水流が激しいため、餌を採る一を確保しても流されるようで、バランスを取るのが難しいようです。
今回の講義は「水しか出さない発電装置、スペースシャトルの電源技術が身近にというサブタイトルで、東芝燃料電池システム(株)技師長 松田氏から、パワーポイントを使った講義で、1.燃料電池の原理・種類、開発の歴史 2.燃料電池の簡単な実験 3.燃料電池の構造とエネファームの仕組み 4.エネファームへの期待と展開状況 5.エネファームの技術動向 6.水素社会に向けた動き の6項目について90分間の説明が行われた。
原理については、中学の化学実験で学ぶ、水の電気分解によって、水素と酸素が発生することは誰もご存じであるが、この逆を行うことによって、酸素と水素を化学反応させて電気と水を取り出す仕組みである。1800年代に英国のデービー卿が燃料電池の可能性について発表したことが発端となった。1968年にアポロ計画によって、月での有人探査が行われ、探査機に燃料電池が搭載された。その後発展を続けるが、2009年には我が国でも家庭用燃料電池商用化が開始された。
燃料電池が必要であることは、病院における災害時非常用電源として、家庭用では停電時における必要最小限の電源確保などによる。最近では燃料電池車が誕生している。燃料に水素を使い、燃料電池と二次電源(バッテリー)を併用した乗用車やバスが利用可能となっている。携帯電話向けの燃料電池、パソコン向け等も実用化に向け開発中とのことであった。
燃料電池の種類には4形態があり、固体酸化物形、溶融炭酸塩形、リン酸形、固体高分子形である。発電量は固体酸化物形が多く、固体高分子形は300kW程度である。固体高分子型燃料電池の構造の説明があった。水素と空気中の酸素を、電解質膜を通して触媒に白金を使うと、熱と電力が取り出せる。エネファームという定置用の燃料電池システムが、国ベースで誕生し、東芝は大阪ガスと、パナソニックは東京ガスとの共同研究によって製品化している。
原子力発電が停止中又は廃炉となり、現在稼働しているところは僅かであるが、使用済み燃料の貯蔵が問題となるなか、代替えエネルギーの模索が続いている。自然エネルギーの風力や太陽光発電には、継続的な電力供給が出来ない、地熱、波動等もパーフェクトとは言えず、火力と燃料電池を併用することが将来的に見ても可能性が高いとの分析である。
とはいえ、家庭での導入コストが高いなどの問題もあり、更なる研究によって発電効率を高める等、水素の利用がどうなるか注目していきたい。