おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です
黄帝内経素問 瘧論篇 第三十五
第八節
帝曰。夫經言。有餘者寫之、不足者補之。今熱爲有餘、寒爲不足。夫瘧者之寒、湯火不能温也。及其熱、冰水不能寒也。此皆有餘不足之類、當此之時、良工不能止。必須其自衰、乃刺之、其故何也。願聞其説。
岐伯曰。經言。無刺熇熇之熱。無刺渾渾之脈。無刺漉漉之汗。故爲其病逆未可治也。
夫瘧之始發也、陽氣并於陰。當是之時、陽虚而陰盛。外無氣。故先寒慄也。陰氣逆極則復出之陽。陽與陰復并於外、則陰虚而陽實。故先熱而渇。夫瘧氣者并於陽則陽勝、并於陰則陰勝。陰勝則寒。陽勝則熱。瘧者風寒之氣不常也。
病極則復。至病之發也、如火之熱、如風雨不可當也。故經言曰。方其盛時、(1)必毀⇒勿敢必毀。因其衰也、事必大昌、此之謂也。
夫瘧之未發也、陰未并陽。陽未并陰。因而調之、真氣得安、邪氣乃亡。故工不能治其已發。爲其氣逆也。
(1) 必毀 太素に勿敢必毀に作る。此に従う。
毀・原文の毀のヘンは臼の下に工となっている。
東洋学術出版社素問は、必毀
語句の意味 2-2
逆=ぎゃく。①病が成ること。<素問湯液醪醴論>「今良工皆、称して病成ると曰う。名づけて逆という。」②脈象。<素問平人気象論>「人の胃気なきを逆という。逆する者は死す。」<傷寒論平脈法>「水行りて金に乗じ、火行りて水に乗ず、名づけて逆という。」③順の反対。④逆治のこと。
外=がい。病位用語。内(ない)に対していい、身体浅表部をいう。表よりは内部でやや含む部位が広い。⇒内外(ないがい)。
不常=一定ではない。
方其盛時、必毀
鍼灸医学大系
方其盛時、勿敢必毀
そこで新校正によると、<太素經>では「方其盛時勿敢必毀」とあることを述べている。これならよく意味は通じるし前後の関係から見ても妥当な文句である。そこでここは、<太素經>の文句に従うことにした。
*方其盛時は、「其の盛んなる時に方(あた)りては」と訓読すべきであろう。
敢=カン。アエて。おして。しいて。むやみに。みだりに。おしきって。おもいきって。アエてする。しいて行なう。積極的な行動をする。敢行。
東洋学術出版社素問
方其盛時必毀
其の盛んなる時に方りては必ず毀(こぼ)たる
鍼灸医学大系 (語句の解)
事=事とはつまり「治療の効果」のこと。
昌=ショウ。サカン→盛。サカリ「―明」。よい。美しい。美言。善言。昌言。適当。きりょうがよい。明解漢和辞典
鍼灸医学大系(語句の解)
昌の原義は「明るい」意を含むものである。
漢方用語大辞典、鍼灸医学大系、東洋学術出版社素問
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