今日は朝から真っ青に晴れあがった快晴の〝こどもの日〟。今まで何十回とこの日を迎えましたが、そんなに辛いという想い出はなかったような気がします。それぞれの実家が離れていましたので、この大型連休はそのどちらかへ出かけていました。ふるさとへ行けばそこには父や母がいて…わが子とともに自分たちも童心へ帰れたそんな楽しい一日でした。それが…今年のような〝こどもの日〟は初めて!外出自粛なんて…、私たちのような高齢者はまだいいとしても(いやホントはよくないけど…笑)、若者や子どもたちにとっては本当にかわいそうです。
雨降れば雨にドライブ子供の日 稲畑汀子
子供の日子供の声を聞きに出る 元田千重
本来なら、雨が降っても子どもたちのためにどこかへドライブをし、子供のいない老人はせめて元気に遊び回る子どもたちの健やかな声を聞きに外出するという…こんな光景が今年は全国から全く消えてしまったのですから、〝異常〟というしかないですよね。
月刊俳誌「馬酔木」で、私が毎月選句・講評をしている「あしかび抄」に〝ジュニアの部〟がありますが、今月その中に次のような〈ウイルスで右おう左おうの春のくも〉という句がありました。小学校2年生になったばかりのHちゃんの句なんですが、先月は〈早すぎるはる休みにはよろこべず〉と詠んでいました。
このように子供心にも今回のような休校がうれしいものではないと、春の雲でさえ困っているんだと思うんですものね。現役の頃の私は〝いつもこんなに休みばっかりあったらいいのに〟と、この大型連休がとてもうれしかったのですが、今回のような緊急事態宣言下での長~い休校なら、それを喜んでいるのは誰一人としていないでしょう。人生では〝平凡〟の有り難みがよくいわれますが、今回のような非常事態下におかれては〝平常〟というものがどんなに幸せかということを身をもって感じさせられますね。
外に出たとき、このこどもの日には付き物の「鯉のぼり」が泳いでいました。でも何だか今年は鯉のぼりも心から喜んで泳いでいないような…こんなによい天気なのに。しかし、きっと一日も早いコロナの終息を願って泳いでいるはずですし、それが子どもたちの明るい未来へつながっているのだと思っているに違いありません。鯉のぼりも子どもたちも…元子どもだった人たちも、み~んなガンバレ!
写真は、我が家の〝無花果(いちじく)〟です。無花果はその実が秋の季語ですが、「無花果の芽」といえば春になります。だからこの無花果は葉が出るとすぐに実ができました。恐らくこのままでは大きくならずに落ちてしまうでしょう。去年もそうでしたから。ああ、秋に食べられるようになるのは何時のことでしょう。まるで子供の成長を願うみたい…。でも無花果は成長すれば必ず食べられますが、子どもたちは〝煮ても焼いても食えない〟大人にだけは成長しないでほしいものです。そういえば、先頃行った八重山諸島のどの島にも里芋の葉によく似た〝クワズイモ〟という植物が、道路の脇にはびこっていて困ると、ガイドさんが仰っていましたよね。(笑)