神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[SF] 星新一 一〇〇一話をつくった人

2009-04-30 23:10:04 | SF
『星新一 一〇〇一話をつくった人』 最相 葉月 (新潮社)



(C)新潮社


第28回日本SF大賞、第39回星雲賞ノンフィクション部門受賞を受賞した、星新一の伝記。

出版が2007年の3月で、SF大賞受賞は2008年。その当時買ったまま、1年以上(?)積読にしてしまっていました。

星新一といえば、日本SF第1世代の重鎮で、ショートショートの名手。SFファンでなくても中高生時代に誰でも一度は通る道。小松左京は読んだこと無くても、星新一は読んだことがあるでしょ。

個人的には、実はそれほど思い入れのある作家ではなく、ショートショートという文学形態もちょっと苦手かも。なおかつ、この手の人物系ノンフィクションは眠くなる。

まぁ、そんなわけで塩漬けになっていたのですが、積読消化週間なので読んでみました。

星新一が生まれてから亡くなるまで。まさに、揺りかごから墓場までの伝記。そこには、父である星一との関係や、星製薬の御曹司から若社長、そして会社を追われるまでの様子など、SF系のイベントや雑誌で見せる姿とは異なる星"親"一の姿がありました。

SFファンとしては、星氏が"新"一になるまでの人生が彼のショートショートに与えた影響などを論じてみるべきなのかもしれないが、残念ながらそこまで彼の作品に詳しくありません。どちらかというと、彼を取り巻くSF文壇(?)の人々、手塚治虫、福島正実、柴野拓美、矢野徹、野田昌宏などの面々とのエピソードの方が興味深いです。ただ、そちらの方面への興味が先に立ってしまうと、割と有名なエピソードが多くて、ちょっと物足りないでしょうか。

ただ、2007年のSF大会での柴野氏や小松氏のスピーチで披露された逸話と、この作品に収録されている逸話が被ってしまっているのは、最相氏の取材で、または本になったこの作品を読み返して、記憶が呼び覚まされたからのことだったのかもしれませんね。

SF第1世代の人々というのは、何もない戦後の焼け野原に、SFという未踏の荒野を見つけ、いちから日本SF界を作り上げただけの眼と行動力がありました。それだけに、誰の伝記を読んでも豪快だったり、奇矯だったり、いろいろすごいことになっていそうです。

とりあえず、日本のSFファン第1号である矢野徹氏、テレビ製作の名の下にやりたい放題をやった野田昌宏氏(←誇張あり)の伝記は、ぜひ読んでみたいものです。


大地のトカゲは頭がでかい

2009-04-30 19:35:45 | Weblog
今日は平日ですが、会社が休みなので、上野の国立科学博物館に行ってきました。
『大恐竜展 知られざる南半球の支配者』

きっと休日なら親子連れでえらいことになっているんでしょう。入り口前に、待ちの時間看板がありました。今日はなんと0分待ち。9:30くらいに入ったんですが、結構ガラガラ。

これまであまり研究の進んでいなかった、ゴンドワナ大陸系の恐竜化石の展示と解説ですが、実物化石よりもレプリカが多くて、質感がいまいち。なんか作り物っぽい。それでも、5、6メートルあるメガラプトルとか、マプサウルスの親子とかは結構な迫力。

フラッシュ無しなら写真もOK(動画NG)ということだったので、何枚か撮ってみたんですが、フルオートだとシャッタースピードが遅すぎてどれもブレブレ。露出調整でもすればよかったのかな。

最後にはホンモノの竜脚類の化石に触れるゾーンとかもあって、満足満足。化石は多孔質なので、舐めると普通の石と違うのがすぐわかるという話だけれど、さすがに舐めたら怒られそうだったのでやめた。

今日一番印象が強かったのは、翼竜タペジャラの頭骨。どう考えても、それデカクない? それ、バランスおかしいって。

そういえば、白亜紀後期の肉食恐竜、今回の展示だとマプサウルス(大地のトカゲの意味)とかも、頭骨の比率がおかしい。尻尾をいれないと、3頭身とか4頭身なんじゃね。そんな頭支えてたら、肩凝ってタマランだろ。

特別展示の後で、常設展示の馬鹿でかい絶滅哺乳類も見たけど、いくらデカクなっても頭部の比率はそんなに違和感あるほどデカクは無いと思う。比率的には水牛系の頭が一番デカイだろうか。

恐竜は進化して鳥類になったとはいうけれど、鶏も駝鳥も猛禽も、どれも頭はちいさくてシャープなかっこよさがある。あの頭でっかちな肉食竜はどうしてこうなってしまって、そして、どんな鳥類に進化したんだろうか?

そんなことを考えていると、ふと思い出した。
きっとハシビロコウに進化したんだよ(笑)