鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

段取り

2014年10月09日 00時00分01秒 | 提言

 段取りという言葉は物作りに従事すると良く聞かれる言葉で、発展して考えると、何事にも通じる、意味深い言葉である。前職のときに視聴覚教育用の教材作成を手がけていた。物事を教えるには知識教育だけでなく、技術や技能を教えることを想定した教材は、大分様相が異なる。技術や技能は、段取りであり、完成した機構(メカニズム)や、身体を使った動作が体得できることにある。段取りをどのように順序立てて教材にするかは至難の業で、多くの選択肢の中から絞るのには相当な経験を要する。段取りを災害予防の視点で考えてみたい。

 さて、物事を正しく判断し、実行することは、段取りを前もって考えることにあり、結果的に失敗を最小限にし、最小の時間と最小の費用等を考慮することで、多くの選択肢から最適な方法や、工程を経て、最適な答えを導き出すことが出来る。洞察力を養うことにも通じる。

 最近の風潮に、問題を避ける傾向があること、すなわち段取りを考えずに、むしろ避けて、問題に立ち向かわない傾向が見受けられる。このことは大変憂慮すべきことである。短絡的な行動など、理解できない状況が多く発生している。自然災害も多いし、地震や火山噴火など予知の曖昧さが目立つようになってきていると感じている。災害が発生し、その解説ばかりに始終することは、何の解決にも役に立たないことは薄々感じておられる方も多いと思う。

 自然災害が予知できないのではなく、自然災害の及ぼす影響を過小評価した結果に過ぎず、その予防をしてこなかったためで、判断力の欠如なのである。危険を予知するには、過去の現象を分析することは必要であるが、それによる想定は失敗すれば想定ミスであり、想定の行為事態が徒労に終わる。想定外などと弁明する専門研究者の言動には無責任極まりなく、失敗の汚名は拭えないであろう。

 災害や事故が起こってしまうことへは、もっと真摯な対応が求められているが、繰り返される同様な被害は人災意外には考えられない。科学的な知見に立った、段取り、つまり、未然予防が何よりも大切なことであり、発生した後の救助は人命の損失からして、優先順位が高いことは誰が考えても当然のことである。起こってしまった災害は何故にそうなったのかを議論し、再発防止策を生み出すのが人知といえる。それが出来ない愚かさに情けなくなる。

 落石注意の看板や、噴火に対するシェルターの設置など、事故が起きてから作っておけば良かったと口にする解説者にはもはや付ける薬はない。