私の中ではロック映画と言えば長い間
「ロッキーホラーショー」のことでした。
たまたまWOWOWで観た
「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」が
その概念を覆しました。
2002年に日本で公開された時は
ストーリーをまったく知らなかったんですが
新聞の広告を見て
なんかむちゃくちゃかっこよく感じて
すごく観たくなったんですね。
だけど映画館が近くにないんで
観たい観たいと言ってるうちに終了してしまういつものパターン。
「少年メリケンサック」も観たかったのに観られなかった。
長男は観たというのに。
(「えっ観てないの?オレ観たし~♪」と自慢された。くそぉ)
田舎は不便だ ヽ(`Д´#)ノ
この映画
オープニングからしてかっこいいですね。
ヘドウィグが腕を広げて(上の画像)
「Tear Me Down」を熱唱します。
この曲、すげーロックロックしてるじゃないですか。
この時点で、ロック好きな人はノックアウトですね。
もう最後まで観なきゃいかんだろこれは!って気にならざるを得ません。
私はこの曲が一番好きです。
主人公のヘドウィグは
不幸続きのかわいそうな人なんですが
一番不運だったのは
性転換手術を受けた1年後に
東西ドイツが統一したことです。
ストーリーをご存じない方に説明させていただきますと
ヘドウィグは旧東ドイツ国民でして
駐留していたアメリカ軍人(男だよ)と恋に落ちます。
恋人がアメリカに帰るとき、ヘドウィグもついて行こうとするのですが
当時ドイツは東西に分断されていて
東ドイツ国民は渡米できませんでした(実際はどうだったか知りませんが)。
しかしアメリカ人と夫婦ならば、渡米が可能です。
そこでヤミ医者のもとで
性転換手術をするのですが
失敗して、男性器が1インチ残ってしまったのです。
これが「アングリー・インチ(怒りの1インチ)」なのですね。
この手術に際して
ヘドウィグ自身は戸惑ってて、乗り気ではなかったように見受けられました。
恋人と、何故かヘドウィグの母親が「切っちゃえ切っちゃえ」てなノリで勧めてましたね。
それでも夫婦として渡米したのに
1年後、夫は新しい恋人(これも男)と出て行ってしまいます。
傷心のヘドウィグの目に飛び込んできたのは
ベルリンの壁が崩壊するテレビの映像。
ドイツ統一。
渡米するのを1年待てば
手術する必要なかったじゃないの~。
自由に渡米できたのにねえ。
まったく不運なヘドウィグ。
その後
音楽活動をするヘドウィグですが
若い恋人トミーに自作の曲を全部盗まれ
トミーは一躍人気シンガーに。
ざけんなよ!とばかりに
ドサ回り営業をしながらトミーを追いかけるヘドウィグ。
そんなヘドウィグを
哀しそうな目でみている「夫」イツハク。
でもラストのコンサートのシーンは感動的で
イツハクが観客席にダイブしてドラァグクイーンの姿になるところは
思わず拍手拍手です。
この時ヘドウィグが歌う「Midnight Radio」がまた素晴らしい!
監督であり主演でもあるジョン・キャメロン・ミッチェルは
俳優なのに歌うまいですねえ。
しかしこの映画で
唯一納得できないのは
ヘドウィグとイツハクが結婚するいきさつのシーンを
すべてカットしていることです。
このシーンはすごく重要なのに
まるまるカットしてしまうって
そりゃいかんでしょう。
カットしてしまったせいで
なぜイツハクがヘドウィグのカツラをいつも愛おしそうに見つめているか
なぜラストのコンサートのシーンで
イツハクがドラァグクイーンに変身したか
意味不明じゃないですか。
「歌姫」と呼ばれたイツハクの艶姿も観られないし。
特典つきDVDではカットされたシーンも観られますが
ここはカットしちゃだめですよ。絶対。
WOWOWで観て以来、半年ぐらいは
当時小学生だった次男と就寝前に
このDVDを観るのが習慣になっていました。
次男もこの作品が好きで
「Wig In A Box」(通称「カツラの歌」)に合わせて歌ったり
ベルリンの壁崩壊のシーンでは
「もう1年早けりゃよかったのにねー」と残念がったり
カエルの子はカエルだなあと納得させられたものです。
この映画に使われている曲は
全部イイ!です。
サントラは「買い」ですから
映画が素晴らしいと思われた方は
ぜひお買い上げください。
って私CD屋じゃないですけどね。
2004年に三上博史主演の舞台を次男と観に行きました。
三上博史って演技はうまいけど歌はどうなのかなと思ってましたが
歌うまいんですね!
これにはびっくりでした。
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