河川敷に自然と生えた柳の頂上で、モズが高鳴きしていました。縄張り宣言らしいです。
電気三輪自動車
今回は武蔵小杉の川崎生涯学習センターでの座学であった。川崎市中原区小杉にある本社の社長松波登氏による電気三輪自動車開発にかかる、準備された資料に基づく苦労話であった。まず指摘されたポイントは、すでに我が国では三輪自動車の生産・販売はストップしていて、その原因は、ホンダが市販していたサンドバギー車が米国で運転していた若者が事故を起こし、脊髄を損傷したという事故が発端となった。裁判の結果、ホンダ側の過失があったことで、結審し、20億円に上る賠償金が支払われた。このことで国内の三輪自動車の開発・販売が行われなくなったという。
もう一つのポイントは三輪自動車が持つ特性の一つに、前輪がカーブで不安定となり、しっかりとした軌道を描けずに横転するという構造上の欠陥である。一時ミゼットやk360などの人気軽三輪自動車が人気を博した時代があったが、二人乗りの場合には重心が前になり、左右についても安定性が悪かった。
社長の発案で、エンジンを後方に配置し、バッテリーで動く動力と、デファレンシャルギアを電動に変え、カーブ時の不安定さを解消した。またガソリンからバッテリーに変えたことでエコ仕様にしたとのことであった。
小規模の自動車の製造は、多額の設備投資が必要となるため、部品を購入してそれを組み立てる方式をとったが、国内のメーカーからの調達部品は割高なため、インドの部品メーカーとの契約ができ、比較的安い額で製造可能となった。今後、軽量な貨物車として人気が出れば採算ベースに乗せることが可能とのことであった。
我が国では、三輪自動車と言ってもドアをつけると普通自動車免許が必要となり、開発時には衝突実験が必要である。しかしながら、ドアがなければバイクの免許でよく、衝突実験もないそうである。社長の話によると、ピザの配達や郵便物などには需要があると見込んでいた。確かに二酸化炭素を出さない電気自動車としての特徴と、軽量小型で価格も100万円を切るようになれば需要も出ることであろう。運転者の安全性をどのように担保するのか、しばらく走行実験を繰り返す必要性を感じた。