端から見ているとまるでダンスを踊っているようなポーズでした。
人生の三分の一は睡眠といわれる。脳の一部は活動していても意識は失われている。夢を見ていることや疲れた身体を再活性にするための構築を行っているようである。ベッドが主流となっても敷き布団や掛け布団は使っている内に綿が容積を減らし、打ち直しが必要になる。最近は打ち直す必要がない羊毛布団や羽布団が多くなっているが、畳の生活では敷き布団や掛け布団は綿が用いられている。
布団を軽くするために、合成繊維(化繊)が用いられているが、純綿は打ち直すことによって本来のフカフカの布団に再生できる。布団の打ち直しを生業にしている業者は生活の欧米化が進み、打ち直してでも再利用するニーズが減ったことで多くの業者が廃業に追い込まれていて、何れは消滅するかも知れない。
布団の打ち直しは、綿を包んでいる布を取り去り、綿の繊維の間に空気を送り、綿をほぐしながら布団作りに必要な幅と厚みを持ったパーツにしする。パーツを布団の原形に敷き詰め、それを真綿で包み、木綿等で縫い上げた袋状の側に収め、外側から数カ所を仕付け糸で綴じる。結構手間が居るが、作業中は綿の繊維が浮遊するため、マスク等で防塵しながらの作業を行っている。布団の打ち直しでは、化繊の綿は再生が効かないようで、どうしても純綿を追加しなければ成らないが、古い2枚の掛け団から1枚の新しい敷き布団が、また、1枚の敷き布団からは1枚の敷き布団が出来上がる。
布団の打ち直しまでは業者に頼んでも、打ち直した綿を使っての布団作りは、古くは主婦の重要な仕事でもあった。自分の母親も冬に向けて今頃の時期に布団作りを行っていた。
自分は真綿を布団屋に買いに行った。手の平より大きいぐらいの大きさで、数枚重ねて売っていた。それを広げる手伝いをしたものである。布団屋でも真綿を売っているかまではチェックしていないが、真綿を購入するにも売っている店があるかどうか定かではない。
孫が誕生したときに、おむつを替えるための敷き布団を女房が布団屋に頼んで作ってもらいプレゼントした。その後、子供用ベッドに合わせ、敷き布団を、今度は打ち直しで新しい布団が出来上がった。布団の大きさで孫の成長がよく分かる。
北の国では布団乾燥機が必需品といわれる。布団が吸い込む汗の料は一晩にコップ一杯といわれているが、室内の湿度が高くなるこれからの時期であるが、たかが布団されど布団で、毎日の生活でさほど意識していない必需品にも目を向けることが大切である。