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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

仕事の基本2回目

2015年04月15日 00時00分01秒 | マニュアル

 組織の目的は定款に書かれているとおり、事業を通じて、目的達成のための活動を行うことになるが、基本的には、人、物、金が関係する。これらの三要素を組み合わせて計画の立案、事業の実施、事業の評価、改善の所謂PDCAサイクルを構築して展開して行く。

 

 このときのベースとなるものが決裁文書で、稟議書や原議書と呼ばれているものである。つまり文書によって事が発議され、内容を組織の関係者が合意されて始めて動き出すことになる。勿論、案件の内容によって、起案する担当者が決まってくる。通常は、業務を担当する職員が起案を行い、上司や関係部局の合意を経て、最高責任者の決裁を受ける。決裁に際しては起案文書の根拠・内容等の説明を起案担当者が行うのが原則である。決裁は多角的な面から検討されて揉まれる訳であるが、この過程は大変重要なことで、組織の合意形成のために欠かすことが出来ない。

 

 決裁順序は案件により若干異なるが、起案担当者がピラミッド組織の現業部門にあたるため、トップダウンではなく、ボトムアップといわれる。関係部局の合意を得るために、合意形成に時間がかかる難点を持つが、決裁が終わると組織全体が関与するため、決裁後の行動は素早く進むことが出来る。決裁は稟議書に予め作成された決裁欄に捺印かサインで行う。ここに至るまでの組織内の動きを加速する意味で、「根回し」が行われることが多い。起案部署の立て列の長は他部局の横列である長への働きかけを行う。その機会は勤務時間内に限らず、あらゆる接触の機会を利用する。

 

 決裁が終わると、決裁番号が与えられ、対外的に決裁月日と発信番号が付けられ発送される。部局長が連名する場合もあるため、関係部局へ複写が送られる。上述したケースは、新規案件の起案の方法を述べたが、ルーチンワークとして行っている事業については、既に仕事に携わった前任者等が起案しているため、重複することがないようにしなければならない。しかし、対象範囲が広がり、内容に変更等があった場合には新たな起案が必要となる。その意味において、記述した、起案文書を過去に遡り閲覧しておくことが新入社員にとっては必要となるのである。

 

 文書の性質によっては部外者への漏洩が問題になることもあり、最近ではパソコンで起案書を作るなどされているため、電子ファイルとして簡単に持ち出すことも出来る。起案案件の取り扱いについては、簡単に開示できないよう十分に注意することが必要となる。