予約を取りながら、先行上映で見損ねてしまった『日日是好日』を観てきた。
「茶道とは、まずカタチを作り、あとから心を入れて行く...」
その一貫したテーマに、フェリーニの『道』が絡んでいたり、僕のグダグダな日常の清涼剤的な作品だった。
樹木希林は、僕の中では永遠の浜さん(時間ですよ の役どころ)である。今作でも、一度筋書きを飲み込んだ上で、徹頭徹尾がアドリブではないかと思える自然体であり、いまどきの言葉を借りれば、その所作はもはや神レベル。そして今は仏様であるのだが。
黒木華は、真面目で理屈に偏る、不器用な女子を演じる。この女優は、普段も役通りの人なんじゃ?と思わせる女神様領域の演技であった。
ハマさんとハルちゃんコンビは、最初で最後。
役の上でも、女優力の上においても、師弟を思わせる作品でした。
樹木希林、鬼気迫らずにシリアスさを出せる究極の役者であった。