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黄帝内経素問 瘧論篇 第三十五 第八節 訳

2014-01-23 09:00:00 | 日記

おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です

黄帝内経素問 瘧論篇 第三十五

第八節

 帝曰。夫經言。有餘者寫之、不足者補之。今熱爲有餘、寒爲不足。夫瘧者之寒、湯火不能温也。及其熱、冰水不能寒也。此皆有餘不足之類、當此之時、良工不能止。必須其自衰、乃刺之、其故何也。願聞其説。

 岐伯曰。經言。無刺熇熇之熱。無刺渾渾之脈。無刺漉漉之汗。故爲其病逆未可治也。

 夫瘧之始發也、陽氣并於陰。當是之時、陽虚而陰盛。外無氣。故先寒慄也。陰氣逆極則復出之陽。陽與陰復并於外、則陰虚而陽實。故先熱而渇。夫瘧氣者并於陽則陽勝、并於陰則陰勝。陰勝則寒、陽勝則熱。瘧者風寒之氣不常也。

 病極則復。至病之發也、如火之熱、如風雨不可當也。故經言曰。方其盛時、勿敢必毀。因其衰也、事必大昌、此之謂也。

 夫瘧之未發也、陰未并陽。陽未并陰。因而調之、真氣得安、邪氣乃亡。故工不能治其已發。爲其氣逆也。

必毀 太素に勿敢必毀に作る。此に従う。

毀・原文の毀のヘンは臼の下に工となっている。

東洋学術出版社素問は、必毀

 黄帝が申されました。

 経典に、有余の者は之を寫し、不足する者は之を補うとある。今有余は熱で、不足は寒であるという。瘧する者は寒して、湯や火を用いても温めることはできないという。熱する者は、氷や水の冷たいものでも冷やすことはできないという。これは皆有余と不足の類であろうが、まさにこの時に、良医であっても止めることは出来ないという。必ずその病が自然に衰えるのを待って之を刺鍼するという、そのわけは何故であろうか、どうか聞かせてくれんか。

 岐伯が申し上げました。

 経典に、熱の甚だしいものは刺鍼してはいけない。乱れた脈のものは刺鍼してはいけない。汗が止まらぬものに刺鍼してはいけない。このような場合に刺鍼すると逆効果(下線部鍼灸医学大系)となり治すべき状態にないのです。

夫瘧之始發也、

 瘧の經過をみるに、(鍼灸医学大系)

瘧疾が初めて発作するときには、(東洋学術出版社素問)

陽気が陰に并するこの時に、陽が虚して陰が盛んになり、陽が虚すために外部は気が無くなり、先ずガタガタ震えるようになります。陰気が逆して極まると復た陽に出て行きます。陽と陰が復た外部に并し、陰が虚してしまうため陽が実となります。そのように陽が実して熱となり渇するようになります。瘧気は陽に并すると陽が勝ち、陰に并するときは陰が勝ち。陰が勝つと冷え、陽が勝と熱となります。瘧は風〔()は陽気()( 陽気)〕寒〔()は陰気()( 陰気)〕の気が一定ではありません。

 病が極まると復す、もどるのです。病が発したならば、火のような熱となり、

 

如風雨不可當也

鍼灸医学大系(通解)

其の寒は風雨の驟至して、何とも手のつけようもない状態となります。

東洋学術出版社素問【現代語訳】

狂風暴雨のように迅速であるので、対処すべきではありません。

 

故に経典に病が盛んなときに、おしきって必ず病を破壊するようなことはしてはならないとあります。その病が衰えてきたならば、治療法は優れて適当であるとこのことをこういっているのです。

 瘧が未だ発病していないときに、陰はまだ陽に并しない、陽も陰に并しない、このようなときにてらし合わせ治療することにより、生命力と抵抗力は安定し、邪氣は滅びるのです。故に医師といえどもは病が発してしまってからでは治することはできません。其れは気が逆となるからです。

 

毀=キ。ソシる=訾。けなす。人を悪くいう。わる口をいう。ヤブる→破。コボつ。コワす。破壊する。明解漢和辞典

 

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