家なんだよな、と思わせるあの語り口。
あの暴れっぷりも、素でやってるんじゃないの?とニヤニヤしながら見入ってました。
蛇足ですが、SMAPの中居くんがカメオ出演してたシーンでは
思わず「世界仰天ニュースかっ!」と呟いてしまいました。。。
ストーリーはもうご存じでしょうけれど
町の薬局を女手ひとつで経営している「お姉ちゃん」と
大阪で何をしてるかわからない(自称「大衆劇の役者」と「たこ焼き屋」)
あかんたれの「おとうと」。
子供の頃からお姉ちゃんがおとうとの尻ぬぐいをし続けています。
お姉ちゃんはいつもおとうとのことを心配して
おとうとはいつまでたってもお姉ちゃんに甘えっぱなし。
吉永小百合演じる「お姉ちゃん」は
おとうとがどんなに迷惑をかけても激高せず
静かな口調で諭し
おとうとを責める実兄や娘には、盾になって庇います。
姉と言うよりは母親のようです。
甘やかして育てたからこんな人間になってしまったんだ、と
兄(小林稔持)はお姉ちゃんに怒りをぶつけます。
この兄についての詳細は明らかにされていませんが
お姉ちゃんの娘がエリート医師と結婚する際に
いろいろ骨を折ってくれたというお姉ちゃんの言葉から
医療関係者なんだなと推測されます。
そしてお姉ちゃんは薬剤師。
と言うことは、年齢から考えて
2人ともエリートコースを歩んできたんだということがわかります。
そこから、お姉ちゃんの亡夫の言葉
「君たちふたりは、彼を踏み台にしてきたように思える。
たまには彼に花を持たせてあげようじゃないか」と
おとうとを娘の名付け親にさせた意味につながります。
そんな仏様のようなお姉ちゃんですが
おとうとが借金を肩代わりさせた同棲相手の女性のことを
「あいつは頭弱いねん、アホやねん」と罵倒した時は
激高してひっぱたきます。
お姉ちゃんに叩かれたのは初めてだったのかもしれませんね。
おとうとも逆ギレして出て行きます。
昔のホームドラマを再現したストーリーかと思いきや
終盤は通天閣界隈のホスピスに舞台が移り
ターミナルケアについても観客に考えさせる構成になっています。
お姉ちゃんの娘はエリート医師と結婚しますが、ほどなく離婚します。
離婚前、お姉ちゃんが娘の夫と話し合いの場を持ちますが
夫は感情のかけらもない無機質な人間として描かれています。
娘と面と向かって話してくれ、と頼まれると
「面と向かって話すってどういうことですか?
せめて質問を箇条書きにしてくれたら、ひとつひとつ答えられるんですけど」
と答えるぐらい冷淡です。
それと対比させるように、西成のホスピスの医師を登場させています。
大病院の冷淡なエリート医師と
西成の個人経営のホスピスで儲けもなく働く人々。
やっぱ山田洋次監督はこの対比を描きたかったんでしょうかね。
出演者、みんなよかったですよ。
特に鶴瓶は秀逸でした。
吉永小百合の大阪弁はびっくりした!
私ら大阪出身者は、大阪弁にうるさいんですよ。
関西以外の人が大阪弁をしゃべると、アクセントが違うのですぐわかるんです。
で、大阪人は
「なにこの大阪弁!気色悪う~。背中こそばなる~!」
と嫌悪感を抱くのですが
吉永小百合の大阪弁は、よく研究されたなという感じで、心の中で拍手しました。
小林稔持の大阪弁はうまいなあと思ってたら、関西出身なんですね。
ホスピスの入居者役で、青空あきおが出てるやん、と思ったら
今は「横山あきお」という名前なんですね。
歳がバレバレです。
いい映画でした。
でも気になったことがあります。
お姉ちゃんが大阪のおとうとに会いに行く時に乗ってた新幹線。
あれって、東海道新幹線の車両じゃないんでは…?
ひょっとして東北新幹線?
シートの色が…。
あと、
ガンで絶命寸前の患者って、あんなに意識あるのか?
