コンクリートにへばりついた藻の中に何か居るのでしょうか?盛んについばんでいました。
平成26年10月23日
本日の講義は聖マリアンナ医科大学難病治療研究センターのセンター長である遊道和雄氏による「薬や手術によらず患部の細胞内分子を直接刺激して治療する次世代医療」と題した話であった。曇天で小雨模様の当日だったせいか、いつもより、若干少なめの受講状況であった。
講義の話を纏めると、現在研究途上であるが、研究の概要についての導入部分、実験の方法とその結果、今後の課題である。医療の先端分野として注目されている課題であるが、同様な挑戦は、既に行われていて、実際に治療に使用されているわけではない。他の研究との違いは、身体の細胞レベルに対して半導体を利用したLED光線を光刺激として与えることによって、分子内で、あるレンジの波長により細胞が活性化し、患部治療に有効なホルモン等の伝達物質を作らせることにより、患部の再生や不要物質の除去等に寄与させるというモノである。
体内時計ホルモンのことにも触れられたが、人間の規則正しい睡眠が、不規則な生活習慣を繰り返すと、昼と夜が逆転し、体調不良や、睡眠障害を起こす。早朝に起き、太陽光に当たることによって、脳内にメラトニンというホルモン物質が作られ、何日か続けることによって、正常に戻ると言うことが知られている。太陽光は電磁波であり、多くの光線で構成されていて、人間の目で認識できる可視光線以外にも、紫外線や赤外線等が知られている。
特定の疾患にこれらの波長が影響していることは分かっているが、分子内レベルでの実験結果は今までなかったそうである。LED光線を利用した実験は、将来的に見て、装置の小型化、発熱量が低く、環境にも適している等から選択したそうで、欧米でプラズマによる研究が行われ、装置が大きく機材の持ち運びが困難な点は、LEDであれば家庭内での治療にも可能との判断であった。
実験は細胞に含まれる骨芽細胞(骨が強くなる)、滑膜線維芽細胞(関節炎、リュウマチ等の炎症の基となる)、破骨細胞(骨が弱くなる)の三種の細胞をシャーレで培養し、LED光を照射しない場合と波長を変えて照射しその強さを二段階与え、一定日数経過後、結果を分析した。その結果では誤差の範囲はあるが、どれもLED光を照射することによって、細胞の活性化が進み、良い方向へのレンジが見つかった。これらを組み合わせることによって、治療への可能性を同定することができたとしている。今後の研究の成果を期待したい。