上空を優雅に舞うトンビですが、目がよいのか高いところから餌を見つけています。
社会人の一員として、就職という関門を見事通過された新入社員の方々に対し、何らかの参考にと思い、筆を執らせていただいた。サラリーマン生活を終えて、長年経験した事柄の中で、必要である仕事の基本は、一夜にして生まれるのではなく、蓄積されてきたルールとでもいえることがある。
就職後の受け入れ研修が始まっているところも多い。学ぶことは多様で、複雑である。夢と希望を持て、自己実現のもと、組織人であることも大事なことであり、このことが、意識されて初めて、与えられた仕事を遂行できるのである。言葉は悪いが、一人では何もできない。組織の歯車の一つであり、自らの役割が果たせて初めて組織全体が動くのである。そこで共通することは、上司、同僚とのコミニュケーションであり、「ほうれんそう」といわれている報告・連絡・相談であろう。報告は、常時、または定期的に仕事の進捗を報告し、連絡は、業務に関係する、内外の人との意志を共有化する行為で、相談は、上司に対しまたは関係する人との合意形成で、独断を防ぐことである。
社内では組織の一員であるが、対外的には組織を背負っているといえる。この判断は大変難しい。組織を背負うということは、組織の目的に反しない、別の言葉では組織の長の代弁者でもあるが、新入社員にそこまでの対外交渉を含めて、役割を与えることはないが、気持ちの上ではそういうことである。そこで、対外交渉を含め、信条として、組織のルールを知り、組織の目的、活動、組織を構成している人を知ることにつながる。
それらのことを効果的進めるためには、どのようにすればよいかというと、組織にはそれらを文章化した定款、社則、内規等があり、業務に関しては、決裁文書がある。少し大きい組織では、業務方法書や各種マニュアルが準備されている。これらを片端から目を通しておくことをお勧めしたい。何故かというと、何を行うにしても、根拠となるもの(基準ともいえる)に沿って仕事は進められているからである。例えば、上司から根拠となる文書とは異なる解釈や、逸脱していれば、たとえ上司から命令されたとしても、納得いくまで、誠意を持って説明を求めてもよい。
しかし、時代が変わったとはいえ、新たな考えや行動が必要なことも事実であり、悪弊は取り除かなければ、いつまでも旧態依然で、発展の余地もなくなる。長いものには巻かれろとは考えずに、どこまでが組織の進む方向と異なるかの冷静な判断は、たとえ、新人であろうとも、組織の活性化のために、常に必要と思われる。