水浴びが終わると体操のような仕草をします。交通整理のようです。
政府は2013年4月に小型家電リサイクル法を施行している。この理由は、都市部から廃棄されるパソコンや携帯電話から取り出される貴金属等を鉱山に見立てて、都市鉱山と呼んでいる。どれぐらい取れるのか、継続性はあるのか、採算に合うのか等の疑問もあるが、最近の調査によると金については、総量6800トン、これは全世界の現有埋蔵量の約16%にあたり、実験をしたある学校では100台の廃棄パソコンの金メッキ端子から約2グラムの金を取り出すことが出来たそうである。
この他、銀は60000トン(同様に22%)、イリジウム61%、錫11%、タンタル10%がそれぞれ世界の現有埋蔵量に比べたパーセントで採取できるようである。廃棄されたパソコン等の小型家電の回収には人手が必要で、回収後は分解し、溶鉱炉で加熱、不純物がない単体金属にするための処理をして純度を上げ、再利用に供する。
当初は、廃品業者が回収した物を修理して、再利用するとばかり思っていたが、特定メーカーの部品構成は複雑で量も多く、単なる修理では済まされない。共通部品もあるであろうが、特許権や品質保証など二次的な問題もあり、自転車などと異なり、不可能に近い。むしろ採算ベースを考慮すれば、基盤だけを取り出す方が手っ取り早い。
リサイクル法が生まれる根拠も十分理解できるが、リサイクルに対し、別途費用がかかるのはどうも納得がいかない。我が国には戦時中に鉄製品、銅製品、貴金属類の供出が行われた歴史がある。軍用品を作るのに必要な金属は家庭鉱山がターゲットになったのであろうか。
本来は購入する段階でその値段に含ませるべきであるのに、別途廃棄するために料金を科せるのは二重価格に近く、どう判断するのか迷うところであるが、廃棄場のスペースがなくなり、焼却にも環境汚染物資を発生させる。性能の良い焼却設備の導入、リサイクルにも新品を作るよりも多額な設備を要するとなれば、致し方ない制度なのであろう。大量消費社会では、文明や技術の発達は、生活の向上等多くの恩恵を受けることが出来る。一方、その裏には受益者負担の原則がちらつく。