おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です
薬学博士渡辺武著『漢方が救う人体危機』
現代医療の誤りを正す
第2章 漢方はどう診断するか
水滞(水毒症)の原因とその対症法
p143腎臓の働きをよくするには塩分を摂り水分を小便で出すことだ!
〝紺屋(こうや)の白袴(しろばかま)〟という諺があります。
他人のことで忙しくして自分のことをかまっていられない譬(たと)えです。
名古屋のある公立病院副院長のS博士は泌尿科部長でありながら、自分の専門の腎臓と胃腸の疾患で、この十年間名古屋じゅうの名医にかかってきましたが、気分がすぐれないので漢方薬でいい薬はないだろうか、と私に相談に来られました。
対座するなり右手を出されるので、「漢方流に脈をとるのですか」とS博士の手をとって脈をみると、右の寸口の脈は女性脈、つまり頭のほうに血流が少なく、左下半身に多くの血流が偏在していることを物語っています。
これは腎臓機能が悪いので血流がそちらばかり応援していて、腎臓が働いていないことを示しています。
「あなたの左腎臓は働いていませんね」というと、S博士は驚いた顔で、
「どうしてかわりますか」
ときいてきました。
「脈がそれです」
と答えると、じつは左の腎臓は切り取ってしまったというのです。
右の腎臓だけでは、食べたものの消化した水分を全部出せず、胃や腸にたまってじゃぶじゃぶになり、消化ができないで発酵(はっこう)して腐敗することになりかねません。
おまけに欧米流に腎臓病には塩分は禁物というわけで、塩分を摂(と)っていないというのです。
そこでまず、胃腸の消化吸収を助けるために、胃には甘い薬、腸には辛(から)い薬を与えること、胃腸管に停留している水毒を体外に排除する利水薬を加えた「桂枝加苓朮附湯」と腎機能を助ける「八味腎気丸」を併用することをすすめました。
問題なのは、腎臓病には塩分は禁物という西洋医学をそのまま鵜呑みにして、塩分を極度に摂っていないことでした。
ヨーロッパやアメリカでは、室内が乾燥していて常食の肉類から塩分を摂っているし、体質的に塩分なしでも水分を気体化して鼻や口や皮膚から出しているので、腎臓が悪いと塩分を食べなくてもいいのです。
ところが、日本は湿気が多く、澱粉(でんぷん)と野菜という水分の多い食事をするので塩分がなければ小便は出せない、そのうえ、皮膚からどんどん発散できない環境と気候風土のなかにいます。水分代謝ができないから、胃腸の中に停留する結果になるのです。
そのうえ、S博士のように腎臓が一つしかないと、塩分がないといっそう働きが悪くなります。
真水では小便は出ないのです。三度三度の食事を摂りながら、中間に飲み物を飲んで、一日の小便回数が二、三度というのは、胃腸がいつも洪水(こうずい)状態で異常であるということなのです。
少なくとも腎臓の働きのためにふつうに塩分を摂って、水分を小便で五~六回はたっぷり出す必要があると説明しました。
S博士は泌尿科の専門医師です。
最初は半信半疑だったようですが、処方した漢方薬を飲んで塩分と香辛料を摂っているうちに、すっかり体調を回復して漢方薬についてたいへんな信頼をもたれるようになりました。
これは漢方がとくに腎臓治療にすぐれているということではありません。
腎臓が悪いからといって、腎臓だけの治療をして治癒(ちゆ)しても、他の臓器に異常が起こります。
全体として腎臓をとらえる胃とか腸とか、他の臓器と関連しているということなのです。
肝臓とか腎臓というのは、〝肝腎かなめ〟の言葉どおり、肝臓は解毒作用と肉体の栄養を貯蔵し、肉体を維持する為に必要なたいせつな器官です。
腎臓は排水をつかさどるところ、副腎とか副腎皮質ホルモンは、生命力とか意志力を支配しています。
都市に譬えれば、肝は公害局であり、腎は下水道局みたいなものです。
人間の他の器官とたいへんに密接な関係にあるのです。
ゴールド三養茶は発芽ハトムギを主成分として、特殊製法でエキスを抽出顆粒にした理想的な健康飲料です。
簡単にお湯にとけますので、ご家族の健康食として手軽にお飲みいただけます。
ハトムギの成分を十五倍に濃縮した、ゴールド三養茶をお好みの濃さに合わせて美味しくお召し上がり下さい。
250g 8,400円
500g 15,750円