私も父親と祖母をガンで亡くしましたが
まったく意識なくて、ただ呼吸の荒さはすごかったです。
見てるだけで息苦しかったですが
医師が言うには「辛そうに見えますが、本人はそんなに苦しくないんです」とのことでした。
まあ、ガンでもいろんな最期があるのかもしれません。
姑役の加藤治子、いい味出してましたね。
「いい歳して、お姉ちゃんお姉ちゃんって、バカみたい」。
wwwww
日曜の地上波で山田洋次監督作品「おとうと」。
恥ずかしながら、私は山田監督の「寅さんシリーズ」を観たことがないのです。
この世代としてはおそらく少数派でしょうね。
でもテレビドラマの「泣いてたまるか」は大好きでした。
当時は小学生だったんですが、あの哀愁を帯びた主題歌と
なんだか切ないストーリーに引き込まれて
毎週日曜日の夜8時からのオンエアを楽しみにしていました。
さて、「おとうと」。
鶴瓶、素晴らしいですね。
坂田三吉の物語を延々としゃべり出して小春の結婚披露宴をぶちこわすシーン。
ああ、さすが本業は落語家なんだよな、と思わせるあの語り口。
あの暴れっぷりも、素でやってるんじゃないの?とニヤニヤしながら見入ってました。
蛇足ですが、SMAPの中居くんがカメオ出演してたシーンでは
思わず「世界仰天ニュースかっ!」と呟いてしまいました。。。
ストーリーはもうご存じでしょうけれど
町の薬局を女手ひとつで経営している「お姉ちゃん」と
大阪で何をしてるかわからない(自称「大衆劇の役者」と「たこ焼き屋」)
あかんたれの「おとうと」。
子供の頃からお姉ちゃんがおとうとの尻ぬぐいをし続けています。
お姉ちゃんはいつもおとうとのことを心配して
おとうとはいつまでたってもお姉ちゃんに甘えっぱなし。
吉永小百合演じる「お姉ちゃん」は
おとうとがどんなに迷惑をかけても激高せず
静かな口調で諭し
おとうとを責める実兄や娘には、盾になって庇います。
姉と言うよりは母親のようです。
甘やかして育てたからこんな人間になってしまったんだ、と
兄(小林稔持)はお姉ちゃんに怒りをぶつけます。
この兄についての詳細は明らかにされていませんが
お姉ちゃんの娘がエリート医師と結婚する際に
いろいろ骨を折ってくれたというお姉ちゃんの言葉から
医療関係者なんだなと推測されます。
そしてお姉ちゃんは薬剤師。
と言うことは、年齢から考えて
2人ともエリートコースを歩んできたんだということがわかります。
そこから、お姉ちゃんの亡夫の言葉
「君たちふたりは、彼を踏み台にしてきたように思える。
たまには彼に花を持たせてあげようじゃないか」と
おとうとを娘の名付け親にさせた意味につながります。
そんな仏様のようなお姉ちゃんですが
おとうとが借金を肩代わりさせた同棲相手の女性のことを
「あいつは頭弱いねん、アホやねん」と罵倒した時は
激高してひっぱたきます。
お姉ちゃんに叩かれたのは初めてだったのかもしれませんね。
おとうとも逆ギレして出て行きます。
昔のホームドラマを再現したストーリーかと思いきや
終盤は通天閣界隈のホスピスに舞台が移り
ターミナルケアについても観客に考えさせる構成になっています。
お姉ちゃんの娘はエリート医師と結婚しますが、ほどなく離婚します。
離婚前、お姉ちゃんが娘の夫と話し合いの場を持ちますが
夫は感情のかけらもない無機質な人間として描かれています。
娘と面と向かって話してくれ、と頼まれると
「面と向かって話すってどういうことですか?
せめて質問を箇条書きにしてくれたら、ひとつひとつ答えられるんですけど」
と答えるぐらい冷淡です。
それと対比させるように、西成のホスピスの医師を登場させています。
大病院の冷淡なエリート医師と
西成の個人経営のホスピスで儲けもなく働く人々。
やっぱ山田洋次監督はこの対比を描きたかったんでしょうかね。
出演者、みんなよかったですよ。
特に鶴瓶は秀逸でした。
吉永小百合の大阪弁はびっくりした!
私ら大阪出身者は、大阪弁にうるさいんですよ。
関西以外の人が大阪弁をしゃべると、アクセントが違うのですぐわかるんです。
で、大阪人は
「なにこの大阪弁!気色悪う~。背中こそばなる~!」
と嫌悪感を抱くのですが
吉永小百合の大阪弁は、よく研究されたなという感じで、心の中で拍手しました。
小林稔持の大阪弁はうまいなあと思ってたら、関西出身なんですね。
ホスピスの入居者役で、青空あきおが出てるやん、と思ったら
今は「横山あきお」という名前なんですね。
歳がバレバレです。
いい映画でした。
でも気になったことがあります。
お姉ちゃんが大阪のおとうとに会いに行く時に乗ってた新幹線。
あれって、東海道新幹線の車両じゃないんでは…?
ひょっとして東北新幹線?
シートの色が…。
あと、
ガンで絶命寸前の患者って、あんなに意識あるのか?
私も父親と祖母をガンで亡くしましたが
まったく意識なくて、ただ呼吸の荒さはすごかったです。
見てるだけで息苦しかったですが
医師が言うには「辛そうに見えますが、本人はそんなに苦しくないんです」とのことでした。
まあ、ガンでもいろんな最期があるのかもしれません。
姑役の加藤治子、いい味出してましたね。
「いい歳して、お姉ちゃんお姉ちゃんって、バカみたい」。
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