今日も朝から梅雨前線の停滞で、断続的に強い雨が降り、宇部をはじめ山口県の各地には土砂災害発生の恐れがあると言うことで避難勧告が発令されました。大雨、洪水警報に雷注意報まで出されて、JRも宇部線、小野田線、美祢線などで運転見合わせ、高速道路も通行止めの所があちらこちらと…とにかくいろいろなところに影響が出ています。
それで今日は外出を止め、おとなしく家で溜まった仕事や片付けなどをして過ごしましたが、テレビは一日中オウム真理教の松本智津夫死刑囚ら七人の死刑執行のニュースと集中豪雨の災害ばかりを報道していました。それを見ると福岡・山口だけでなく京都など、日本列島各地で記録的な大雨だということ…。
家の中もこのまま降り続ければもう黴だらけになりそう。ああ~イヤダ、イヤダ!洗濯物も溜まって困ります。更に先日の停電の原因となったエアコンは毀れたままで、電気店に頼んでも取り付けは16日になるという、サッパリですよ。
ところで、先日FAXに訃報が入ってきました。馬酔木の大先輩千手和子さんが6月28日に亡くなられていて、葬儀などは近親者のみでもう済まされたというお知らせでした。
入院加療中ということも全く知りませんでした。以前は馬酔木の行事などでお会いしたり、通信句会でもご一緒したりしていましたが、最近はお会いする機会が殆どなくなっていました。私が第一句集『風聲』を出版したときは、「馬醉木」に選評を書いて載せて下さったし、第二句集を差し上げたときは、礼状がもう書けないので電話でご免なさいねと掛かってきて、いろいろお話ししたのが昨年の暮れでした。それが最後になってしまいました。本当に話好きな先輩で誰にでも気安く話して下さり、私のような新参者とも電話で話し込んでアッという間に時間が経ってしまったことも度々ありました。
先月出された「馬酔木」7月号に以下の五句が掲載されていましたので、そんなに具合が悪いとは夢にも思っていませんでした。同人の投句は15日が締切なので、7月号は5月15日のもの。もしかしたら6月の分も投句されているとしたら今度の8月号に載るでしょうね。
遠山に雲湧きつげり初幟
武者幟葡萄の丘を統べて立つ
菖蒲湯や事多き世にかく生きて
同じ日の来る幸せや桐の花
話また昔に戻る葛ざくら
日常の生活詠を淡々と詠まれて、どれも和子さんらしい句ばかりです。今までの人生を振り返り、平凡な一日一日を「同じ日の来る幸せ」と諾う穏やかな心情、さらに「話また昔に戻る」という古きよき時代…とはいってもきっと青春時代は戦中戦後で辛いことが沢山あったでしょうが、今はみなよい思い出ばかりが残り、それに包まれて食べる…「葛ざくら」が何ともやさしいですね。
そういえば、以前「みどりの日」のタイトルで書いたブログ(平成29年5月4日)に和子さんの句を取り上げたことがありました。
昭和史のおほかたを生きみどりの日
来年の4月で平成も幕を閉じますね。だとすれば、さしづめこの句は〈昭和平成おほかたを生き…〉というべきかも…
本名石山和子、昭和3年5月27日東京生、横浜市在住。昭和28年馬醉木入会、水原秋櫻子に師事。昭和41年中断、平成2年復帰して、水原春郎に師事。平成5年馬醉木新樹賞受賞。平成6年馬醉木同人。平成25年馬醉木賞受賞。享年90歳。合掌。