デヴィッド・ボウイの5作目『ジギー・スターダスト』(1972年)は、おそらく、デヴィッド・ボウイの最高傑作であり、ロック史の中で最高到達点に昇り詰めた作品であると思います!
また、このモンスターのようなアルバムは、ザ・ビートルズの『サージェント・ペイパー・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のコンセプト性と、ザ・ローリング・ストーンズの『スティキー・フィンガーズ』のグルーヴ感の2面性を持ち備えた屈強の内容になっています。
A面
1曲目<5年間>ジョン・レノンの”マザー”の感じで、重くヒステリックな内容の歌詞!美しいストリングスでデコレイトされ、どんどん昇天して行き、”5年間”と歌われ行きます。
2曲目<魂の愛>前曲の混沌から、間髪入れずに、始まる曲です。本当にソウルなLOVEソングです。サビからの展開がギターとユニゾンしてかっこいいです。間奏のサックスはボウイ自身か?
3曲目<月世界の白昼夢>僕らは、白昼夢なんて見ることがあるのだろうか?まして、月の世界での出来事なんて・・・間奏からの離脱感が聴きどころ!月夜のギター空間で、ボウイのパントマイムが始まります。
4曲目<スターマン>ヒット性のある覚えやすい曲!サビ部分は美しいと感動します。艶やかなボウイの歌声はまさに超人であるかのようだ!
5曲目<イット・エイント・イージー>ちょっとひねりがある曲です。この楽器はなんだろう?チェンバロかな・・・サビ部分のコーラスが重厚である。
B面
1曲目<レディ・スターダスト>B面は、ロックン・ロール・ショウの始まりである!先ずは、レディ・スターダストの登場です。”マジンガーZ”で言うと”ビーナスA”になるのかな?この曲のミソは、なんと言ってもピアノの美しさでしょう!
2曲目<スター>間髪入れずに、ロックの導火線に火がついた感じの曲がこの”スター”です。最後のスローダウンも聴きどころです。
3曲目<君の意のままに>この畳みかけるロックの渦潮!焦りがあるような慌ただしさですよ!スライド・ギターがいいですね!
4曲目<ジギー・スターダスト>アルバム・タイトル曲。イントロのギター・フレーズはロック史における世界遺産でしょう!危機迫る曲の展開に翻弄されながら、いよいよクライマックスに達して行きます。
5曲目<サフラジェット・シティ>大好きなカリフォルニア・チキンの曲です。”HYE・MEN!”ここまで来たら、もう、開き直るしかないかな?
6曲目<ロックン・ロールの自殺者>静かに、厳かに、ロックは終わる!
ジョン・ライドンは、「ロックは死んだ」と言い捨てた!
ボウイの指は、この時、どこを、しめしたのかな?
まだ、ロックは死んでいないのだ・・・