『曲がれ! スプーン』 上田誠 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
日本のSF界を拡大路線で独走する“Jコレ”。以前にSF短歌集『抒情の奇妙な冒険』なんてのも収録しているが、今度は戯曲集だ。
映画2本の原作となった舞台脚本を収録。
『曲がれ! スプーン』と『サーマータイムマシン・ブルース』。
どちらもSFネタのコメディで、SF的には、いわゆるお約束なネタのオンパレード。
SFネタの映画だと、どうしても、「いや、それ違うし」という突っ込みを入れてしまうのだが、これはまったくそんなことはなく、もうその通り、そこしかないというオチに突っ込んでいく。
裏切られことの無い分、驚きも少ないのだが、思う通りに、思うタイミングでネタが積まれていく、これがまた、楽しくてたまらない。
その中で、感心したのが、テレポーテーションの処理。舞台上でテレポーテーションをどうやって表現するのかというと、周りが止まって、エスパーだけが移動するという。それ、テレポーテーションじゃなくて、タイムストップじゃん。と突っ込まずに、「おぉ、テレポートした!」と拍手を送るのが正しい鑑賞方法。
おそらく、外しネタが多ければ、上記も突っ込み処になるんだろうが、他の透視やサイコキネシスの正しい“見せ方”が積み上がったあとだけに、本気で感心してしまった。
他のネタも、SF研のバカ話(うちのSF研は部室がなくて、例会は喫茶店だったしな)的なノリで、なんだか大学時代に戻ったような、あるいはSF大会の休憩所みたいな、ヘンな“わかる感”が醸し出されていて、ニヤニヤせずにはいられない。この空間にずっといたいというような、それでいて、もう勘弁というような……。
なんだか、舞台も見たくなってきたぞ。
ちなみに、上野樹里がヒロインの『サーマータイムマシン・ブルース』はビデオレンタルでも絶賛レンタル中。
長澤まさみ主演の『曲がれ! スプーン』は11/21、今週末から公開だよ。
読む前に見るの原則を破っちゃって、ちょっと後悔だよー。
日本のSF界を拡大路線で独走する“Jコレ”。以前にSF短歌集『抒情の奇妙な冒険』なんてのも収録しているが、今度は戯曲集だ。
映画2本の原作となった舞台脚本を収録。
『曲がれ! スプーン』と『サーマータイムマシン・ブルース』。
どちらもSFネタのコメディで、SF的には、いわゆるお約束なネタのオンパレード。
SFネタの映画だと、どうしても、「いや、それ違うし」という突っ込みを入れてしまうのだが、これはまったくそんなことはなく、もうその通り、そこしかないというオチに突っ込んでいく。
裏切られことの無い分、驚きも少ないのだが、思う通りに、思うタイミングでネタが積まれていく、これがまた、楽しくてたまらない。
その中で、感心したのが、テレポーテーションの処理。舞台上でテレポーテーションをどうやって表現するのかというと、周りが止まって、エスパーだけが移動するという。それ、テレポーテーションじゃなくて、タイムストップじゃん。と突っ込まずに、「おぉ、テレポートした!」と拍手を送るのが正しい鑑賞方法。
おそらく、外しネタが多ければ、上記も突っ込み処になるんだろうが、他の透視やサイコキネシスの正しい“見せ方”が積み上がったあとだけに、本気で感心してしまった。
他のネタも、SF研のバカ話(うちのSF研は部室がなくて、例会は喫茶店だったしな)的なノリで、なんだか大学時代に戻ったような、あるいはSF大会の休憩所みたいな、ヘンな“わかる感”が醸し出されていて、ニヤニヤせずにはいられない。この空間にずっといたいというような、それでいて、もう勘弁というような……。
なんだか、舞台も見たくなってきたぞ。
ちなみに、上野樹里がヒロインの『サーマータイムマシン・ブルース』はビデオレンタルでも絶賛レンタル中。
長澤まさみ主演の『曲がれ! スプーン』は11/21、今週末から公開だよ。
読む前に見るの原則を破っちゃって、ちょっと後悔だよー。