今日は「成人の日」、これも新年の季語です。
昭和23年、「大人になったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝い励ます」日として、1月15日が国民の祝日に制定されました。長年それに慣れ親しんできた私には、平成12年、ハッピーマンデー法によって1月の第二月曜になったこと、未だにピンとこないんです。外に出て晴着姿などを見るとはじめて…ああ~今日は成人の日なんだ~と気がつくぐらい。敬老の日や体育の日などもそうで、何十年と親しんできたものからはなかなか抜けられませんね。
成人の日の大鯛は虹の如し 水原秋櫻子
『殉教』から。秋櫻子70歳代の句ですから、きっとお孫さんの成人の日を詠まれたのでしょう。「鯛」も「虹」もみな〝メデタシ〟。これ以上ない祝福の気持ちをこのように表されたんですね。だって孫は〝目に入れても痛くない〟とか言いますもの。
昨日〝七草粥〟を食べなかったので、今朝作りました。母が生きていたときはいつもお正月に帰ったとき、一緒に畑へ摘みに行ってました。全部は無理なので、ほうれん草とかふだん草などの青菜を代用して七つに揃えてくれました。懐かしい思い出です。昨年はスーパーで…ここには農業高校がありますので、その生徒たちが丹精した〝七草〟を買いましたが、今年はバタバタしていて買い忘れ…。そこで我家流のなんでもありの七草粥です。
七種やあまれどたらぬものも有り 千代女
母のこゑ足して七草揃ひけり あざ蓉子
すずな(蕪)・すずしろ(大根)・なずな(ぺんぺん草)・ごぎょう(母子草)・はこべ…ここまでは何とか我家でも揃うんですが、芹はないんです。どこかに摘みにいかないと…。そこで、昨日の話から「ん」のつくものを入れようと探したら、ありました。「しゅんぎく」でもこれは一つ…そこで「にんじん」「れんこん」…ああ、「きゃべつ」も…そうキャベツは「甘藍(かんらん)」と言うんですからね。もう〝てんこ盛り〟です。これで今年の運を、いただきま~す!
実は昔から実家の七草粥には〝鮭〟と〝餅〟も入っていました。それは父から伝えられたものなんです。お正月だけでなく、いろいろなしきたりを大事に守って来た父でしたから、母もそれをまた私たちに繋いでくれたんですね。アリガタイコトです。
これは〝万両〟、冬の季語。ヤブコウジ科の常緑の草本性小低木。夏に咲く花よりも実の美しさを賞して、〝千両〟などと同様、冬枯れの庭などに色をそえる目出度いものとして珍重されています。